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確定拠出年金で豊かな老後が過ごせる!?

定年後の年金生活が気になる場合は、確定拠出年金を検討してみよう

平均寿命が延び、高齢者の割合が増えると、年金の受給年齢が現在よりも後ろ倒しとなり、結果として受給額が少なくなってしまう可能性があります。今、年金の受給額を増やす手段の一つとして、確定拠出年金が注目されています。

[2019年 9月25日公開]

年金制度とは

年金とは、老後の生活資金を作るための制度です。老後の生活を支える年金は以下の3種類に大別されます。

公的年金
国民年金・厚生年金
企業年金
企業それぞれが独自に運営
個人年金
iDeCo(個人型確定拠出年金)など

公的年金

「公的年金」は、国が管理・運営する年金全体を指します。公的年金に加入することは、20歳以上60歳未満の全ての国民に義務付けられています。また、公的年金は時代と共に変遷を重ねてきました。

現在では「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。
「国民年金」は全ての国民を対象としたもの。「厚生年金」は会社員や公務員など、組織に雇用されている人が国民年金とあわせて加入するものです。さらに勤務先や個人が準備する私的年金を加える場合もあります。

企業年金

「企業年金」は、福利厚生制度の一環として行われ、退職金を年金払いで受け取る制度です。

個人年金

生命保険の一種で公的年金・企業年金とは別に、保険会社などと私的に契約する年金です。
老後の生活資金の不足分を補うほか、生活リスクに備えるために利用されます。個人年金は、大別して「確定年金」などの一定期間受け取れるタイプと「終身年金」のように一生涯受け取れる二つのタイプがあります。また、受取金額も契約時点で利率をもとに年金額が決まっている「定額個人年金保険」と契約日から受け取り開始前日までの期間中の運用実績によって受取金額が決まる「変額個人年金保険」があります。

また、年金以外に投資信託などで資産運用する「確定拠出年金(個人型)」があります。
確定拠出年金(個人型)はiDeCo(イデコ)と呼ばれ、全額所得控除、運用益非課税、受取時の税負担が軽減など、税制メリットが大きいため資産形成として注目されています。会社員・公務員・自営業者・専業主婦(主夫)など多くの方が加入対象となっています。

確定給付企業年金(DB)

資金の運用責任を会社が負い、運用でマイナスが発生すれば会社の負担で穴埋めをするものを確定給付企業年金と呼びます。多くの企業で採用されている企業年金制度です。

確定拠出年金(企業型DC)

会社が掛金を拠出し、従業員が運用責任を負う形の企業年金制度です。給付される金額は運用結果によって変動します。企業の負担が少ないため、2001年の創設以降採用者数が拡大し、2019年5月末の時点で約716万人が加入しています。

確定拠出年金(企業型DC)の加入方法

確定拠出年金(企業型DC)を採用するに当たっては、最初にDCの加入対象者を定めます。加入対象者は厚生年金の被保険者となります。ただし、加入資格については不当に差別的な取り扱いとならないよう、合理的かつ客観的基準が定められています。
なお、非正規従業員であっても厚生年金の被保険者であれば企業型DCの加入対象となりますが、労働条件が正規従業員と著しく異なる場合は、代替制度を設けずに加入対象外とすることも認められています。

加入資格

職種
正社員など明確な基準で資格を定める。
年齢
50歳以上は資格対象外とし旧制度を適用するなど、加入年齢を定めます。
勤続年数
加入資格が一定の勤続期間以上となるように設定。
希望
希望により加入の選択を認める。

これらの加入資格のルールは組み合わせることも可能ですし、採用しないこと(無条件で全従業員を対象)も可能です。

拠出金

確定拠出年金の掛金については拠出限度額が法定されており、これを超える掛金拠出は認められません。企業型DCのみ採用(もしくは退職一時金か中小企業退職金共済を併用)している場合は、月額55,000円(年額660,000円)、企業年金(DBもしくは厚生年金基金)を併用している場合は月額27,500円(年額330,000円)になります。

これは、月単位だけでなく複数月や年単位で支払うことも可能となっています。

掛金の拠出

DC制度においては「定額」「定率」「定額と定率の組み合わせ」のいずれかで掛金の拠出ルールを定める必要があります。

定額

「定額」は全加入者が同一の掛金になる制度設計手法です。定額の掛金設定をする企業では、年齢差や勤続年数、貢献度など差が生じる部分についてはほかの退職給付制度で調整している例もあります。

定率

「定率」は給与などで算出される数字に一定率を掛けた額を掛金します。給与規定もしくは退職金規定等に定められたものを使用するのが原則で、基本給や給与総額など公平性が認められる数値を用います。また、社内等級や職階級と連動して、段階的に掛金が引き上げられるように定めるケースもあります。

想定利回り

想定利回りによって受け取る金額が変わってきますので、想定利回りの設定が確定拠出年金の一番のポイントとなります。想定利回りが高くなれば運用益が多く、従業員の運用負担が大きくなり、会社の掛金拠出負担は少なくなります。
反対に、想定利回りが低いと会社の掛金拠出負担は多くなります。加入者にとっては、運用の負担が軽減されます。DCでは年率1.75%から2.0%程度の想定利回りを設定することが多いようです。いずれにしても、加入者の状況・運用経験などを踏まえて、加入者の不利益とならない想定利回りを労使間で検討し決定することになります。

マッチング拠出

「拠出限度額と会社が負担する掛金との差額」かつ「会社の掛金額を超えない金額」の範囲で、従業員も自ら掛金を追加拠出できるマッチング拠出制度があります。この場合、規約でマッチング拠出が可能である旨を定めた場合に限り有効となります。

マッチング拠出した金額は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となり、所得税・住民税の負担が軽減されるので、加入者が税制優遇を生かして退職後の資産形成を図ることができます。利用は一人一人の従業員の任意で行われ、会社に強制されることはありません。
原則として、60歳まで引き出しができないことに関しては注意が必要ですが、DC制度を有効利用して、有利に退職後の資産形成を行う仕組みとして、マッチング拠出制度についても労使間での検討項目といえます。

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html)を元に作成。

確定拠出金を安定した老後の生活のために活用しましょう

公的な年金に対しての不安や見通しの立たない経済状況が続いており、定年後の生活は従業員自ら備えることが必要な時代となりました。
確定拠出年金(企業型DC)は原則60歳まで積立金の引き出しができない、運用の利回りによって受取金額が不利益になる可能性があるなど、注意が必要ですが、企業と従業員が一体となって掛金を拠出し、掛金の支払いや給付金の受け取りで税的な優遇措置が受けられるDC制度を利用し、資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。