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企業活動の基本は「コンプライアンス」

コンプライアンスを維持することが企業の存続につながります

コンプライアンスは法令遵守を意味しますが、法律だけでなく経営理念や企業倫理を遵守する行動も含みます。そして、社会の成熟とともにコンプライアンスは厳しくなる傾向にあります。

[2019年 9月11日公開]

企業活動の基本「コンプライアンス」とは

企業活動が社会に与える影響が大きくなるにつれ、コンプライアンスは不正防止や安全対策などを徹底する概念として注目されてきました。つまり、コンプライアンスを守ることで社会から評価され、信頼されることにつながるのです。

コンプライアンス(Compliance)の意味と効果

  1. 法人として守る法令や社内規則など、さまざまなルールや社会規範・倫理を遵守。
  2. コンプライアンスは経営層だけでなく、関係する全ての従業員が積極的に関与。
  3. コンプライアンスを遵守することで、社会からの信頼を得る。
  4. 社会からの信頼を得ることで、企業価値が高まり存続と発展が可能となる。

コンプライアンスに違反して不正を行った企業は、社会の信頼を失い、倒産につながるような大きな損失を受けることとなります。これは経営者が率先して会社ぐるみで行う不正はもとより、アルバイトの従業員がふざけて商品イメージを損なうような動画をSNSにアップする行為など、一人の従業員が引き起こした行為であったとしても企業全体に大きなダメージを与えることもあります。

このように、コンプライアンスを守るための仕組みや体制が整っていない企業や、規則やルールは定めていても違反のチェックや発見・指導・是正を日常的に行わない企業は、事故の発生リスクが高まるだけでなく、従業員のモラルややる気の喪失など、生産性が低下する可能性も高まります。

そのため、日ごろからコンプライアンスの徹底を図るための努力を継続して行う必要があるのです。
コンプライアンスは、CSR経営(企業の社会的責任)として、企業を取り巻くステークホルダー、社会、地域、環境に対して最低限果たすべき役割や前提条件となっています。

コンプライアンスと内部統制

コンプライアンスという言葉とともに「内部統制」も同時に注目を集めています。コンプライアンスは経営コミットメントのように企業が果たすべき役割や姿勢ですが、内部統制はそれを実現するための手段・方法となります。コンプライアンスはじめ経営管理、コンプライアンス・腐敗防止、リスク管理、顧客保護、反社会的勢力等への対応、内部監査等の体制を含む内部統制システムによってリスクを未然に防ぎ、違反が起きても最小限の損失にとどめる役割を果たします。

内部統制の例

内部統制は、企業の経営や業務内容などによって異なります。企業活動のスタイルに沿ったコンプライアンス要件から内部統制を構築します。

コンプライアンス
法令および社内ルールを遵守し、社会規範に従い、誠実かつ公正な企業活動を遂行することの徹底を図ります。
リスク管理
財務の健全性および業務の適切性を確保するため、グループを取り巻くさまざまなリスクを総体的に捉え、リスクの特性および状況等に応じた適切な方法でリスク管理を実施します。
情報セキュリティ
「個人情報の保護に関する法律」、および関連ガイドライン等に基づき社内諸規定の整備、社員等の教育やモニタリングを行い、情報管理の徹底を行います。
環境に向けた取り組み
気候変動・自然災害を重要な課題と位置付け、低炭素社会の実現に向けた取り組みを行います。

コンプライアンスと総務の役割

総務部門はコンプライアンスの「要」としての役割を果たします。

社内規定の制定と運用

社則をはじめとする社内の各規定を定め、その周知と運用を行います。業務内容に関連した法令改正には素早く対応し、必要な変更を行ってください。社会倫理に関することは、時代によって変化する場合があります。例えば「ハラスメント」は近年急速に社会の見る目が厳しくなっています。旧態依然とした感覚ではコンプライアンスの遵守はできません。社会の動きに敏感になって社内ルールの運用に当たることが必要です。

経営層と従業員の接点としての役割

コンプライアンスは経営理念を基とした、企業活動の基本となる概念です。経営層の考えを全ての従業員に正しく伝え、会社があるべき姿と社会との関わりを全ての従業員に理解してもらう必要があります。総務部門が中心となって、従業員のアイデンティティー研修などコンプライアンスを徹底する取り組みを実施しましょう。

コンプライアンス違反の対応

万が一、不祥事や従業員が起こした事故などが発生した場合は、会社としての対応を決定し、被害者がいる場合は謝罪をして真摯(しんし)な対応を迅速に行います。会社の責任者である経営トップとの意思疎通を図り、全従業員に詳細を周知し社内の動揺を鎮めます。また、社会的に大きな影響を与える場合は、広報担当者を通して記者発表を行います。誠実性・正確性を持った発表を心掛けます。

隠蔽(いんぺい)や不用意な責任回避をするのではなく、正確な情報の収集を行い、誠心誠意対応していくことが基本となります。企業姿勢=社会的信頼となりますので、全ての人が理解・納得することが重要です。

コンプライアンス向上のために

コンプライアンスは企業の役員から従業員に至るまでの全員が守らなければなりません。コンプライアンスに対して意識を高めるために、コンプライアンスを啓発(けいはつ)する研修や意識調査を小まめに行うことをお勧めします。

日常的にコンプライアンスについて考えるきっかけを作り、不祥事が発生するのを防ぐ、もしくは発生しても早期に解決する企業風土を作ることが大切です。

コンプライアンスを意識するには

2017年5月30日、改正個人情報保護法が施行された。5,000件以上の個人情報を保有する企業という縛りがなくなり、実質的にあらゆる企業が対象となる。個人情報、マイナンバーなど企業として守るべきデータは増えている。機密情報なども当然守るべき資産だ。ネットの時代にどこまで手厚く対策を講じるべきなのだろうか。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。