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取締役会と総務の運営サポート

総務担当者の重要な役割は「経営トップのサポート」

会社の実質的な意思決定は「取締役会」で行われます。この取締役会を円滑に運営するためには総務のサポートが欠かせません。取締役会を円滑に運営するポイントを解説します。

[2019年 5月29日公開]

会社の重要事項を決定する「取締役会」とは

取締役会は、株主総会で選任された取締役が出席し、株主総会に提出する議案や会社の業務活動における重要事項の決定を行う意思決定機関です。

取締役会は、取締役の人数、取締役会に必要な人数、決議事項、議事録の作成と保管が会社法によって定められています。

取締役会での決議事項は、社内外に大きな影響をもたらす事項も多いため、運営サポートもきめ細かく行う必要があります。

取締役の人数

会社経営の責任を担うのが取締役です。取締役の人数は全ての会社で1名以上とされています(会社法326条)。ただし、株式公開会社(株主総会の決議なく株式<一部含む>が自由に譲渡できる会社)と定款に取締役会の設置を定めている会社(取締役会設置会社)などは、3名以上の取締役を選任することが必要です。

旧商法では「会社」はある程度大きな組織を想定していたため、取締役の人数は3名以上+監査役が必要とされてきました。2006年5月に施行された現在の会社法では1名以上と緩和されています。これは起業を促進する目的で会社設立のハードルを下げたためです。

しかし、現状は金融機関をはじめ会社の信用を得るために取締役会設置会社が多数を占めています(上場会社は義務)。また、売り上げをはじめ会社規模が大きくなるにつれて取締役の人数が多くなる傾向にあります。これは、業態が複雑化するにつれて、それぞれの分野や役割で専門知識や経験・事業ノウハウを持った取締役が必要となってくるからです。

会社法は、社外取締役の義務化など頻繁に改正されていますので、常に最新の改正情報をご確認ください。

取締役会の運営

取締役会での決議事項は「企業の意志」として扱われます。部門の会議や管理職会議など企業ではさまざまな会議が行われますが、そこで検討された議題の最終決議は取締役会で行われます。
この取締役会で迅速に的確な決議を下すために、運営担当者は会議の招集連絡・調整だけでなく、議題と検討に必要な資料を用意します。

1.取締役会の決議事項

原則として取締役会の決議事項は、会社の命運を左右する重要課題に対しての経営判断となります。
会社法で決議事項について詳細な項目が示されています。
主な決議事項と関係する法令を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

取締役会での「会社の意志決定」と関係法令

取締役会での主な決議項目関係法令
取締役会設置会社の業務執行決定会社法362条
取締役職務執行の監督
代表取締役の選定/解職
重要な資産の処分・購入
多額の借り入れ・貸し出し
管理職など重要な使用人の選任/解任
支店をはじめ重要な組織の新設、変更・統合・廃止
株主総会の招集会社法98条
取締役の競業取引の承認会社法356条
取締役の利益相反取引の承認会社法356条/365条
決算書など計算書類の承認会社法436条
各種契約締結承認(重要な契約)契約内容により異なる

2.取締役会運営業務

取締役会の出席メンバーは、通常の場合、代表取締役、取締役、社外取締役、監査役で構成されます。
取締役会の開催についての規定はありませんが、会社法363条で代表取締役および業務執行権を有する取締役は4半期ごとに1回以上職務執行の報告が義務付けられていますので、3カ月に1回以上開催する必要があります。会社規模が少人数の場合は週に1回としている会社もありますし、大手企業では常務会を隔週で開催し、取締役会を毎月1回としているところもあります。

3.取締役会の招集

取締役会の招集は各取締役が行います。定款であらかじめ招集者を設定している場合はその取締役が招集します。開催の1週間前までに出席する取締役、監査役に通知を行います。定款で通知機関を設定している場合はその期間内で通知します。開催日をあらかじめ決めて取締役全員が同意している場合は、招集の手続きを省略できます。例えば「毎月第1月曜日の午前10時から」などとあらかじめ決めておけば取締役の予定確認や会議室の確保も容易になります。

4.取締役会の議決

議決は、取締役の過半数が出席し、出席した取締役の過半数で決議が有効となります。
取締役は、それぞれの資質と経験をもとに株主総会で決定されるため(例えば営業に功績のあった人が営業担当の取締役に選任など)代理の出席は認められません。
また、議決内容について「個人もしくは特別な利害関係を有する取締役」は、議決に参加できず定足数からも除外されます。利害関係のある取締役が該当する議決に参加した場合、その議決は無効となりますのでご注意ください。

5.取締役会の開催、議事録の作成

取締役会での各取締役の発言や決議の状況を簡潔にまとめ、取締役会議事録を作成します。
作成後、出席した取締役・監査役は記載内容を確認し、署名/記名押印します。電子ファイルの場合は電子署名を行います。

取締役会議事録の記載事項

取締役会議事録には以下の事項を記載します。

  1. 開催日時/場所
  2. 議事の経過の要領とその議決結果
  3. 取締役会で出た意見または発言の内容(誰がどのような発言をしたか簡潔に記載)
  4. 出席取締役・監査役などの氏名
  5. 議長の氏名
  6. 議事録作成に携わった取締役の氏名
  7. 出席した取締役および監査役全員の署名・押印(電子ファイルの場合は電子署名)
  8. 決議に参加できない者がいる場合はその旨を記載

審議の実態を簡潔明瞭に記載して作成し、製本して保管します。

6.取締役会の議事録の保管

完成した取締役会議事録は本店と支店でそれぞれ保管し、株主や債権者などからの開示請求など必要に応じてすぐに取り出せる場所に保管します。登記や申請の添付書類として議事録が必要になる場合もあります。金融機関から融資を受ける場合は、取締役会での承認が必要になりますので確認書類として取締役会議事録が必要です。議事録の保管期間は10年です。

また、決議内容は「会社の意志」として公式なものになりますので、関係する部署・担当者に伝達し周知を徹底します。必要に応じて掲示板、社内報、イントラネットなどの社内メディアを利用して周知します。

取締役会の運営サポート業務 まとめ

議事録の作成を効率化するには

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。