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SNS時代の広報戦略

多様化するメディアを効率よく利用するための方法とは

近年、SNSを利用した広報活動が一般的になっています。しかしながら、SNSの機能を十分に使いこなしている企業はまだそれほど多くはありません。利用目的に合ったSNSを選定することが重要です。

[2019年11月13日公開]

広報業務の種類と業務内容

広報業務は、大きく分けて「社外広報」と「社内広報」の2種類があります。「社外広報」は、企業の考えや製品・サービスなどの企業情報を社会に向けて発信することです。それに対して「社内広報」は、より詳しい企業の情報を社員向けに限定発信し、情報共有することが主たる目的となります。

企業広報は社会、そして人々をつなぐ窓口

広報の基本的な業務は以下のようになっています。

プレスリリースの作成

経営情報、製品・サービス情報、調査報告、リスク対応など、企業が社外に向けて発信する情報をプレスリリースという形式でまとめます。

メディアリレーション

Webニュースサイトなどのマスコミや情報配信会社に自社の情報を配信します。プレスリリースがニュースとして紹介されることは事件・事故を除くと極めてまれなため、マスメディア担当者とのコネクションを持つことは広報担当者の重要な仕事となります。また、マスメディアとつながりのあるPR会社を通して情報発信する場合もあります。

プレスイベント

プレスリリースした情報を、テレビなど発信力の高いメディアに取り上げてもらうために、記者発表をイベント化します。新製品発表会にCMで登場する有名タレントを招いたり、○○賞発表会といった製品・サービスに関連したアワードを設定したりなど、社会から注目されるイベントを開催し、マスコミ各社を招待する形で行います。

リスク対応

企業や従業員に関連した不祥事や事故、災害が発生した場合は、速やかにプレスリリースの発信と記者会見を開催します。不祥事の場合の記者会見は迅速に行わないと「隠蔽(いんぺい)」といった不信感が高まりますし、また準備不足のまま慌てて記者会見を行った場合は、記者からの質問に推測から言葉足らずに答え、情報不足を指摘・追及されれば事態はさらに悪化することもあります。このようなことを避けるために、リスクマネジメントの一環として情報収集とその情報の真偽を確認、発表資料の作成、記者との質疑応答などの訓練を常に怠らないことが大切です。

ブランド管理

企業イメージを規定するCI(corporate identity)(企業ロゴなど)を厳格に守ります。
企業ロゴやコーポレートカラーをはじめとする企業ブランディングが崩れると、一般の人々の企業イメージにバラつきが生じ、広報効果が著しく低下します。
社内外、印刷(紙面)やWebなどのメディアを問わず、情報発信する際には企業ブランドの定義が守られるように適切な管理を施します。

SNSの利用について

SNSを利用した広報戦略の立案

SNS(Social Networking Service)は、手軽に情報を発信できる仕組みとなっていますが、それぞれ異なる、大きな特性があります。そのため、SNSを利用して企業情報を発信する場合、発信する情報内容に応じて利用するSNSを選択するか、SNSごとの特性に合わせて表現を工夫して掲載すると、より広報効果が高まります。

代表的なSNSとその特性

Facebook
リアルタイムな情報発信に向いています。準備状況など、途中経過を刻々と掲載することで期待感を高め、催事の場合は来場できない方に向けて、催事の模様を中継的に紹介することが可能です。企業全体のメッセージとして広く伝わる性質があります。
Twitter
一般受けする「つぶやき」として担当者の思いを発信するなどして、リツイートを高めることが重要です。例えば、新製品発売日に販売担当者がお客様の状況や思いをつぶやき、まずは購入層に向けて情報発信し、そこからリツイートにつなげて無関心層の注目を集める、という2段階のアクションによる情報の広がりが想定されます。Facebookと比較すると、発信担当者個人のコメントとして受け止められやすい傾向があります。
Instagram
Facebookと共通する部分が多いのですが、「インスタ映え」という言葉に象徴されるように、画像のインパクトが重視される傾向にあります。
YouTube
企業で利用する場合は、CMのメイキング映像の掲載や動画による取り扱い説明など、従来DVD等で配信していた動画をアップするケースが多いようです。また、CMと連動したドラマの配信など、マス広告と連動した利用方法も注目されています。

広報戦略例

広報課題で目的・内容・主たる対象者を詳細に分析して、利用するメディアと告知内容を検討します。通常は複数のメディアを利用して広報する場合が多く、メディアの効果的な組み合わせによる「相乗効果」が広報成功のポイントとなります。また、相乗効果はブランディングの管理が徹底されていないと効果は高まりませんので注意が必要です。

SNSの広報利用のポイント

前述したように、SNSはメディアごとに得意・不得意があります。また、手軽に情報発信ができるのと同時に「炎上」リスクも高いメディアでもあります。情報をアップする前に、チェック体制をきちんと構築したうえで運用することがSNS広報利用の基本といえるでしょう。ブランディング規定のチェックと合わせて、くれぐれもご注意ください。

社内SNSの活用と広報マインドの醸成

最近は従業員だけの社内SNSを採用する企業が増えています。写真やビデオにコメントを加えて仕事の状況や旅行、食事などのプライベートな報告をするなどして社内ソサエティーでのコミュニケーションを活性化させています。在宅勤務などによるワークライフバランスの変化とともに、社内の情報共有やコミュニケーションツールとしての利用が拡大すると予想されます。社内SNSは社内教育と連動することで利用ルールと適切な管理を行い、不適切な書き込みの排除や注意を促すことで広報マインドを養い、SNS広報テクニックの向上にも役立ちます。現在は、SNSを通して誰もが自由に情報発信できる時代です。SNSを円滑に利用するための実践教育を行う場として、社内限定SNSも併用されることをお勧めします。

社員のSNS、教育できてる? SNS投稿が招く会社へのリスク

いまや人々のコミュニケーションになくてはならないツールとなったSNS。しかし、SNSはたった一人の社員の不用意な発言で、企業全体の社会的評価を大きく落としかねない危険性もはらんでいます。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。