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2020年版「メンタルヘルス」の取り組み

メンタルヘルスの取り組みは「働きやすい環境をつくる」こと

企業のメンタルヘルス対策は、長時間労働の抑制など働き方改革と大きく連動しています。いや応なしに進む在宅勤務やテレワークなどでワークスタイルが激変する中、ストレスを感じない労働環境の実現は生産性の向上や業務の効率アップに大いに役立つはずです。

[2020年 5月13日公開]

企業のメンタルヘルスの取り組み状況

2015年の改正労働安全衛生法の施行で、従業員数が50名以上の事業所ではストレスチェックが義務化、産業医による面接指導が強化されました。これによりメンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合は、2012年の47.2%から2018年には59.2%に向上しています。

データ出典元:厚生労働省「平成30年『労働安全衛生調査(実態調査)』の概況」(令和元年8月発表)P4 第1図を基に作成
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_gaikyo.pdf)

  • *2014年は当該項目の調査をしていない。

しかし、約4割の事業所ではいまだにメンタルヘルス対策が行われていない状況です。精神障害(うつ病や長時間労働をはじめとした業務上のストレスに起因する自殺など)による労災補償の推移を見てみると、請求件数は年々増えています。少子高齢化時代の到来により、健康で長く働くことは企業の成長・発展に欠かせない要素となっています。体の健康だけでなく、「心の健康」を維持することが企業の健全な経営につながります。

データ出典元:厚生労働省「平成30年度『過労死等の労災補償状況』」P15 表2-1を基に作成
(https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/000521999.pdf)

メンタルヘルス対策推進のポイントは経営者と管理職

メンタルヘルス対策を行ううえで大きな課題となっているのが「経営層・管理職」の理解不足です。
経営層・管理職に多い、年齢の高い世代は、メンタルヘルスの認識や重要性があまり声高に叫ばれていない時代を過ごしてきました。そのため精神疾患を病気として認識することができず、「やる気がない」「根性がない」などと捉えがちです。同様に、ハラスメントに対しても認識が甘くなることがあります。肉体的な病気は、早期のうちに気付いて治療を行えば、短期間で簡単に治癒することも可能です。心の病気も全く同じで、早くに発見し治療を始めることがとても重要なのです。そのためには、経営者や管理職といった職場をリードしていく立場の人たちが従業員の不調にいち早く気付き、治療を行うよう指示することが欠かせません。これにより心の病気を未然に防ぐ環境が整い、信頼度の高い一体的な組織が形成されるのです。

こんな症状に気付いたら、声を掛けて上司や担当者に相談を

体の病気になったときは、発熱や喉の痛みなどの自覚症状があります。また顔色が悪い、だるそうなど他人から見て体調が悪いと分かることも多いのですが、心の病気は分かりにくいものです。

しかし、以下の症状を感じた場合は要注意です。自覚症状があれば、まずメンタルヘルスケア担当者に相談してください。またこのような症状のある部下や同僚に気付いたら声を掛けて、休養を促し相談窓口に行くように指示してください。メンタルヘルスケア担当者は、ストレスチェックの実施や会社指定の産業医や専門医を受診するように促してください。その結果について本人から報告を受けるようにし、治療や勤務のサポートについては産業医の指導に従うようにしましょう。

1.身体面の症状

疲労、全身倦怠(けんたい)感
体がだるい、重い、疲れがとれない
動悸(どうき)・目まい
心臓がどきどきする、息苦しい、目まいがする
頭痛
頭が痛い、ずっしり重く感じる、ズキズキ痛む
不眠
寝付けない、何度も目が覚める
食欲不振
おいしく食べられない、何も食べたくない

2.心理面の症状

憂鬱(ゆううつ)
気持ちが沈む、楽しいことがない
不安・緊張
気持ちが落ち着かない、どきどきして心細い
怒り
イライラする、怒りっぽくなる
幻聴
誰もいないのに声が聞こえる

3.生活・行動面の変化

生活の乱れ
服装の乱れ、昼夜逆転している、生活が不規則
行動の変化
ミスが増える、ぼんやりしている、遅刻が増える
自傷行為
リストカットや抜毛など自分を傷つける
ひきこもり
外出したくない、人に会いたくない

参考

心と体の健康は会社も健康にします

メンタルヘルス対策として、年に一度ストレスチェックが義務付けられています。(注1)しかしながら、それだけに頼らず日々の変化に気付くことが大切です。いち早く気付いて治療を受けることで、早期の治癒が期待できます。迅速な対応を行うことで会社の戦力ダウンを避けることができ、リスクの軽減になります。

また、相互に気遣うことで、従業員の「守られている」という安心感と帰属意識の向上にもつながります。
体の調子が悪くては集中力も高まりません。働くことは緊張感や責任感などにより、ある程度のストレスが発生するのは必然です。そこで、息抜きに軽い運動をするなど、ストレスの解消方法を考え、実践してみましょう。経営者・上司が率先し、健康についての気運を高めていくことで、その副産物として業務効率が向上し生産性の高い組織に生まれ変わるのです。

  • (注1)従業員50人以上の事業所の場合。50人未満の事業所は努力義務。

メンタルヘルスやストレスチェックに利用できるソリューション

ストレスチェック義務化対応の準備

2015年12月のストレスチェック義務化に伴い、労働諸法令と実務の専門家である社会保険労務士の目線で、ストレスチェックの実務について、法令に完全に準拠するよう必要な業務を洗い出してマニュアル化。すぐに自社の業務で使える規程・書式をパッケージ化しました。また企業力強化の観点から、従業員がいきいきと活躍できる環境を作るための健康管理についてもトータルにサポートします。

ストレスチェックシステム(総合対策)

昨今、仕事や生活は多様化し、過重労働・メンタル不調が社会問題化しています。政府より、働き方改革・ストレスチェック義務化法・改正労働基準法・長時間労働抑制等の政策が次々と打ち出され、従業員の心身の健康維持・増進、企業の生産性向上を実現する「健康経営」がますます重要性を帯びてきています。

ストレスチェックサービス(簡易版)

システムを導入せず、お申し込みごとに必要な人数分のストレスチェック(マークシートもしくはWeb)を一回実施できる「ストレスチェックサービス」もご用意しています。受検後の個人結果を基にした企業単位での分析、労働基準監督署への報告フォーマットに沿った書類の作成、社内に向けた各種書類テンプレートなど、義務化に必要なサービスをワンパックでご提供します。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。