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外国人を雇用する場合の管理方法

外国人を雇用し戦力として活用するための管理方法

国籍、人種、宗教、年齢、学歴、性別を問わない多様な働き方を推進するダイバーシティ経営で成長を目指す企業が増えています。外国人雇用の基本と人材管理のポイントをご紹介します。

[2020年 6月10日公開]

外国人を雇用する場合に必要となること

労働力の確保や海外進出のために外国人の雇用を検討する場合、下記の点について留意する必要があります。

外国人雇用の基本条件

日本国内での就労が認められている「在留資格」を持っている人でなければ雇用できません。

1.就労目的で在留が認められている外国人

いわゆる専門的・技術的分野の在留資格を持つ外国人です。

主な専門的・技術的分野の在留資格と具体例

在留資格具体例
教授大学教授
高度専門職ポイント制による高度人材
経営・管理企業などの経営者・管理者
法律・会計業務弁護士、公認会計士
医療医師、歯科医師、看護師
研究政府関係機関や私企業などの研究者
教育中学校・高等学校などの語学教師
技術・人文知識・国際業務機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者
企業内転勤外国の事業所からの転勤者
介護介護福祉士
技能外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属などの加工職人

2.身分に基づき在留している外国人

在留資格を持つ日本人の配偶者や日本定住者(主に日系人)、永住者などは在留中の活動に制限がないため、さまざまな分野で報酬を受ける活動が可能です。

3.技能実習生

技能実習生は技能移転を通じた開発途上国への国際協力を目的として受け入れられており、就労しながら技能を学ぶことが認められています。2010年7月1日施行の改正入管法により、技能実習生は入国1年目から雇用関係のある「技能実習」の在留資格が付与されることになりました。

4.特定活動者

特定活動者とは、EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者、ワーキングホリデー、外国人建設就労者、外国人造船就労者などです。「特定活動」の在留資格を持つ外国人は、個々の許可の内容により報酬を受ける活動の可否が決定されます。

5.資格外活動者(留学生のアルバイトなど)

本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内(1週28時間以内など)で、相当と認められる場合に報酬を受ける活動が許可されます。

いずれにしても、在留カードやパスポートで就労可能な在留資格を確認することが必要です。
また、既に在留資格を保有していても、就労する仕事内容と異なる場合は、就労可能な資格に変更する手続きが求められます。
また、雇用の際は在留資格を確認し、ハローワークに届け出ることが義務付けられています。(離職の場合も同様)

実際に外国人スタッフを迎え入れる際の留意点

外国人は言葉だけでなく文化、習慣、宗教などが異なります。企業の戦力として育成し、能力を発揮してもらうためには、迎え入れる環境を整える必要があります。

就労手続きのサポート

在留資格の変更や雇用契約の締結、就労ビザの申請、住民登録の届け出など必要な手続きのサポートをします。会社が作成する書類は日本語と、英語もしくは雇用者の母国語の2種類を用意します。申請の際もなるべく付き添うなどして、不安を抱かせないようにサポートすることが信頼感を醸成します。

入社後に渡す資料も日本語と英語(または雇用者の母国語)の2種類を用意し、丁寧に説明することが大切です。

社内受け入れ体制の整備

外国人の就労については、人種などで差別してはいけません。給与や待遇、労働時間などの労働条件は順守しなければなりません。
外国人を常時10名以上雇用する場合は、雇用労務責任者を選任することが求められます。10名に満たなくても外国人の労務責任者を配置して、適切できめ細かな労務管理を行いましょう。

コミュニケーションの活性化

外国人を雇用する際に課題となるのがコミュニケーションです。言語が違うことで意思疎通が不十分になり、業務上のトラブルとなる場合があります。就労する外国人も同じ不安を抱えています。外国人就労者が業務の遂行に必要な日本語を覚えることも必要ですが、迎え入れる側も業務マニュアルに写真やイラスト、動画を取り入れるなど、分かりやすくする工夫をしましょう。

面倒だからといって疎遠にするのではなく「働く仲間」として、積極的にコミュニケーションを取りましょう。それが雇用効果を高める大きなポイントとなります。

文化・習慣の壁をつくらない

言葉だけでなく、文化や風習などが違うためにトラブルになることがあります。日本人には当然と思うことでも、外国人にとっては未知のことであったり異なる意味を持っていたりすることがあります。
特に宗教は信者にとっては生きるための根幹となり大きな意味を持っているため、迎え入れる側でも正しく理解しておく必要があります。

例えば、イスラム教では1日数回聖地の方角に向かって礼拝を行います。このような宗教的行動が必要な人のためには、礼拝用の部屋を用意することをおすすめします。これは宗教を理解しているという意思表示にもなります。
また、食事はハラール料理(豚肉などを使わず、宗教上公認された食材で調理を行ったもの)を用意する、あるいはハラール料理を提供しているお店を紹介するなどの配慮が必要です。

効果的な施策

教育研修

  1. 外国人社員対象(英語・母国語で解説し業務の理解を促進します)
  2. 日本人社員対象(外国人就労者の文化・風習の理解とコミュニケーションの取り方を解説します)
  3. 外国人・日本人合同の研修(ロールプレイングなどの実戦形式で行う、パーティーなどコミュニケーションを深める機会を創出する)

休暇制度

休みに母国へ帰国することはリフレッシュするために重要です。そのため、まとまった休みが取れるように休暇取得を支援しましょう。

多用な働き方の推進と外国人雇用

企業活動のグローバル化が急速に進んでいます。またテレワークの浸透など、働き方も大きく変化しています。
少子高齢化で労働人口が減少していく中、外国人を戦力として雇用していくことが、今後の企業成長の大きなポイントになります。

外国人を雇用して活用し、その能力を高めていくことは簡単なことではありません。しかしその経験で得られるノウハウは、無限の可能性を秘めています。人種や国籍に捉われないワールドワイドな視点が企業を成長させる活力となるのです。

参考

外国人雇用に関連したコラム

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。