役立つ! 総務マガジン

経営視点から見た健康管理

従業員の健康を守ることが業務効率の向上につながります

健康を保ち末永く働くことは、人生を謳歌(おうか)するうえで大切なことです。福利厚生の施策として行われていることが多い健康管理ですが、近年は業務効率アップにつながるよう、経営的な視点からも見直されています。

[2019年12月11日公開]

健康を取り巻く環境の変化

企業の健康管理は福利厚生の観点で行われてきました。しかし、現在では経営的な観点で従業員の健康維持を図る企業が増えています。

働き方改革の基本は、過度な残業や休日出勤などの働き過ぎを抑制して心身の疾病を予防し、業務効率をアップさせることにあります。背景には少子高齢化による生産人口の減少と医療費の増加があります。この傾向が続く場合、さらなる求人難と保険料の企業負担が増加することになります。このような流れを阻止するためには、従業員の勤務形態の見直しだけでなく、きめ細かな健康管理が必要となるのです。

従業員が心身ともに健康であることは仕事への集中力も高まり、結果として高いパフォーマンスを発揮することにつながります。
また、企業が従業員に対して健康維持の目的から残業抑制などの健康管理を適切に行うことは、従業員にとっても好ましく、自身が企業に「大切に守られている」という実感を生むといわれています。

経営視点から見ても従業員が健康に働くことで、企業が活性化し収益の向上が図られるとともに、休職・離職率の低下による人材ロスの軽減など大きなメリットが想定されます。特に経験やスキルを持ったベテラン従業員の疾病は、代替要員の確保が難しいことからも長期的には大きな損失となります。

このように「健康管理」の重要性は、日々高まっているのです。

企業が行う「健康管理」とは

まず、法律的に定められているのは「安全配慮義務」です。これは2008年施行の労働契約法で「会社が従業員の生命や身体の安全を確保しながら働けるように配慮する義務がある」と定めたものです。

安全配慮義務は、以下の四つの義務となります。

適正労働条件措置義務
過重労働を防ぐために、適正な勤務時間・休日・休憩スペース・人員配置を義務付けています。
健康管理義務
必要に応じて健康診断を行い、労働者の健康状態の把握と健康管理を義務付けています。
適正労働配置義務
従業員の持病や病歴に考慮して、勤務形態や配置を考慮する義務です。
看護・治療義務
例えば、職場の人間関係から来るストレスでメンタルが不調になった場合、治療はもちろんのこと、発症した原因を究明し対応する義務があります。

また、「労働安全衛生法」でも従業員が快適に働くための環境を用意することが求められています。例えば、経営者が従業員に年に1回の健康診断を行うことを義務付けていますし、空調や照明などのオフィス環境は労働安全衛生法の規定に沿って整備されます。さらに2015年12月からは、従業員50人以上の事業所においてストレスチェックが義務付けられるようになりました。

これらは法律に定められた最低限の措置として捉え、企業はさらなる健康管理を能動的に実践する必要があります。

参考

健康管理の対象者を家族に拡大

健康管理を手厚く行うためには、健康管理を実践する体制が必要となります。専門の部署を立ち上げ、健康管理の担当者を配置します。健康管理の部署は、産業医や提携する病院の医師や栄養士などの専門家も交えて従業員の健康状況の把握を行います。

最近の健康管理のトレンドは、健康管理の対象を従業員のみとせず、一緒に生活している家族も含めるということです。これは成人病などの予防には食生活の管理が不可欠となるため、家庭での食事など生活環境も含めて総合的に管理・サポートするためです。結果として従業員はもとよりその家族も健康であれば、ライフスタイルの充実や介護の負担、家庭で出費する医療費が軽減されるなどのメリットも出てきます。

健康管理施策の展開

社員が働きながら健康を維持するための施策として、以下のような取り組みがあります。

  • 健康診断からより精密な「人間ドック」の受診を義務付ける。
  • ランニングやヨガ教室など体を動かすための機会を創出する。
  • 休憩時間の厳守やリラクゼーションルームの設置活用など快適な休息をとるための工夫を行う。最近では服装も内勤者はストレス軽減のためジーンズやTシャツも含めた自由な服装を奨励する企業も増えています。
  • 社員食堂や仕出しで栄養バランスを整えた食事の提供を行う。家庭に推奨のメニュー/レシピ/食材を提供する。
  • 健康保持についての研修を定期的に行う。また、家族を含めた栄養講習会(食育含む)などのイベントを開催する。

健康管理は企業の経営課題

冒頭でも記したとおり、従業員の健康管理は企業が健全に発展していくための大きな課題となっています。健康管理で効果が出るまでにはある程度の時間が必要となります。
ぜひ、早期に取り組みを開始して、全ての従業員が健康で生き生きと働く環境を創出してください。

健康管理をソリューションで実現

ストレスチェック実務安心パック

2015年12月のストレスチェック義務化に伴い、労働諸法令と実務の専門家である社会保険労務士の目線で、ストレスチェックの実務について法令に完全に準拠するよう必要な業務を洗い出してマニュアル化。すぐに自社の業務で使える規定・書式をパッケージ化しました。また企業力強化の観点から、従業員が生き生きと活躍できる環境を作るための健康管理についてもトータルにサポートします。

勤次郎Enterprise ヘルス×ライフ

「勤次郎Enterprise ヘルス×ライフ」は、心身・働き方・生活データを一元化・分析し、的確な健康増進施策が可能になります。また「統合データ分析機能」で生産性低下による損失コストを可視化し、健康経営の取り組み方針を明確化できるため、損失コストの削減から「生産性向上・業績向上」へと導きます。

残業時間管理で健康管理に努める

ご存じですか? 2020年に残業時間の上限規制が強化されます。「中小企業には関係ない話」と残業時間を「野放し」にしていると、違反として懲役や罰金などの罰則を受けたり、厚生労働省サイトに社名が公表され、取引や採用に悪影響が出たりすることもあります。
正しい残業管理で企業の健康管理を実現しましょう。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。