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初めての総務【第6回】文書作成の基本

総務は社内外の書類を扱う部署。書類作成の基本を覚えましょう

企業で扱う書類は、公的機関への届け出や申請書、各種契約書などさまざまですが、いずれも重要な情報資産です。総務部門は書類の作成から保存・廃棄までを管理する役割を担っています。

[2020年12月 9日公開]

企業が扱う文書と総務の役割

現在ビジネスで使用する文書の大部分は、PC上のフォーマット(テンプレート)を利用して作成されています。業務で作成する文書は無数にありますが、用途で大別すると社内文書と社外文書の二種類になります。いずれも伝えたい内容を過不足なく、簡潔かつ正確に書くことが基本です。

公式な書類は既に書式が印刷されているか、テンプレートとして用意されている場合がほとんどです。
特に近年は、書類も電子化され、ネット上で瞬時に回覧や決済を行うことが多くなっています。従って、社内ルールで決められたフォーマットに記入するだけというケースが多くなっています。文書に関する総務部門の役割は、以下のとおりとなります。

  1. 書類書式の作成
  2. 書類記入のルールを定める
  3. 書類決裁のルールを定める
  4. 書類の配布(印刷帳票の場合は印刷発注と在庫管理)
  5. 書式・記載内容の確認(契約書などの重要書類は、専門家<弁護士や司法書士など>に確認依頼)
  6. 書類の保管(情報セキュリティに沿った運用・保管と法令に定められた保存期間を厳守<注1>)
  7. 書類の廃棄(情報セキュリティに沿った文書<データ>の廃棄)

厳密に規定すると、業務で作成したものは簡単なメモであっても公式な書類となります。メールも同様に扱われますので、作成した文書やデータの管理には細心の注意を払う必要があります。

  • <注1>書類の保管方法は、以下をご参照ください。

社内文書の作成

社内の連絡や申請、報告に使用する主な書類

事業関連
稟議(りんぎ)書、企画書、提案書、計画書など
連絡・報告関連
通知書、報告書、依頼書、始末書、連絡票など
申請関連
交通費、休暇、残業・休日出勤、出張の申請・届け出書類など
記録関連
議事録、社内資産(設備・不動産など)関連書類、会社設立・事業運用書類など
人事・経理関連
雇用契約書類、給与関連書類、社会保険関連書類、融資関連書類など

社内文書作成のポイント

社内文書は簡潔に用件を伝えることが基本です。特に役員や管理職宛ての書類は、決裁件数が多いことを考慮してできるだけ要点のみを記載するようにしましょう。詳細な説明は別途添付し、必要に応じて参照してもらいましょう。

基本書式

  • 原則として1件につきA4サイズ(縦)に横書きで1枚
  • あいさつなどの儀礼的な表現は不要
  • 内容はポイントを簡潔に記載する

社内文書作成例

社外文書の作成

社外に送付する主な文書

取引関連
契約書、見積書、仕様書、請求書、納品書、通知書、督促状など
あいさつ関連
送り状、あいさつ状、慶弔関連のあいさつ、案内状、招待状など
広報関連
ニュースリリース

社外文書作成のポイント

社内文書と同様に、社外文書も用件を簡潔に記載するのが基本です。ただし対象者が社外の方となりますので、先方に失礼がないように注意してください。特に記載内容の間違いや誤字・脱字・変換ミス等がないか、慎重に確認しましょう。

基本書式

  • 失礼がないように時候のあいさつを記載し、敬語で丁寧な表現を心掛ける
  • 正確な表記を行う(記載内容は複数人で確認するのが望ましい)
  • 押印、収入印紙など書類作成に必要な条件を満たす(注2)
  • 基本的に(株)などの略語は使用しない
  • (注2)書類作成に必要な条件は、以下をご参照ください。

社外文書作成例

押印の基礎知識

電子文書の浸透により、押印は徐々に廃止される傾向にあります。特にテレワークの拡大や業務効率向上の観点から、国や自治体の申請・届け出に必要だった押印が次々と廃止されています。このため書類作成に当たっては押印の有無を確認してください。

数年後には押印の必要はなくなり、過去の慣習となる可能性もありますが、押印の種類、意味、押す位置に関する基本的な知識はきちんと押さえておきましょう。押印を間違えると大きなトラブルになる恐れがあります。

