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「株式管理」は会社運営の基本

株式管理は、会社の資金調達に関する重要事項を担当する必須業務

株式関係を管理する業務は、株式を有する株主に対して行われる業務であり、資金調達で基本となる業務です。近年は、事業承継など企業存続に大きく関わる業務となっています。

[2019年 5月15日公開]

株式管理の主な業務とは

会社は株式を発行することで、企業活動の基本となる資金を調達しています。そして、株式を有する人は株主として会社の実質的なオーナーとなります。株式管理は、自社の株式がどれだけ発行されているのか、その株式を誰がどれだけ所有しているのかを正確に把握することが基本となります。また、その株主と直接やりとりをして業務を行う場合も多く、運営資金の調達に関する重要事項を扱うこととなりますので、慎重かつ的確な遂行が求められる業務となります。

株式管理の実際の業務は、主なものだけでも株券の発行・交付・株式名簿の管理・名義書換などがあります。
会社の取締役の選任や増資・減資、事業開発・営業譲渡・合併など企業活動の土台となる会社運営の重要事項は「株主総会」で決議され、この決議は株式を有する株主によって行われます。株式は有価証券として流動性を持つため、株券の発行や利益配当支払い手続きなどを迅速で正確に事務処理を行わなければなりません。さらに株式を管理する担当者には、名義書換に関する事項や株主配当金の支払いなどさまざまな問い合わせが株主から寄せられます。これに対応するための窓口的な業務もあります。

株券とは 有価証券のペーパーレス化

株券は、旧商法で印刷発行することが必須でした。しかし、実際に株券を発行する企業が少なかったことに加えて、物理的な盗難・偽造・紛失のリスクがあり株券発行や保管の手間も大きかったため、2006年5月に施行された会社法では株券不発行が原則となりました(株券不発行会社)。

ただし、2006年以前に設立された会社では、現在でも株券を発行している会社もあります(株券発行会社)。

定款に株券の発行を定めているにもかかわらず実際に株券が発行されていない場合は、定款変更を行う必要がありますのでご注意ください。

株主名簿の管理

株主名簿は会社法に基づいて、以下の事項を記載します。

  • 株主の氏名および住所
  • 株主が有する株式の種類および株式数
  • 株式の取得年月日
  • 株券発行会社の場合は株券の番号

株主総会の招集通知は、株主名簿に記載された宛先に送付します。
株主は売却や相続によって替わります。名義書換については、株主の請求から規定に基づいて要件審査を行い、速やかに手続き・処理を行います。その際にくれぐれも記載ミスをしないように注意しましょう。

株主名簿は公示が義務付けられています。また、株式に関連したトラブルが発生した場合は、株主名簿に正しく記載されているかがポイントとなりますので正確に記載してください。記載項目や記載内容に不明な点がある場合は、専門知識を持った弁護士のチェックを受けるようにしましょう。

株式公開している会社では、株主名簿を株主名簿管理人に委託することが義務付けられています。証券代行専門会社もしくは信託銀行を株主名簿管理人として選任し、株主名簿の作成と株主の管理を委託することを定款に記載します。株主名簿の管理は手間がかかり、間違いが許されないため株式非公開の会社でも外部に委託している会社もあります。

株主への利益配当

株主への利益配当は、株主総会で配当金額の承認後1カ月以内に支払い手続きを行います。
配当金額については、株主総会前に株主名簿に記載された発行株式数を基に算出して、取締役会で配当可能かを検討し、株主総会で承認を得ます。承認後、税務署に「配当・余剰金の分配および基金利息の支払」の合計表と支払調書を提出します。株主に対しては配当金振込時に「配当・余剰金の分配および基金利息の支払調書」を送付します。振込日の翌月10日までに「配当金などの所得税徴収高計算書」にて源泉所得税の納付を行います。

株式会社の最重要事項は、適切な「株主管理」

株式管理を怠ると、発行した株式が譲渡などで株主の変更が不明になり株主総会の出席通知が出せないなど株主総会の開催に支障を来すだけでなく、経営陣と敵対する勢力に株式が渡り会社が乗っ取られるなど大きなリスクを抱えることにつながります。また株主が亡くなった場合、遺産相続などで株式が相続されるケースが出てきますので注意を要します。適切な株式管理で安定した企業活動を行ってください。株主名簿の管理を怠った場合は会社の信頼を失う可能性が出てくるだけでなく、会社法の規定(会社法976条)によって100万円以下の過料に処せられる場合があります。

「株主情報」を適切に管理するには

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。