まずはお気軽にご相談ください。

【総合受付窓口】
大塚商会 インサイドビジネスセンター

03-6743-1671(平日 9:00~17:30)

人工知能が人知を超えるとされる時期は?

答え:2045年

経営基盤強化・リスク対策

第3次ブームを迎えたAI(人工知能)は、コンピューティング能力の飛躍的向上もあいまって賢さに磨きをかけています。テクノロジーがさらに進化した先、人類をも凌駕する知能を備えることはあり得るのか? 今、そんな議論が真剣になされています。(IT Leaders特約)

進化が加速する人工知能

囲碁において、人間のトップ棋士の1人にコンピューターのAI(人工知能)プログラムが勝利した──。2016年3月、こんなニュースが世界を駆け巡りました。ハンディキャップ無しで互角に戦えるようになるのは10年以上も先になると言われていただけに、この一件はAIの実力を世に再認識させる大きなきっかけになりました。

快挙を成し遂げ、一躍脚光を浴びることになったのが「AlphaGo」というプログラムです。これを開発したのは、英国のAIスタートアップ企業で2014年にGoogle傘下となったDeepMind社。AI分野の中でもここにきて特に研究が盛んなディープラーニング(深層学習)の技術を活かしつつ、大局的に戦況を読むことと、先々の展開を深く読むことを巧みにバランスさせた総合力が歴史的勝利に結び付いたと言われています。

それ以前にも、さまざまなゲームで人間とコンピューターの対戦が幾度となく試みられてきました。オセロやチェスでコンピューターに勝つことは、もはや至難の業。将棋でもコンピューターに軍配が上がることは珍しくなく、トッププロを十分脅かす水準になりました。さらに複雑とされる囲碁でも、今やコンピューターが勝ち得る存在にまで達したのです。

2011年には、アメリカの有名なクイズ番組で、歴代チャンピオンをコンピューターが破るという出来事もありました。話し言葉による質問を理解し、コンピューター自身が蓄積している回答候補から最適なものを選ぶなど、コンピューターにとってはボードゲーム対戦とは別の側面での難しさがあるわけですが、それでも見事に王座につく結果になりました。

デジタル化が加速する先に予見されること

こうした話題が世間をにぎやかす度に聞こえてくるのが「一体、コンピューターはこの先どこまで賢くなるのか。我々の知能を超える日が来るのではないか?」という声です。コンピューターは知的な処理をしているようでいて、所詮は人間が開発したプログラムの指示通りに動いているに過ぎず、人間のように思考したり発想したりすることはできない──。かつては、そんな見方が一般的でしたが、最前線の識者の一部からは「人知を超えるXデイが到来する」との見解が示されるようになりました。

背景にあるのが、デジタルテクノロジーの凄まじい進化です。プロセッサー、メモリー、ネットワーク、ストレージ、そしてそれらを制御するソフトウェア。いずれもが今なお劇的に進化を続けています。最近のスマートフォンが、かつての巨大なスーパーコンピューターに匹敵する性能を備えているということが象徴するように、幾何級数的に伸びるコンピューティング能力が、ごく身近な存在としてあり、今後も高水準で成長していくことが見込まれています。

処理対象となるデータが圧倒的に増えていることも見逃せません。企業のビジネス活動のみならず社会インフラも含めて、人々の営みはさまざまな形でITが支えています。陰で何らかのシステムが稼働し、そこでは刻々とデータが生成されています。今後はIoT(モノのインターネット)をはじめとして多種多様な機器にセンサーが組み込まれるようになり、それらから収集されるデータもまた増加の一途をたどるでしょう。

現存の書物や論文、芸術作品といったものも、過去に遡りながらどんどんデータ化されています。我々がスマートフォンを介して行うアクションや、その位置情報といったものもデータとして蓄積され続けます。街中の防犯カメラがとらえる映像もしかり。このように“世の中のデジタル化”は加速しており、森羅万象とまでは言わずとも、それに限りなく近い幾多の事象をデータとして把握できる未来が現実味を帯びてきました。

ここに、冒頭で触れたようなAIテクノロジーが融合してきます。ディープラーニングを筆頭に、世界の英知が結集することによって、コンピューターによる認識・学習・推論といった機能にさらに磨きがかかるのは間違いありません。「ずば抜けた計算能力×膨大なデータ×洗練されたAIプログラム」という図式の先には、必ずや“思考回路”に近いものが生まれ、やがてそれが人類を凌ぐ可能性も否定できないといった考えにつながってくるのです。

