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2019年版 使える助成金(雇用関連)

助成金を活用して雇用を推進し、労働環境を改善

国や自治体が企業活動を支援する目的で助成金・補助金を交付する制度があります。企業活動を推進するうえで活用を検討してみてはいかがでしょうか。

[2018年 6月13日公開]

[2019年 8月28日更新]

「トライアル雇用」助成金

トライアル雇用助成金とは

「トライアル雇用」とは、企業と労働者相互の理解を深め、その後の常用雇用への移行や雇用のきっかけづくりを図るために厚生労働省が実施している事業です。

職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者を試行的に短期間雇用(原則3カ月)する場合に助成金が支給されます。

助成金

支給対象者1人につき、月額4万円×最長3カ月間(合計12万円)

  • *対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合、若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の対象者に対しトライアル雇用を実施する場合、いずれも1人当たり月額最大5万円(最長3カ月間)となります。

受給のポイント

事前にトライアル雇用求人をハローワーク(注1)に提出。企業がハローワークの紹介により、以下の対象労働者を試行的に雇い入れ、短期間雇用(原則3カ月)する場合、一定の条件を満たせば助成金が支給されます。

  • (注1)ハローワーク以外に地方運輸局、雇用関係給付金の取り扱いに係る同意書を提出し、標識の交付を受け、これを事業所内に掲げている職業紹介事業者でも受け付け・紹介を行っています。

「トライアル雇用」の対象者

平成31年4月1日より対象者が一部変更になっています。

  1. 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している。
  2. 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている(注2)。
  3. 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業(注3)に就いていない期間が1年を超えている。
  4. 紹介日時点で、ニートやフリーターなど(注4)で45歳未満の人。
  5. 紹介日時点で、就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する人(注5)。
  • (注2)パート・アルバイトなどを含め、一切の就労をしていないこと
  • (注3)期間の定めのない労働契約を締結し、1週間の所定労働時間が通常の労働者の所定労働時間と同等であること
  • (注4)安定した職業に就いていない方で、ハローワーク等において担当者制による個別支援を受けている方
  • (注5)生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇い労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者

企業はトライアル雇用の期間中に、対象労働者の適性や業務遂行能力などを実際に見極めたうえで、その後に本採用するかどうかを決めることができます。助成金の支給により対象労働者の常用雇用を義務付けるものではありませんが、上記の対象労働者1から5については、できる限り常用雇用に移行するよう、業務等の助言・指導を実施することが求められます。

申請に当たっては、支給対象事業主の要件を満たす必要があります。詳細は以下のパンフレットをご参照ください。

お問い合わせ先

最寄りのハローワーク、都道府県労働局

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)とは

人材確保等支援助成金は、従業員の離職率低下に取り組む企業に対して助成を行う制度で、雇用管理制度(評価・処遇、研修、健康づくり、メンター<先輩サポート>)の導入によって雇用管理の改善を推進し、人材の定着・確保と魅力ある職場環境を創出することを目的としています。

事業主が新たに雇用管理制度の導入・実施を行い離職率の低下が目標に達した場合に「目標達成助成 57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)」が支給されます。

雇用管理制度の種類

評価・処遇制度
評価・処遇、昇進・昇格、賃金制度(賞与・退職金含む)、各種手当に関する新たな制度の導入が対象となります。
研修制度
新入社員研修、管理職研修、マーケティング技能研修、特殊技術研修など、新たな教育訓練制度の導入が対象となります(メンター制度の研修は除く)。講習時間の管理が可能であれば通信講座やeラーニングも対象となります。
健康づくり制度
人間ドック、生活習慣病予防検診、腰痛健康診断など、法定の健康診断以外の健康づくりに関する新たな制度の導入が対象となります。
メンター制度
直属の上司以外に、指導・相談役となる先輩(メンター)が後輩(メンティ)をサポートする制度です。支援機関や専門家による外部メンターを活用する場合も対象となりますが、その場合は外部メンターのスキル(コーチング・カウンセリングなど)を客観的に判断できる実績などの資料が必要です。また、社内メンターの場合、コーチング・カウンセリングの習得を目的とする講習を受講させることが必要となります。
  • * 保育事業主の場合は「短時間正社員制度」の導入も雇用管理制度の対象となります。

目標達成助成とは

制度導入助成に基づく施策を実施した結果、雇用管理制度整備計画期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率を、雇用管理制度整備計画を提出する前1年間の離職率よりも、下表に掲げる目標値(注6)以上に低下させた場合、目標達成助成金が支給されます。

  • (注6)低下させる離職率の目標値は、対象事業所における雇用保険一般被保険者数に応じて変わります。
対象事業所における
雇用保険一般被保険者の人数区分
1~9人10~29人30~99人100~299人300人以上
低下させる離職率(目標値)15%10%7%5%3%

支給までの流れ

1.雇用管理制度整備計画の作成・提出

提出期間内に、本社の所在地を管轄する都道府県労働局(注7)に提出します。
申請月の前月末日からさかのぼって1年間(計画時離職率算定期間)の離職率を算出します。これを「計画時離職率」とし、この数値を基に低下させる離職率の「目標値」を設定します。

  • (注7)ハローワークでも取り扱う場合があります。管轄する都道府県労働局にお問い合わせください。

2.雇用管理制度の導入・実施

新たに認定を受けた雇用管理制度整備計画に基づく雇用管理制度を導入・実施します。導入・実施開始後1年間は「雇用管理制度整備期間」となり、離職率低下の目標値達成に向けて雇用管理制度の浸透を図ります。

3.導入効果の算定

雇用管理制度整備期間終了日の翌月から1年間が「評価時離職率算定期間」です。この期間の離職率が「評価時離職率」となり、離職率低下が目標値以上になっていれば「目標達成助成」支給の対象となります。

4.目標達成助成の支給申請

算定期間の終了後2カ月以内に、支給申請を行います。

5.助成金の支給

目標達成助成:57万円(生産性要件<注8>を満たした場合:72万円)

  • (注8)生産性要件は、企業が成長・拡大していることを示す数値です。詳しくは厚生労働省のパンフレット「労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます」をご参照ください。

参考

人材確保等支援助成金は、平成28年4月より重点分野関連事業主以外の事業主も対象となり、平成30年4月1日より職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース、介護労働者雇用管理制度助成コース)が統合された制度です。

人材の定着を目指し、働き方改革を推進する際に検討してはいかがでしょうか。

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「働き方改革」に関連する助成金・補助金をご紹介

働き方改革を推進するため、国や地方自治体などでは企業等へ助成金や補助金を支給していることがあります。助成金や補助金を活用して充実した「働き方」を目指してみませんか?

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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