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少子高齢化時代の総務業務<定年・再雇用>

少子高齢化時代の到来で定年・再雇用はどう変化するのか

企業の存続に関わる大きな課題となっている「少子高齢化」。今回は、少子高齢化時代の総務業務を考える第1弾として「定年・再雇用」という高年齢者の雇用環境がどのように変化しているのかを探ります。

[2020年 2月26日公開]

定年制度の現状は?

少子高齢化による労働人口の減少リスクが大きな社会課題となって久しいですが、企業の定年制度はどのように変化しているのでしょうか。令和元年に厚生労働省が発表した、常時雇用する労働者が31人以上の企業(全国161,378社)を対象とした調査「高年齢者の雇用状況」によると、以下のような状況になっています。

65歳未満の雇用確保はほぼ100%

高年齢者の雇用確保措置(注1)を実施している企業は、31人以上を雇用している企業で99.8%、51人以上を雇用している企業では99.9%と、ほぼ全ての企業が定年を65歳未満としています。

  • (注1)雇用確保措置(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条第1項)により定年を65歳未満に定めている事業主は、雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、「高年齢者雇用確保措置」を講じなければならない。

出典:厚生労働省「令和元年『高年齢者の雇用状況』集計結果」を元に作成。

  • * 平成25年4月に制度改正(継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止)があったため、平成24年と25年の数値は単純に比較できないものになっています。

高年齢者雇用確保の内訳は?

では「高年齢者雇用確保措置」では、どのような措置を実施しているのでしょうか。雇用確保は大別すると、以下の3タイプに分類されます。

  1. 「定年制の廃止」
  2. 「定年の引き上げ」
  3. 「継続雇用制度の導入」

企業全体では継続雇用制度(再雇用)の導入を実施しているところが最も多く、全体の約8割を占めています。次いで定年の引き上げ、定年制の廃止の順になりますが、定年制を廃止している企業は全体の3%弱にとどまっています。

出典:厚生労働省「令和元年『高年齢者の雇用状況』集計結果」を元に作成。

66歳以上まで働ける企業は全体の約3割

65歳未満の雇用確保はほぼ100%に近い状況ですが、その上の66歳以上まで働ける企業の割合は30.8%と、全体の約3割となっています。
内訳を見ると、定年制度の廃止・66歳以上定年・希望者全員が66歳以上の継続雇用というような、希望者全員が66歳以上まで働ける企業は全体の約1割強(11.7%)となっています。

出典:厚生労働省「令和元年『高年齢者の雇用状況』集計結果」を元に作成。

  • * 「その他の制度で66歳以上まで雇用」とは、希望者全員や基準該当者を66歳以上まで継続雇用する制度は導入していないものの、企業の実情に応じて何らかの仕組みで66歳以上まで働くことができる制度を導入していることを指します。

参考

70歳まで働く時代の到来

前述した「高齢者雇用確保措置」によって、現在は企業が希望者全員を65歳まで雇用するよう義務付けられていますが、今後70歳までの就業機会を確保できるよう、現在検討が行われています。働き方改革とあわせて法律が頻繁に変わる可能性がありますので、法改正情報には注意が必要です。

公的な年金制度も65歳からの支給開始は変更しないとされていますが、選択可能な受給開始時期を70歳以降にできるよう範囲の拡大が検討されています。同様に年金を受け取りながら働いている場合、年金と給与の合計金額が基準を超えた際に年金の一部または全部が支給停止される「在職老齢年金」は、労働意欲の低下を招くとして見直しが進んでいます。

このように、法改正や公的年金制度の見直しによって、65歳以上まで働くのが当たり前の時代になりつつあります。ただし、高年齢者の雇用形態は、定年前の「年功序列方式」とは異なる勤務条件となることが多く、事業の実情によって働き方はさまざまです。

高年齢者雇用と年功序列方式

高年齢者の雇用で大きな課題となるのが「年功序列方式」との兼ね合いです。日本の企業の多くは、年齢(勤続年数)を基準に給与を定めています。しかし、高年齢者雇用の割合が増えると人件費の増大を招く可能性が高く、また公的年金など給与以外の収入を得ることを考慮し、定年後は給与や待遇が変わる継続的雇用制度(再雇用)を採用している企業が多くなっています。

定年以降の主な働き方は以下のようになります。

成果制度の導入

年齢や待遇にかかわらず、成果によって報酬が決まる方式です。長年培った経験や人脈を活用して働く場合は、自分の能力を提供する対価として給与を設定できます。これは経営層(役員・顧問)に近い働き方になります。

選択定年制度

定年の延長になりますが、定年年齢を自分で選択する方式です。例えば会社が定めた定年選択年齢が61~65歳とした場合、自身の人生設計に従って定年を選択する方式です。早期に定年退職し第二の人生を歩もうとする場合は、将来に対してのモチベーションを維持しながら働けるメリットがあります。

再雇用制度

継続的雇用制度として、定年後も同じ会社で働けるため多くの会社で採用されている雇用形態です。長年勤めた環境が変わらないので安心して働けるメリットがありますが、現役時代と同じ仕事・待遇・給与で再雇用されるケースはまれで、嘱託や契約社員・パート社員としての雇用となります。非正規雇用となりますので、給与などの雇用条件や職務内容が大幅に変わる場合があります。

末永く働くために必要なことは「生涯現役」

このように、高年齢者の雇用が増えていくことを前提として、高年齢になっても安心して働ける環境を整備し、深刻な人手不足というリスクを回避することが大切です。企業は従業員の経験と知識を活用し、従業員は定年後を踏まえたキャリアプランを立て、老後の働き方を考えることが重要です。

そして何よりも大切なのは「健康」です。「生涯現役」を目指して生活習慣を健康に保ち、高年齢になってもイキイキと働くことを目指してください。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。