契約書の押印

ここでは契約書を例にとってご説明します。契約書は複数ページにまたがる場合が多く、押印する場所や種類も多い書類です。これらの押印は重要な意味を持ちます。

押印の種類と意味

種類意味
(1)押印住所・氏名などがあらかじめ印字されている書類に印を押すこと
(2)捺印氏名などを自署した書類に印を押すこと
(3)契印2枚以上にわたる契約書のページにまたがって押す印のこと。契約書のページが一連の文書であることを証明し、ページの差し替えや削除等の不正の防止を目的としています。
使用する印鑑は、契約者として署名(自署)捺印したものと同じでなければなりません。
(4)訂正印訂正のあったページもしくは訂正箇所に押す印のこと。訂正箇所に2重線を引いて正しい文字を記入し、その線上に印を押す方法と、欄外に「2字削除3字挿入」「3字訂正」など訂正文字数を表記し印を押す方法があります。
また訂正が確認されたことを示すために、当事者全員の印が必要です。
(5)捨印書類に誤字や訂正があった場合、相手の訂正印をもらわずに訂正するための印です。訂正印と同じようにページの欄外に押します。
訂正箇所が発生した際に印鑑を用意する必要がないので便利ですが、相手方に訂正を任せる形になるので、不利な内容に変更されないよう注意が必要です。
(6)止印契約書のページに余白が生じた際に、追記など余白部分の変造を防ぐために文書の最後に押す印のこと
(7)消印ページに貼り付けた収入印紙に押す印のこと。収入印紙の再利用を防止します。
(8)割印複数の契約書にまたがって押す印のこと。同一の契約書であることを証明するために押します。

押印の位置

(1)押印

あらかじめ印字されたものに印を押す。

(2)捺印

手書きで署名して印を押す。

(3)契印 

左右両ページにまたがって押す。

(4)訂正印

訂正箇所もしくは訂正ページの欄外に訂正内容を記載し押す。

(5)捨印

欄外に押す。

(6)止印

契約文の末尾に押す。

(7)消印

貼り付けた収入印紙の端に押す。

(8)割印

2通の同じ契約書の間に押す。

参考

文書の電子化と認証・決裁方法

2020年はコロナ禍によりテレワークが急速に広がりました。その結果、文書の電子化が一気に進んでいます。

これまでも多くのビジネス文書はPCで作成されていました。しかし、帳票や契約書などは紙で作成されているものもあります。自宅でこれらの処理をしようと思っても、手書きや押印のために出社しなければならず、そのことが社会問題化しました。

文書はデータ化することで、ネットワークを通じて瞬時に全社員が情報共有できます。しかし、紙の場合、作成した書類を出力しコピーを取って配布・郵送しなければならず、時間と労力がかかります。

文書の電子化は企業全体の業務効率向上を実現する大きな要素となっているのです。

電子認証・決裁

前述のとおり、押印が必要な書類は電子化が遅れていました。ただし最近は、国や自治体への届け出書類などで大幅に押印の廃止が進んでいます。同様に企業でも、印鑑を必要としないシステムに変更する企業が相次いでいます。

ビジネスで使用する印鑑は、契約書や官公庁への申請書などの社外文書に押す「実印」と、社内文書の承認・決裁で押す「認め印」の二つがあります。
電子文書にも、セキュリティを重視する「電子署名(サイン)」と、認め印に相当する「電子スタンプ(電子印鑑)」の二種類があります。

電子署名(サイン)

紙の文書では、書類を認めたという証明を実印や手書きの署名で行います。一方、電子書類では文字、記号、マークなどを追加し、本人が作成(承認)したものであることを証明します。また、証明するだけでなく、文書全体を暗号化して記載内容が改ざんされないようにセキュリティを強化します。
電子署名は認証機関(注)から発行された電子証明書(デジタルID)を取得、または作成する必要があります。

  • (注)電子証明書を発行している認証機関(法務省の場合)

電子スタンプ

認め印に相当するもので、電子化された社内文書・帳票で使用します。認め印は書類の内容を理解し、承認した証明として押印します。電子スタンプはPDFの書類に、あらかじめ登録した印影などの画像をスタンプとして指定された押印の位置に貼り付けます。スマホやタブレットでも簡単に押印できるため、オンラインでのスピード申請・承認に役立ちます。

文書の電子化は、全社員が一体となって推進する必要があります。文書の電子化がもたらすメリットや利用方法を全社員が理解することが大切です。そのうえで利用しやすいシステムを構築し、共通ルールを定めて運用することで、在宅でも社内にいるときと同じように業務が行えます。

文書作成から書類の利用方法までをトータルに検討して、快適に業務効率をアップさせましょう。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。