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海外派遣者の労災特別加入制度

海外でも労災保険が適用される特別加入制度について

環境や慣習の異なる海外勤務地へ出向や派遣などで赴任する場合、現地の労働関連制度が十分整備されていないことがあります。そこで、国内同様に労災保険が受けられる制度をご紹介します。

[2019年 1月16日公開]

海外派遣者の労災特別加入制度とは

労災保険は、本来、国内に本拠地を置く事業場に適用され、そこで就労する労働者が給付の対象となる制度のため、海外に本拠地がある事業場で就労する方は対象となりません。

国内の事業場で就労していた人が転勤などで海外の事業場に派遣された場合についても、通常、派遣先の国の災害補償制度の対象となります。

しかし、外国の制度の適用範囲や給付内容が必ずしも十分でない場合もあることから、海外派遣者についても労災保険の給付が受けられる「海外派遣者の労災特別加入制度」を設けられています。

海外派遣者として特別加入をすることができる人

  1. 日本国内の事業主から、海外で行われる事業に労働者として派遣される人
  2. 日本国内の事業主から、海外にある中小規模の事業(表1参照)に事業主等(労働者ではない立場)として派遣される人
  3. 独立行政法人国際協力機構など開発途上地域に対する技術協力を実施する事業(有期事業を除く)を行う団体から派遣されて、開発途上地域で行われている事業に従事する人

特別加入の手続き方法

派遣元の団体または事業主が、日本国内において実施している事業(有期事業を除く)について、労災保険の保険関係が成立していることが必要です。なお、派遣先の事業については、有期事業も含まれます。新たに海外に派遣される人に限らず、既に海外の事業に派遣されている人でも特別加入することができます。

ただし、以下の場合は申請できません。

  • 現地採用の場合(国内の事業からの派遣ではないため)
  • 単なる留学を目的とした派遣(海外において事業に従事するものと認められないため)

「海外出張」と「海外派遣」の違い

「海外出張」の場合は、海外出張者に関して特別な手続きを要することなく、所属する国内の事業場の労災保険により給付を受けられます。
一方「海外派遣」の場合は、海外派遣者に関して「特別加入」の手続きを行っていなければ、労災保険による給付を受けられません。

海外出張者
単に労働の提供の場が海外にあるに過ぎず、国内の事業場に所属し、国内の事業場の使用者の指揮に従って勤務する労働者です。
海外派遣者
海外の事業場に所属して、現地の事業場の使用者の指揮に従って勤務する労働者、または、その事業場の使用者(事業主、および、その他労働者以外の方)です。

「海外出張者」と「海外派遣者」のどちらに当たるかは、勤務の実態によって総合的に判断されることになります。詳細は、最寄りの労働基準監督署にご相談ください。

「海外出張」と「海外派遣」の業務内容例

海外出張と海外派遣のケースを一般的に例示すると次のようになります。

区分海外出張の例海外派遣の例
業務内容商談海外関連会社(現地法人、合弁会社、提携先企業など)へ出向する場合
技術・仕様などの打ち合わせ
市場調査・会議・視察・見学海外支店、営業所などへ転勤する場合
アフターサービス海外で行う据付工事・建設工事(有期事業)に従事する場合(統括責任者、工事監督者、一般作業員などとして派遣される場合)
現地での突発的なトラブル対処
技術習得などのために海外に赴く場合

参考

特別加入制度の申請方法、補償の範囲、給付金額等の詳細については、以下の資料をご覧ください。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。