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商標登録で自社ブランドを守る

知っているようで知らない商標登録のポイントを解説

自社で販売する商品やサービス名称の商標登録をついうっかり忘れてしまうと勝手に競合他社などに商標が使われてしまい、大きな損害を被ることがあります。商標登録は忘れずに行いましょう。

[2018年10月10日公開]

商標と商号の違い

商標とは、自分と他人との商品やサービスを区別するために付ける名称やマークのことです。

商標として認められるのは、以下の要素で構成される商品名やサービス名です。

  • 文字(商品・サービス名などの文字列)
  • 図形(マークなど商品・サービスを図案で表したもの)
  • 文字と図案との組み合わせも可
  • 記号(社標<ロゴ>など)
  • 立体的な形状(例えば、容器、キャラクターなどの立体物)

同一名称を防止するために「商標」とは別に「商号」というものがあります。

商号は法人(会社)などの正式名称であり、同一市町村区では同じ商号は使用(登記)できません。いったん登記すれば会社が存続する限り永遠に使用できます。しかし、保護範囲は市町村区内のみです。そのため会社名(法人名)として登記している商号を商標登録している会社も多数あります。

商号は同じ名前であっても同一市町村区以外であれば原則、複数の会社を登記できますが、商標は同じ名前を同一区分(商品区分もしくは役務<サービス>区分)で日本国内では1社しか登録できないのです。

商標登録の必要性

お客様は商品名またはサービス名を見て、商品・サービスを選択しているはずです。つまり、商品名、ブランド名、ロゴマーク等を手掛かりにして商品・サービスを識別しています。

商標登録をしていないと勝手に第三者が同じ名前やマークを使用してもそれを阻止することは困難となります。

それだけでなく、品質の劣る商品が同名で販売されると消費者は本来の商品と混同しますので、著しく評判は下がってしまい、商品やそれを販売している企業イメージ、信用が大きく損なわれます。しかし、商標権を登録していれば、勝手に登録商標を使っているとして使用を中止させたり、損害賠償を請求したりできます。

このように商品名、ブランド名、マーク、キャラクターを第三者が勝手に利用するのを防ぐ意味で商標登録を行い、知的財産権を確立しておく必要があります。
また「商標」は全国(日本国の主権の及ぶ全地域)で有効ですが、登録申請費用のほかに10年ごとに更新料を支払って維持する必要があります。

商標登録をする前に気を付けること

商標登録を行う際は、事前に同じ商標が登録されていないことを確認する必要があります。
最近は、ネットで検索してみるのが最も簡易で手っ取り早い方法となりますが、その場合以下の点に注意してください。

商標登録ポイント その1

同じ商標があっても商品区分が異なれば登録できる可能性がある

ネット検索で同じ商標が既に存在する場合があります。しかし、同じ商標があっても使用する商品が異なれば商標登録できる可能性があります。なぜなら商標権は、全ての商品・役務(えきむ:サービス)に対して有効ではないからです。商標登録を受ける際には、登録を受ける商標を特定し、さらに、商品・役務の指定をしなければなりません。

商標法では商品・役務は45類(区分)に分けられています。仮に、家電製品で“XYZ”を登録しようとした場合、衣料品関連で既に商標“XYZ”が登録されていても、衣料品とは区分が異なるため、商標登録できる可能性があります。

商標登録ポイント その2

商標調査はネット検索だけでは不十分

インターネット検索をすることは重要ですが、商標登録されているだけでまだ使われていない、もしくはインターネット検索では出てこない商標はたくさんあります。

登録商標を実際に調査すると、ネット検索では出てこない商標でも既に出願され登録されている場合があります。名称だけでなく、マークなどの図案やキャラクターなどを調査するのは難しいので、弁理士や商標登録調査会社などの専門家への依頼を検討されるとよいでしょう。

商標登録ポイント その3

使用実績より商標登録の方が権利を持つ

先代から使用している商品名など、商標登録の有無が不明な場合があります。商標登録出願より早く商標を店舗名などで使っていると、その店舗名は「先使用権」を主張できる可能性があります。しかし、裁判例では、一般的に認知されているレベル(全国的な知名度など…)でないと「先使用権」が認められません。

日本では、基本的に先に使用したものが権利を認められる「先使用主義」ではなく、先に出願したものが権利を認められる「先願主義」が取られています。そのため、商標登録で権利を獲得した方が有利となります。

例えば、祖父の代から販売しているお菓子の名称で、その町では有名な商品があるとします。しかし、2~3の市町だけで有名ぐらいでは「先使用権」は認められません。別の企業が類似の名称で似たようなお菓子の商標登録をした場合、このまま名称を使い続けると、商標登録をした企業から使用を止めるように警告されるかもしれません。最悪の場合は、損害賠償請求をされる可能性もあります。

商標登録ポイント その4

商標登録は3年使用しなければ取り消される可能性がある

登録されている商標は、取り消しを請求することはできないと思っていませんか。

登録商標は、登録してから3年を過ぎても商標権者(またはライセンスを受けた人)が使用していなければ、登録されている商標を取り消す請求をすることができます。使用したい商標が既に同じ区分で登録されていても、登録した企業が登録してから3年を過ぎてもその商標を使っていなければ、登録商標を取り消すことができます。

また、商標登録の有効期限は登録の日から10年です。ただし10年ごとに更新できますので、きちんと更新していけば半永久的に商標登録を維持することができます。

企業ブランドの形成に欠かせない商標登録

商標登録のポイントを列挙しましたが、類似の商標が既に存在する場合は専門の弁理士や弁護士に相談して申請の可否を相談されることをおすすめします。

また、企業イメージを形成するブランディングを守るうえでも、自社の商品・サービス名称が商標登録されているか、登録されている場合きちんと更新されているかを管理して不測の事態にならないよう注意しましょう。

「商標権」に関連する資格をご紹介

知的財産管理技能検定

知的財産管理技能検定は、技能検定制度の一種で国家試験です。知的財産を適切に管理・活用することができます。総務の業務としては、著作権、特許権、意匠権、商標権、実用新案権などに関わることへの対応が増えています。

大塚商会の経営支援サービスをご紹介

商標権・知財管理に関することなど、何でもお気軽にご相談ください

大塚商会では、弁理士・弁護士などの専門家との協業体制(プラットフォーム)を構築しています。今までITでは解決が困難だった経営課題に対しても、大塚商会が各分野の専門家と連携して解決に向けたお手伝いをします。

【 ご相談内容例 】
新商品の開発に成功したが、量産の前に知財のトラブルが生じないようにしたい。どうすればよいか教えてほしい。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。