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人材育成の第一歩「職業能力評価基準」

人材育成は職業能力評価基準の制定からスタート

業務内容に応じ、実践的に働く人々のスキルアップを図るため、職業能力評価基準を核とした人材育成システムをご紹介します。

[2018年 4月18日公開]

厚生労働省の職業能力評価基準について

企業で働く従業員のスキルを正しく評価し、その能力を伸ばしていく「人材育成システム」。一部の大企業を除き、人材育成システムが構築できている企業はまだまだ少ないのが現状です。

そのため、ここでは人材評価・育成の制度構築を検討する際の参考として、厚生労働省の「職業能力評価基準」を核とした人材育成システムをご紹介します。

「職業能力評価基準」とは、仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものです。

厚生労働省が整備している人材育成システムの特徴は、業種別、職種・職務別に整理された「職業能力評価基準」を用い、現在の能力レベルを把握、評価するための「職業能力評価シート」、業種内でのキャリア形成の指針となる「キャリアマップ」といったツールを用い、業務内容に応じた実践的な人材育成を行えることにあります。

職業能力評価基準を基に、企業が人材育成により簡単に取り組むためのツールとして、「キャリアマップ」と「職業能力評価シート」を作成します。

職業能力評価基準(キャリアマップ・職業能力評価シート)の活用方法

1.会社は人事育成の資料として活用

企業内で人材育成を推進する際に、社員の職業能力レベルを客観的に判断し、そのレベルに対応した教育制度の整備に役立てることができます。職業能力評価基準を満たすために必要な教育を施すことで従業員の能力開発に活用することができます。

2.従業員は、自分のスキルアップに活用

従業員の方は、職業能力評価基準で自分がどのレベルに位置し、レベルアップのために満たしている項目と不足している項目を認識することで、客観的に現時点での自分の能力を把握し、次のレベルに進むための目標を立てることができます。

3.人事評価の資料として活用

企業内での人事制度は、経営方針や会社を取り巻く環境の変化に応じた見直し、人事評価制度のさらなる整備が必要になる場合があります。職業能力評価基準を定めておくことで人事制度の変更に対応した評価・処遇決定の資料として活用することができます。

4.採用や人事異動での活用

  • 社内の人材ニーズの把握や人材戦略の計画実施に活用できます。
  • ジョブ・カード制度を利用して採用を行う場合に、職業能力評価基準やモデル評価シートを活用できます。

5.研修や検定試験での活用

業界検定の構築や研修・教育のためのテキスト作成・講習に活用することができます。

職業能力評価基準の構成について

仕事の内容を細分化して成果につながる行動例と必要な知識を整理・体系化

職業能力評価基準では、仕事の内容を「職種」→「職務」→「能力ユニット」→「能力細目」という単位で細分化しています。そのうえで、成果につながる行動例を「職務遂行のための基準」、仕事をこなすために前提として求められる知識を「必要な知識」として整理・体系化しています。

企業において期待される責任・役割の範囲と難易度により四つの能力段階を設定

職業能力評価基準では、能力ユニットごとの「能力細目」「職務遂行のための基準」「必要な知識」の設定にあたり、企業において期待される責任・役割の範囲と難易度により、四つの能力段階(「レベル区分」と呼んでいます)を設定しています。

職業能力評価基準におけるレベル区分の目安(例:スーパーマーケット業)

レベル4
統括責任者
  • 全社的な基準や制度の改正等、広範かつ統合的な判断および意思決定を行い、企業利益を先導・創造する業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 顧客の意見やニーズを企業の政策に反映させ、事業展開や経営方針の企画・立案・決定に参画するために必要な能力水準。
  • 安全・安心を常に顧客に提供できるようにリスク管理を行い、必要時の対応など、統括責任者の立場として業務を遂行するために必要な能力水準。
レベル3
担当責任者
  • 担当責任者として、上位方針を踏まえて管理運営、計画作成、業務遂行、問題解決などを行うことにより、企業利益を創出する業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 顧客の意見やニーズなどの情報を担当店舗などから収集し、店舗運営や商品購買など、担当部門の責任者の立場として業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 安心・安全を常に顧客に提供できるようにリスク管理を行い、必要時の対応など、担当責任者の立場で業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 担当地域の店舗運営や担当分野の商品購買など、担当部門における運営業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 自店舗の管理運営業務を遂行するために必要な能力水準。
レベル2
販売部門責任者
  • 担当売り場の中心メンバーとして、創意工夫を凝らして自主的な判断、改善、提案を行いながら業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 自己の担当売り場において顧客の意見を吸い上げ、ニーズを発見・整理し、売り場環境の改善を上申するなど、積極的な業務を遂行するために必要な能力水準。
  • 自己の担当売り場を中心に、安全・安心を顧客に提供できるように配慮しながら業務を遂行するために必要な能力水準。
レベル1
販売担当者
  • 担当者として、上司の指示・助言を踏まえて定例的業務を確実に遂行するために必要な能力水準。
  • 自己の担当売り場において、顧客の意見などからニーズを発見し、通常の業務に反映できる能力水準。
  • 自己の担当売り場において、安全・安心を顧客に提供することを通常業務で配慮できる能力水準。
  • *出典:厚生労働省(職業能力評価基準の構成)

制度の詳細

厚生労働省のWebサイト、PDFが開きます。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。