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社内規定の整備で健全な会社運営

一度決めたルールをそのまま放置していませんか?

社内規定は、円滑な業務の推進に必要なものです。しかし、規定は不変ではありません。関係する法律の改正や状況の変化に応じて常に見直し、最適なルールとなるよう整備することが大切です。

  • * 本記事の「規定・規程」の表記は、全て「規定」で統一しています。

[2019年 3月27日公開]

なぜ社内規定が必要なのか

社内規定は、業務の遂行に当たって日常的に発生する処理課題に適切に対応するために、必要なルールを明文化したものです。
社内規定の内容は企業によってさまざまですが、一般的には以下の内容が規定されています。

社内規定の骨子

  • 担当者の責任と権限の範囲
  • 判断の指針
  • 業務の標準化
  • 独自性やノウハウの継承

もし規定が存在しなければ、物事の判断基準や実施方法・内容が担当者ごとに異なる状態となり、企業としての存続が危ぶまれる可能性もあります。

社内規定の種類

社内規定の種類は企業によってさまざまですが、基本となる規定の種類は以下のとおりです。

1.会社設立・運用の基本となる規定

定款、取締役会規定、監査役会規定、株式取扱規定、規定管理規定

2.会社組織の管理・運用に関する規定

組織規定(組織図)、業務分掌規定、職務権限規定、稟議規定、関係会社管理規定

3.業務遂行(生産管理や営業<売上>管理など)に必要な規定

監査規定
内部監査、コンプライアンス、リスク管理など
総務管理規定
文書管理、印章管理、情報システム管理、個人情報管理など
売上管理規定
原価計算・予算管理・外注管理・販売管理・取引(与信)管理など
製造管理規定
生産管理、在庫管理、設備管理など
経理管理規定
固定資産管理、流動資産管理など
労務管理規定
就業規則、給与・退職金、人事考課、交通費、出張旅費、育児・介護、安全衛生

企業の規模や業務形態・内容によって、さらに種類が増え、内容も細分化されます。また、これらの規定に基づいて細則や実施要領(運用マニュアル)が制定されます。

近年は、新たな法律の施行や改正(細目の規定)のみならず、企業活動に対しての社会的な監視の目も厳しくなる傾向にあるため、必要とされる規定の種類はさらに増えるものと予想されます。

規定作成/整備のステップ

社内規定は、業務を円滑に遂行するために設定されます。そのため、業務が円滑に遂行できない場合は、その課題を洗い出して、解決する方法を検討します。
その後、解決方法に従って規定案を作成し、その規定に関わる部署に案を提示して内容を調整した後、取締役会に規定案の承認を諮ります。

そして承認が得られたら、社員に対して規定の周知を行います(「社内規定の周知」の項目を参照)。

いざ規定の運用を始めると、作成時には気づかなかった問題や間接的にマイナスの波及効果のある問題が出てくる場合があります。その場合は見過ごすことなく、すぐに規定を見直しましょう。

どこかに不具合のあるルールは使われないまま形骸化していき、会社に対して不満の蓄積や信用を失うことにもなりかねません。常に規定のブラッシュアップを行い最適化することで、厳格な運用管理につながり、業務を円滑に遂行できるようになります。

社内規定整備のタイミングはいつなのか

社内規定の整備は、以下のポイントで見直しを行います。

1.規定違反が発生したとき

違反の状況をできるだけ詳細に検証しましょう。これは規定の良しあしのチェックにつながるだけでなく、再発防止のためでもあります。違反を検証すると、ルールをさらに細分化したり、内容の一部変更が必要になったりする場合が多々あるので、対応していきます。

2.関連する法律の改正

通常、社内規定は関連する法律に従って作成されます。基本となる法律が改正されれば、社内規定も変えることになります。仮に、社内規定が関連法の改正に適合していない場合、ルールに従っているのに法令には違反しているというリスクが生じます。社内規定の管理者は、法改正の動きに敏感にならなければなりません。
また、定款や就業規則など、社内規定を管轄する官公庁に届け出なければならないものもあります。

事例

税金関係の法改正
経理規定、労務管理規定の見直し
働き方改革関連法
就業規則の見直し→労働基準局への届け出

3.定期的な見直し

半年または年単位で見直し・点検をしていきましょう。規定そのものだけでなく、関連する規定やマニュアルなども含めて、規定運用の整合性を確認し、不一致や不整合が発生しないよう注意します。
そのため規定の中に見直し時期やマニュアル、実施要領などの参照先をあらかじめ定めておくことをお勧めします。

社内規定の管理

社内規定を適切に管理していくためには、内部監査制度などの管理システムを明確にし、責任者をきちんと定めることが必要です。

規定をスムーズに運用するために、規定を体系化し、改定(バージョン)管理を行います。規定を整備するに当たって、基本的な事項と現場に管理を委ねる細則や実施要領とを分けておきます。
そして、基本事項の改正は取締役会の権限で行い、細則は担当する役員・管理職の権限にしておくと、状況の変化にもすばやく柔軟に対応できます。

社内規定の周知

社内規定の運用には、周知の徹底が不可欠です。規定違反によるトラブルや事故の多くは「(規定を)知らなかった、理解していなかった」ことが原因となっています。あらかじめ周知が徹底されていれば起きない事故なのです。

規定の施行や改正を行う際は、イントラネットなど社内メディアを活用して、いつでも規定が閲覧できる環境を整えましょう。また規定が直接・間接的に関わる部門や担当者に対しては、研修による周知徹底を行ってください。このような規則徹底のアクションが不祥事を回避し、コンプライアンスの徹底にもつながるのです。

参考

社内規定を簡単に管理・検索・共有するには

ITに詳しくなくても使える「文書管理ソフト」を利用するのがお勧め

文書を電子化しても、目的に応じて使いやすくなければ意味がありません。ITに詳しくない方でも簡単に使える「文書管理ソフト」で、文書を簡単に管理・検索・共有できるようにしましょう。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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