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知っておきたい印章管理の留意点

会社で押印する印章は適切に管理されていますか?

書類にハンコを押す際に、迷ったり不安になったりしたことはありませんか。知っているようで実は知らない「会社で扱う印章の種類と法的な役割」について見ていきましょう。

[2018年 3月22日公開]

企業の印章管理は厳格に行う

企業間の取引や官公庁へ提出する重要書類など、会社では印章を使うシーンが多々あります。どこの会社でも社印や、代表者印(丸印)、ほかにも銀行との取引印や役職者印など会社で使われる印章を幾つか用意されているかと思います。

一般的にこういった印章の管理は総務部の仕事の範囲とされていますが、取引に使われる印章は、会社の権利関係を明らかにする重要なものなので、印章の法的役割を認識したうえで、印章管理をルール化する必要があります。

印章の取り扱いがずさんな場合には、悪用などによって会社に損失を与えることもあり得ますので、管理担当部門においては、その管理にあたって十分な配慮が必要となります。

「印章」「印鑑」「印影」の違いとは

印章に関連する用語としてよく用いられるものに、「印鑑」や「印影」といったものがあります。いずれも似たような用語で、混同して使われている場合もありますが、その意味するところは明確に異なりますので注意しなければなりません。これらの意味するところの違いを認識したうえで、適切に使い分けることが必要です。

印章
印章はいわゆる印形(ハンコ)のことであり、ハンコそのもののことです。
印影
印章に朱肉をつけて押印した跡形のことです。
印鑑
印影のうち、役所や銀行に届け出ておいて特別な意味を持たせたものをいいます。

捺印と押印の違い

関連する印章の用語で「捺印」と「押印」という言葉があります。どちらもハンコを押すことですが、明確な違いがあります。

捺印
名前を手書きで自署し印鑑を押すこと。
押印
手書き以外で記名された名前に印鑑を押すこと。

つまり自分で名前を手書きしたものにハンコを押すことを「捺印」といい、あらかじめ印刷やゴム印などで記載された名前にハンコを押すことを「押印」といいます。

会社で作成する契約書類などは名前が記載されている場合が多いので「押印」のケースがほとんどですが、法的効力は手書きで署名されたものに印鑑が押された「捺印」の方が、証拠能力が高いとされています。

印章の種類について

通常、企業で使用される印章には以下のような種類があります。

代表者印
会社で最も重要な印は、代表者印として法務局に印鑑届をしている印章で、実印といわれるものです。官公庁への届け出等に使用される最も重要な印章。
役職者印
「○○取締役之印」、「○○部長之印」など役職者名の刻まれた印で、それぞれの役職上使用する会社の認め印。
銀行印
銀行と取引をするため、一般的には代表社印とは別の印鑑を銀行に届け出た印章。
社印
「○○株式会社之印」などと社名が刻まれた印章。正方形で四角いところから角印ともいわれます。

印章管理の必要性

官公庁へ提出する重要書類や企業間の取引においては、印鑑の有する法的効力から印章(ハンコ)が重要な意味を持ちます。この法的効力を十分に認識し、印章が適正に取り扱われなければ、思わぬトラブルを招く危険性があります。例えば、印章を盗まれて知らないところで押印されてしまう、あるいは誰かが印章を持ち出して悪用するといったケースです。

法律上では、本人またはその代理人の署名または捺印のある文書は、これを真正なものと推定するとされています。この規定により、押印のある文書は、本人の意思に基づいて作成されたものと事実上推定されます(民事訴訟法第228条4項)。

また、私文書偽造においても押印が有るか無いかで、罰則に差があります。無印私文書偽造・変造の罪は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられるのに対して、有印私文書偽造・変造の罪は3年以上5年以下の懲役に処せられます(刑法第159条)。

印章管理の担当者は、会社で使用される印章の種類を把握し、誰が印章を保管し押印するのかなど、社内で印章管理の具体策を定め、間違いのない利用法を社員に指導しなければなりません。

印章の押印管理

印章の押印管理を誰が行うかは、会社の規模によっても異なってくるでしょう。中堅・中小企業の場合であれば、重要な印章は社長自身が保管し、押印していることが多いのではないかと思います。

しかし、ある程度の規模になった会社であれば、押印管理の仕事は総務部のような管理部門で行われることになるかと思います。この場合、押印の手続きをきちんと定めておく必要があります。

また誰が、いつ、何の目的で、どの印章を押印したか、といった印章の使用履歴を取っておく必要もあります。「印章管理台帳」を作成して管理するとよいでしょう。

参考書式

印章管理台帳の見本をご用意しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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印章管理規定

印章は会社の権利義務を発生させる重要なものです。従って、その管理にあたっては、文書化したルールを定める必要があります。これは、通常「印章管理規定」と呼ばれていますが、印章の定義や使用範囲といった基本的な内容を盛り込むことになるでしょう。
一般的に印章管理規定の中に定められる事項には、次のようなものが挙げられます。

  • 印章の定義
  • 印章の種類
  • 印章の使用範囲
  • 印章の管理責任者
  • 印章の押印手続き
  • 印章の作製・改印
  • 印章の紛失・盗難等の処置

参考書式

印章管理規定の見本をご用意しましたので、ぜひご覧ください。
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印章を紛失したら

印章を紛失または盗まれた場合は、一刻も早く届け出た印鑑の効力を失効させなければ、悪用により多大な被害が生じてしまう危険性がありますので、速やかに処置しなければなりません。

(1)代表者印を紛失・盗難にあった場合

(a)直ちに届出法務局にその旨を通知して、印鑑証明書の交付を受けられないようにするとともに、改印届を提出して、無くなった印章の代表者印としての効力を失わせなければなりません。

(b)またこれらの手続きと同時に、所轄の警察署にも紛失届、盗難届などを提出するとともに、後に必要となることがあるので、紛失届出証明書、盗難届出証明書などを入手しておきます。

(c)また関係先、取引先にも改印した旨を連絡しておきます。紛失・盗難にあった印章を悪用して会社名義の注文書や領収書などが偽造されるのを防ぐことができます。また、不審な動きがあったら知らせてもらうことができます。

(2)銀行印を紛失・盗難にあった場合

すぐに銀行に事故届を提出し、同時に改印届を提出して無くなった印章による銀行取引、手形取引などが行われないようにし、また使われた形跡があったらすぐに知らせてもらうようにしておきます。
その他の処置については、上記(1)の(b)、(c)と同様です。

(3)その他の印章の場合

上記(1)の(b)、(c)の処置を取ります。

押印を楽に行う方法とは

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スキャンしたハンコを登録して使うこともできますし、あらかじめソフトに入っているハンコに日付や名前を入力し、書類に合った形のハンコを作ることもできます。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。