テクノロジーの進化を大局的にとらえる

このような文脈で関心を集めているのが「シンギュラリティ(技術的特異点)」というキーワードです。AIへの造詣が深く、現在はGoogleに籍を置くレイ・カーツワイル氏が、2005年に著した「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」で世に訴えた考え方として一般には知られています。

人類が、自らの知能で世の中を革新していくのであれば、今あるテクノロジーの限界や進化のスピードなどに照らして、先々の変化をある程度は見通すことができるでしょう。ところが、知能を備えたコンピューターが再帰的に自身の知能を高め、断続的に進化を続けることが可能となった時、つまりは人類の知能をコンピューターのそれが凌駕し、世を革新する主体が必ずしも人間ではなくなった時、何が起こり得るでしょうか。我々が、これまでの人類科学の延長線上で「当面は無理」と考えていたことが、突如としてコンピューターの知能によって実現される可能性が出てくるのです。そんな“特異な世界”へ突入する分岐点がシンギュラリティです。カーツワイル氏は、その瞬間が2045年にも到来するかもしれないと指摘しています。

シンギュラリティについて語るカーツワイル氏(TED.comのサイトが開きます)

まるで、SF作品に描かれるような世界観ですね。古くは「ターミネーター」(第一作は1984年)や「マトリックス」(1999年)、最近では「トランセンデス」(2014年)、「オートマタ」(2014年)、「エクス・マキナ」(2015年)といった映画で、AIが絡む近未来がテーマに据えられており、興味を抱いてご覧になった方もいることでしょう。こうした作品ではしばしば、人知を超えたコンピューターが社会秩序を崩壊させようとし、人類が命運をかけて復権に挑むといった展開が仕込まれます。

シンギュラリティに想いを巡らせた時、それ以降はコンピューターが人間を支配するというネガティブなとらえ方ではなく、人間らしい豊かな生活をコンピューターが支えるというポジティブな発想があってしかるべきで、むしろそれが将来的な方向性ではないかと思いますが、ことエンタテインメント業界に限って言えば、そうした安逸をむさぼるようなストーリーは受けが良くないのかもしれません。

現実問題として、コンピューターが人間の知能を超えられるかどうかを現時点で知る由はありません。しかし、人間にしかできなかったことをも置き換える方向にテクノロジーが向かっていることは確かです。その動向を受け入れ、深く理解した上で、次代をどうデザインし創造していくのか。「2045年問題」は、我々にそんな大きなテーマを突き付けています。

協力メディア

IT Leaders ( http://it.impressbm.co.jp/ )

「数字で理解するテクノロジーの進化と真価」協力予定メディア

ビジネス・IT系のメディアとの「数字」を切り口にしたコラボレーション記事です。ご期待ください。

クラウド Watch
9月下旬に公開予定

東洋経済オンライン/JBpress
10月上旬に公開予定

プレジデントオンライン/JBpress
10月下旬に公開予定

記事と関連する製品・ソリューション

「いまどきのIT活用」から同じキーワードや課題の記事をご紹介

  • セキュリティ経営基盤強化・リスク対策

    個人情報漏えいの想定損害賠償総額(2015年)は?

    外部からの不正アクセス、あるいは内部関係者による情報漏えい事故が相次いでいます。もし、自分の勤務する会社が個人情報を流出させてしまったら? 道義的責任はもちろん、多大な損害賠償を負うことになります。具体的にどれほどの経済的損失になるのか。あらためて考えてみましょう。(クラウド Watch特約)

    [2016年 9月 9日公開]

  • バックアップ・災害対策(BCP)経営基盤強化・リスク対策

    品質リスクマネジメントを考える

    品質管理活動が形骸化してしまうことがよくあります。そこで今回は、品質リスクマネジメントについて、(1)ルール、(2)仕組み、(3)企業風土の三つの側面から課題と対応策を考えていきます。

    [2016年 9月 1日公開]

100万社を超える実績の中から、関連する事例をご紹介

大塚商会から提案した製品・ソリューションを導入いただき、業務上の課題を解決されたさまざまな業種のお客様の事例をご紹介します。