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セクハラトラブル解決への道(2)

方針の明確化と周知徹底、毅然(きぜん)とした対応がポイント

セクハラが発生しない健全な労務環境を構築し、全ての社員が安心して働ける職場を目指しましょう。

[2018年 4月11日公開]

起こってからでは遅い! 早めの予防対策を!

セクハラ防止策を進めるうえで重要なのは、まずセクハラが「被害者の基本的人権(人格権)を侵害する違法な行為」であることを認識することです。

またセクハラによって企業の責任が問われれば、その対応で時間を奪われるだけでなく、敗訴すれば賠償費用が必要となります。

さらに、問題が公になれば企業イメージは失墜します。被害者・加害者が最終的に退職に追い込まれることも多く、それ以前に日常的にセクハラが行われている職場は秩序も保ちにくいだけでなく、士気の低下、生産性低下につながり、メリットは一つもありません。

セクハラを発生させないために、早急に予防策を講じましょう。

セクハラトラブルが企業に及ぼすリスク

  1. 法令違反
  2. 紛争対応による時間的損失、および賠償金支払いなどによる経済的損失
  3. 優秀な人材の流出
  4. 職場の士気低下、生産性低下、モラル低下
  5. 企業イメージの低下

セクハラ防止に向けた三つの具体策

事後のセクハラ対策を考えることも重要ですが、まずはセクハラが発生しないよう、予防策を講じることが先決です。

1.方針の明確化と周知・啓発

セクハラの定義、セクハラに対する自社の方針、行為者への厳正な対処方針、セクハラ相談および事実関係の確認に協力したことなどを理由として、不利益な取り扱いを行ってはらない旨などを定め、就業規則その他の服務規律を規定します。

そしてどのような言動がセクハラに該当するのか、行為者にどのような対処や処分がなされるのかなど、それらの内容について、社内報、啓発パンフレット、社内イントラ等も活用しながら、周知・啓発します。

加えて、新入社員やリーダー対象の研修などの教育研修プログラムにセクハラ研修を組み込みます。ケーススタディーやディスカッション等を盛り込んだ内容にすれば、自己の行動の振り返りと共に気づきを得ることができます。啓発目的の書籍やビデオを配布するeラーニングの必修項目にするなども有効です。

セクハラ問題を解決するうえで、カギとなるのは管理職の存在です。セクハラは上司と部下の関係や、コミュニケーションギャップにより引き起こされることが多々あるからです。「セクハラを許さない」という強い姿勢を管理職と共有するためには、地道に根気強く啓発していくしかありません。特に管理職に対する研修は念入りに実施しましょう。

2.セクハラ相談窓口の設置

セクハラについて従業員が相談できる体制を確立します。これによってセクハラの恐れがある行為を初期の段階で防ぐことができます。既に相談窓口を設置している場合は、社内に周知されているか、また相談は面談だけでなくメール、電話でも受けられるか、プライバシーが守られているかなど、利用する従業員側の視点でチェックします。

相談に対応する担当者はセクハラについて十分に知識を持ち、相談内容や状況に応じ適切に対応できる人を人選します。できれば女性が被害申告をしやすいよう、男性だけでなく、女性の担当者も配置します。

「適切な対応」とは、被害者が受けている性的言動などの性格・実態によって状況を注意深く見守る程度のものから、上司・同僚などを通じ行為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すものなど事案に即した対応を行うことを指します。セクハラ問題への理解が浅いと、いわゆる二次被害(相談者が相談窓口の担当者の言動などによってさらに被害を受けること)に発展しかねません。

また、セクハラが現実に生じている場合だけでなく、発生の恐れのある場合やセクハラに該当するか否かが微妙な場合も含めて、広く相談に対応していかなければなりません。対応の仕方、カウンセリング方法など、相談担当者への研修も実施する必要があります。

セクハラ相談のホットラインを外部に委託する方法もあります。外部に委託することで被害者のプライバシーが守られ、より一層、被害の申告がしやすくなります。

3.セクハラが発生した場合の対応を定める

相談・苦情を受けたら、初期の段階で迅速・適切に対応します。問題を放置し対応が遅れると、問題がこじれ被害が拡大してしまいます。それを防ぐためにも、セクハラ問題が生じた場合の担当部署や責任者、対応の手順などをあらかじめ明確に定めておきましょう。

事実確認にあたっては、被害者の心情、関係者のプライバシーに十分配慮したうえで、双方の主張を公平に聴き取りましょう。聴き取りはどちらか一方に偏ることがないよう、男女ペアで行うことが望ましいです。双方の言い分が異なり対応に苦慮する場合は、弁護士などの専門家に入ってもらい、意見をもらったうえで会社としての判断を行うとよいでしょう。セクハラの事実が確認できた場合は、公正なルールに基づき行為者を処分します。

問題を軽く考えたり、企業の体裁を気にして秘密裏に事を処理しようとしたり、当事者同士の解決に委ねようとすると逆に問題の解決が困難になります。初期の相談の段階から真摯(しんし)に取り組むことが大切です。

セクハラ再発防止に向けて

セクハラ相談が寄せられた場合は、たとえセクハラが生じた事実が確認できなかったとしても、これまでの防止対策に問題がなかったかどうか、社内に相談しづらい雰囲気がないかどうかなどを再点検するとともに、あらためて自社の方針やセクハラ防止規定について周知を図ります。

セクハラについて処分が行われた場合は、速やかにセクハラの内容や処分内容を公表します。また定期的に実態調査を行い、自社のセクハラの現状を把握するとよいでしょう。この場合は匿名で実施する必要があります。

参考資料

eラーニングでハラスメント問題を学習する

大塚商会では「職場のハラスメント対策」コースをご用意

ハラスメント問題に対処するには、ハラスメントがどういうものなのかをまず正確に理解し、問題への対処法、予防法を学んでおく必要があります。
大塚商会では「職場のハラスメント対策」コースをご用意。学習目標は以下のとおりです。

学習目標

  • 職場で起こるさまざまなハラスメントについての基礎的理解を深める。
  • ケーススタディーを通して、ハラスメントによる影響や被害を正しく理解する。
  • ハラスメントを防ぐための予防策と、起きてしまったときの対処法を学ぶ。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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