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経営計画で企業ビジョンを共有し行動する

経営層と社員が一体となった経営計画で、効率的な業績拡大を推進

企業の存続意義と企業活動の目標を明確にするのが「経営計画」。企業で働く社員が繰り返し読み返せるようにすることで、目標に向かって全社一体となった発展が可能となります。

[2019年 4月10日公開]

経営計画がなぜ必要とされるのか

企業の経営は、企業の理念や存在意義(企業の果たす役割)から始まり、それを達成するための中長期的な目標を定め、単年度の計画を構築します。これを「経営計画」として書面化し、経営層だけでなく、企業で働く全ての従業員が理解・共有することで、効率的に目標を達成することが可能となります。明確な経営計画を立てない場合は、景気や技術の進化による市場変化が起きた際に対応し切れずに不安定な経営となる可能性があります。

安定した企業成長を実現するためには、自社の経営課題を客観的に把握し、中長期の目標を立て、その目標達成のために、市場動向や社会環境の変化を多角的に予測し、具体的な行動計画に落とし込んで日々実行することが必要です。特にリスクに対して事前に回避する対策を立てておくことが重要なポイントとなってきます。そのためには、経営者を中心とした役員のみならず、全社員の経験と知恵を結集することも場合によっては必要になってきます。なぜなら、経営計画は計画だけで終わるものではないからです。計画は全社で実行されることで効果が出るため、実行ベースでは全社のあらゆる部門と担当者が関わることになるのです。各部門の状況や課題を整理しないまま実施した場合、足並みがそろわず目標を達成することが難しくなります。

このように、「経営計画」は企業活動の指針となり、目標達成に向けて行動する際の指針として活用されます。また、全社員の意志を反映し、計画を全員で共有するために総務部門がその中心的な役割を果たしていくこととなります。

重要性を増す「企業理念」とは

経営計画の起点は「企業理念」です。何のために起業したのか、企業の存続意義を表すものです。これは文字通り、起業した経営者の意志が反映されたものになります。

この企業理念は、そこで働く人々の共感を得るものでなければなりません。近年は働き方改革が浸透し、オフィス勤務だけでなく、サテライトオフィスや自宅での勤務、副業を認めるなど働き方が多様化する傾向にあります。このような状況で全社員が一体となって行動していくために従業員と企業を結び付けているのが「企業理念」です。企業理念に共鳴していれば働く環境に左右されず、帰属意識や会社の発展に貢献するモチベーションも維持できるのです。

企業理念に共鳴せず、給与などの待遇やオフィスの立地環境などだけに魅力を感じて勤務している場合は、給与の金額や条件変更、オフィスの移転が契機となって退職する確率が高いといわれています。
一般的に従業員を多く抱える企業ほど、企業理念の浸透が図られています。

経営計画作成のステップ

経営計画は企業理念に沿って、現状を踏まえたうえで中長期の目標とそれを達成するための単年度の計画で構成されます。

STEP1 企業理念と経営ビジョンを具体的に提示

会社が何のために存在し、何を目指していくのかを具体的に分かりやすく明文化します。

STEP2 現状分析と課題の明確化

自社の持つ強みと弱み、自社に置かれた課題とその解決方法を客観的に分析します。

STEP3 社会環境の変化と市場予測

少子高齢化など人口構造の変化による社会環境への影響や技術革新による市場環境の変化を予測します。景気動向など政治・経済の環境変化も考慮しますが、通常は5年以上先の予測が困難なため、3年から5年の中期予測となります。ここで重要なポイントは「リスク予想とその回避策」です。
環境変化が自社の活動にマイナスに作用する予測の場合、具体的な回避策を検討します。

STEP4 目標設定

現状分析と社会環境予測を踏まえて、中期の目標設定をします。目標は売上金額や展開店舗数など単純で分かりやすい数字にすることで、常に目標が全員の意識に浮かぶようにすると効果的です。

STEP5 初年度実行計画の策定

目標達成のために初年度実施する計画を具体的に策定します。
全体的な収支計画に基づいて、初年度の投資計画や組織変更などを明記します。

STEP6 部門計画(初年度)の策定

実行計画に基づいて、各部門の年間計画を策定します。
計画達成のために部門が担う役割と個々の担当者の役割を明確にします。

STEP7 経営計画の周知

経営計画ができたら、全社員に周知を行います。

  1. 全体での説明会を開催し、役員から具体的な説明を行う。
  2. 部門ごとの説明会を行い、具体的な質疑応答や実施に向けた確認をする。

STEP8 実行検証(四半期ごと)

計画が予定どおり推移しているかを検証。予定どおり進んでいない場合はその原因を究明し、対応を検討・実施します。また、年間をとおしての検証を行い次年度の計画立案に反映します。

経営計画の作成と総務の役割

経営計画書の作成に当たっては、各部門の意見を取締役会に反映し、役員の意向を各部門に伝える調整役を担うことが大きな役割となります。全社員が集まって会議を開催することは難しいため、各部門の代表者に絞ることになりますが、管理職だけでなく中堅・若手社員も含めた複数メンバーで構成するなどの工夫が必要です。なるべく全社員の意見を集約・反映する形で経営計画をまとめます。
また、基礎資料として必要な決算書や投資設備の見積りなどの資料を調達し、まとめて取締役会の資料とします。

「経営計画」は、取締役会で承認された後に全社員への説明会で周知します。この説明会の開催や運営も総務部門が中心となって行います。場合によっては社員だけでなく、株主や関係企業、銀行などのステークホルダーに対しての説明会も開催します。

これらは、リアルなイベントや会議としての説明会だけでなく、テレビ会議やイントラネットの社内Webを利用した説明会も周知徹底に役立ちます。

「経営計画の周知」に役立つソリューションをご紹介

テレビ会議を活用する

テレビ会議は、離れた場所にいる相手、もしくは会議室とあたかも一つの部屋で会話しているような雰囲気で、会議や打ち合わせができるシステムです。
テレビ会議を利用すれば、リアルタイム、オンデマンドで臨場感のあるメッセージを配信することができます。「経営計画の説明会を行いたい」「経営者のメッセージをダイレクトに伝えたい」という場合に、ぜひご活用ください。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。