役立つ! 総務マガジン

年末調整2019

早めの着手で余裕を持った「年末調整」を行いましょう

早いもので、2019年ももうすぐ年末を迎えます。毎年行われる「年末調整」では、申告漏れや記入ミスなどのトラブルが発生しないよう、余裕を持って取り組みましょう。

[2019年10月30日公開]

年末調整と源泉徴収

会社は従業員に支払う給与(賞与含む)から所得税を徴収しますが、これを「源泉徴収」といいます。この源泉徴収は支払われる給与金額を元に計算されています。従業員が支払う保険費用など、控除される税金の金額は含まれません。その年の1月から12月までの1年間に支払われる給与総額と、控除される税金の金額を再計算して所得税の過不足を精算します。余分に源泉徴収していた場合は、その差額が従業員に還付されます。この再計算によって納税金額を確定することを「年末調整」といいます。

年末調整は、文字どおりその年の最後に給与支払いをする12月最終日に行います。ただし、年の途中で死亡した場合や再就職が難しいと見込まれる心身の障がいのために退職した場合などは、最後に給与を支払う際に調整を行います。

年末調整では、従業員の昇給・減給や家族構成の変更、転職や前述の保険料など給与以外の控除を含めて確定した金額と、既に源泉徴収した金額とを比較します。多く徴収している場合は還付し、不足している場合は不足分を徴収します。

なお、年末調整は給与所得に限って行いますので、所属企業以外の事業所得や不動産所得など会社から支払われている給与以外の所得がある場合は、あらためて確定申告を行うことになります。

年末調整の流れ

年末調整の手順は以下のようになります。毎年の作業となりますので、余裕を持ったスケジュールで処理しましょう。

1.給与と源泉徴収の年間合計額を集計

1月~12月までに支給した給与(賞与や一時金なども含む)の合計と、源泉徴収した所得税の合計を従業員ごとに集計します。年度途中で入社した従業員の場合は、前職で支給された給与も調整の対象になりますので、前職の源泉徴収票の提出を対象従業員に依頼します。

2.給与所得控除後の給与金額を計算

「給与所得控除」とは、所得税の計算で一定額を法律で定められた必要経費として給与から差し引くことができる控除分です。この控除金額は給与所得の合計によって決められています。給与(賞与含む)の総額に応じて給与所得控除額を計算し、給与(賞与含む)の総額から差し引き、「給与所得控除後の金額」を計算します。
報奨制度による一時金を支給した場合、所得税の対象となり給与所得控除額が変わり、所得税の納付金額が源泉徴収額を上回る場合があります。その場合は不足金額を源泉徴収します。

3.所得控除合計額の計算

所得税は配偶者・扶養者、保険料、住宅ローンなど、従業員の生活状況によって一定の金額が控除されます。これらの状況の確認と、証明する資料を収集します。通常11月初旬ごろに全従業員に「扶養控除申告書」と「配偶者特別控除申告書」を配布し、書面の記入と控除証明書など確認書類の提出を依頼します。
ほとんどの会社員に関連する控除対象は、主に以下の6項目です。

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 配偶者特別控除申告書
  • 自社の給与・賞与からの社会保険料控除額
  • 従業員が加入する生命保険・地震保険などの支払額と保険料控除証明書
  • 給与・賞与以外で支払った社会保険料の支払額と保険料控除証明書
  • 住宅ローン控除のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書(2年目以後)(注)
  • (注)住宅ローン控除の初年度は確定申告で処理しますが、2年目以後は年末調整での控除となります。

申告金額や証明書の確認作業が生じますので、提出締め切り日の設定は集計のギリギリにならないように調整しましょう。

4.課税給与所得金額の計算

納付する所得税額を決定します。「給与所得控除後の給与合計額」から「所得控除合計額」を差し引きます。

  • * 1,000円未満端数は切り捨て

給与所得控除(平成29年~令和元年)

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 ― 3,600,000円以下収入金額×30% + 180,000円
3,600,000円超 ― 6,600,000円以下収入金額×20% + 540,000円
6,600,000円超 ― 10,000,000円以下収入金額×10% + 1,200,000円
10,000,000円超2,200,000円(上限)
  • * 国税庁給与所得控除平成31年4月版を参考に作成。

5.年間税額の計算

「課税給与所得金額」から国税庁の「算出所得税額の速算表」に基づき所得税額を精算します。

6.税額過不足の計算

年末調整による所得税の清算金額が源泉徴収の年間合計額より少なければ差額を「還付」し、多ければ不足分を「徴収」します。
源泉徴収税納付の際に、税務署に提出する「所得税徴収高計算書(納付書)」を年末調整の結果へ反映します。

通常、源泉徴収税の納付は給与などを実際に支払った月の翌月10日までとなりますが、10人未満の会社など納期の特例を申請している場合は、半年分の源泉徴収税をまとめて納付できます。

年末調整を行う場合、従業員の「マイナンバー」を扱うことになります。情報漏えいなどのトラブルが起きないように、申告書などマイナンバーが記載されている帳票の管理は、厳重に行ってください。

参考サイト

  • * 2019年まで利用可能、2020年より税制改正による変更が予定されています。

年末調整に関連するソリューション

SMILE V 人事給与

扶養控除や保険料控除の申告書は、必要書類をあらかじめ印刷した状態で社員に配布することや、申請内容登録時には整合性のチェックも行えます。作業時間の削減につながり、手間のかかる年末調整作業の負荷が軽減されます。

たよれーる給与業務支援サービス

「たよれーる給与業務支援サービス」は、従業員に対する給与明細書の配布業務と給与振込業務を支援するASPサービスです。給与明細以外にもオプションで年末調整の申告も可能です。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。