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消防査察と対応のポイント

消防査察では、建物の防火管理状況を消防署員が実地で検査します

消防査察とは、消防署員が建物に立ち入り、建物の構造や防火・防災設備と防火管理状況を検査するものです。査察で安全面にリスクがあると判断された場合は、改善の「指導」がなされます。

[2019年 2月13日公開]

消防査察とは

屋内消火栓(スプリンクラー)の不適合などの消防法違反や耐火構造の不備などの法令違反は、火災をはじめ災害による被害を広げる原因となる可能性があります。そのため、コンプライアンス(法令遵守)としての意味合いはもちろん、何より従業員の安全を確保するためにも、消防査察への適切な対応は大変重要です。

大規模な事業所になると毎年、そのほかの事業所でも数年ごとに、管轄の消防署による消防設備および防火施設に関する査察が行われます。査察実施の連絡は事前に行われる場合が多いのですが、通告なしに突然行われる場合もあります。火災をはじめ災害は突然起きますので、査察の有無にかかわらず日常的に災害対策が円滑に実施できるようにしておくのが理想です。

消防査察でチェックされるポイントは、消防関係の管理状況(防火管理者の選定、防火マニュアルなどの書類や防火管理体制、避難訓練などの実施状況)と、避難通路・避難口の確保や消防設備(スプリンクラーの稼働範囲内での散水障害、熱感知器や煙感知器)の稼働状況を目視確認します。そのほかにも、消火器の適切な配置や屋内消火栓の扉の開閉障害・ホースノズルの確認などが行われます。

立ち入り検査の項目とポイント

消防立ち入り検査の実施で行われる項目と検査のポイントをご紹介します。

立ち入り検査項目

  • 防火管理について(管理者・管理体制)
  • 消防計画の有無
  • 消火・避難訓練の実施状況
  • 自主検査の実施状況
  • 共同防火管理協議事項
  • 避難設備構造の確認
  • 避難障害
  • 防火戸等閉鎖・作動障害
  • 防火区画等構造の確認
  • 消防用設備などの設置状況
  • 消防用設備などの機能・動作確認
  • 消防用設備などの点検状況
  • 危険物等の届け出・取り扱い
  • 火気使用設備(電気・ガス設備などの出火危険を伴う設備)の有無
  • 防火対象物点検結果報告との整合性(虚偽の報告/紛らわしい報告の有無)

検査のポイント

避難障害の有無

通路上、特に避難誘導灯が設置してある出入り口に向かっている通路上に、段ボール箱や備品などの通行障害物が置いてあり、それらを避けながらでないと出入り口に行けない場合、「避難障害」として改善を求められます。

避難階段や踊り場、避難階段に通じる扉付近に物が置いてある場合は、量の多少にかかわらず、全て除去するように指摘されます。実際に、避難経路を倉庫代わりにして商品や備品を置いていたために火災が起きた際に避難できずに犠牲者が発生した、という事例もあるのです。避難経路に物を置くことは絶対に避けましょう。

散水障害の有無

消火用のスプリンクラーが十分に機能しない(それらに遮られて水が予定している場所に届かない)場合、「スプリンクラーの散水障害」として障害物の除去、もしくはスプリンクラーの増設を求められます。
よくあるのは模様替えなどで部屋に間仕切り(パーティション)を増設して分割する場合です。間仕切りを設置する際は、その近辺にスプリンクラーがある場合、欄間を必ず開けて、水の通り道を確保します。
また間仕切りの設置によってスプリンクラーのない部屋が発生した場合は、増設して散水できるようにします。

煙感知器・熱感知器の未警戒区域

例えば、新しくパーティションで空間をふさいだ小部屋を作ったとして、その小部屋の天井に煙感知器・熱感知器がない場合、その小部屋にいるときは火の手を感知できなくなってしまいます。「煙感知器・熱感知器の未警戒区域」として、パーティションの欄間を開けるか、もしくは小部屋に新たに感知器を設置するように改善を求められます。

避難誘導灯の目視の可否

避難誘導灯は、それが設置されているフロアのどこにいても見えるようにしなければなりません。背の高いキャビネットやパーティションがあるため、一部の場所から避難誘導灯が見えなくなるような状態は指摘の対象となります。広いフロアだと当然このような状態が発生してしまいますが、その場合は誘導灯を増設し、その誘導灯があれば避難口にたどり着けるというように、文字どおり“誘導”できるようにします。

査察の指摘・指導の対応

消防査察により改善や違反項目があれば、立ち入り検査終了後に指摘事項が記載された「立ち入り検査結果通知書」が渡されます。この通知書で指摘された項目については、改善計画を提出し、期限を決めて対応する必要があります。

また、重大な違反が指摘された場合は、建物の所有者や防火管理者に対して「警告」による行政指導や措置命令が発動される場合があります。重大で悪質な消防法違反の処理が行われた場合は、建物の利用者や近隣住民へ違反内容と危険建物であることの「公示」が行われます。また「違反対象物の公表制度」により自治体のホームページに建物名が公表されます。

公表されてしまうと企業としての責任や信用を失墜させますし、何よりも災害が起きたときに生命の危険が脅かされます。このような事態にならないように日ごろから「防火・防災」の周知徹底と取り組みを継続されることをお勧めします。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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