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Adobe Live 2015 レポート(5 / 5)

Creative Cloud 2015がもたらす新しいワークフローとは

イベントの最後は「Creative Cloud 2015がもたらす新しいワークフローとは」と題し、Creative Cloudの最新機能が紹介されました。

セミナーレポート

Creative Cloud 2015がもたらす新しいワークフローとは

キーノートセッションのホストを務めたのは、アドビシステムズ株式会社Behance代表兼コミュニティ担当バイスプレジデントのスコット・ベルスキー氏でした。ベルスキー氏はクリエイターのためのオンラインプラットフォームサービス「Behance」の創設者であり、アドビがBehanceを買収する以前から、同サービスを通じてクリエイターのコミュニティをつなぐことに注力してきた人物です。

スコット・ベルスキー氏

同氏によれば、Creative Cloud 2015は次の三つの項目がテーマになっているといいます。

  • 正確さとパフォーマンス
  • コネクテッドアプリ
  • Creative Sync

Creative Cloud 2015の三つのテーマ

正確さとパフォーマンス

Creative Cloud 2015では各ツールにおいて徹底的なチューニングを行って処理性能を向上させているそうです。具体的には、可能な限りGPUを利用して描画を高速化するなどといった修正が加えられ、これによって、クリエイターのワークフローがツールによって中断することがなくなり、本来の作業に集中することができるようになったとベルスキー氏は語りました。

コネクテッドアプリ

コネクテッドアプリとは、いわゆるモバイルアプリがデスクトップ以外のツールの拡がっていることを指します。クリエイターの仕事は机に向かっているときのみ行われているわけではありません。モバイルアプリ群を充実させることによって、場所や時間を選ばないワークフローの実現をサポートします。

Creative Sync

ツールやデバイスをまたいでコンテンツを同期・共有する、Creative Cloudの中核となる機能です。Creative Cloud 2015では、この同期のパフォーマンスも大幅に向上し、ツールを切り替えながらの作業がよりシームレスに行えるようになっています。

Adobe Stockでワークフローはどう変わるか

続いてベルスキー氏は、アドビが新たに開始した有償ストックコンテンツサービス「Adobe Stock」についても説明しました。同氏は、「クリエイティブプロセスの大きなストレスは、素材を見つけ、それをワークフローに取り込むまでの手続きが煩雑であること」だと指摘したうえで、Adobe Stockはこの悩みを解決するものだと語りました。

Adobe Stockの大きな強みの一つが、Creative Cloudツールとシームレスに連携している点です。Creative Cloudのユーザーは各デザインツール内から直接Adobe Stockにアクセスし、画面を切り替えることなく任意のコンテンツをダウンロードして自分のデザインの中に取り込むことができます。全てのコンテンツでウォーターマーク付きのプレビュー版が利用できるため、まずはプレビュー版でイメージを合わせながらデザインを行えるという点も特長の一つです。完成版としてローンチする段階でライセンスを取得すれば、ウォーターマークが取り除かれた高品質な画像をダウンロードして作品に反映されます。

セッションでは、Adobeでデザインツールのディレクターを務めるエリック・スノーデン氏が、Adobe Stockと、Creative Cloudに含まれるいくつかのツールを使ってデザインを完成させるデモンストレーションが行われました。使用したツールはiPad向けのデザインカンプ作成アプリAdobe Comp、フォントサービスTypekit、iOS向けのブラシ作成アプリAdobe Brush、そしてデスクトップのPhotoshopなど。まずAdobe Stockから気に入った画像のプレビュー版をダウンロードし、それをAdobe Compに読み込ませてラフデザインを作成します。文字にはTypekitで見つけたフォントを適用し、そうしてできたデザインをデスクトップのPhotoshopに送り、Adobe Brushで作ったブラシなどを使用して完成度を高めていくといった具合です。

Adobe Stockからダウンロードした画像も含めて、これらのツールで作成したコンテンツはCreative Syncによってリアルタイムに同期されていて、お互いのツールを行き来しながら作業することが可能です。デモンストレーションの最中にもほとんど待ち時間なしでツール間の同期が行われており、Creative Syncのパフォーマンスの高さに驚かされました。

Adobe Stockで使いたい画像を探すしてダウンロード

Adobe Compでダウンロードした画像を使う

Typekitでフォントを探して適用

デザインのイノベーション

Adobe Stockに続いて、ここからはCreative Cloud 2015でアップデートされた各ツールの新機能が、それぞれの担当者によるデモンストレーションによって紹介されました。

まずIllustratorについてはデザインおよびUI分野のシニアディレクターであるマイケル・ニネス氏が紹介しました。Illustrator 2015では、特にそのパフォーマンスと正確さの向上に注目して欲しいということです。例えばCS6では、拡大やパンをした際の再描画で若干の遅延が生じるため、その度にワークフローが中断するという問題がありました。Illustrator 2015では、GPUを活用することでこの遅延を解消し、極めてスムーズな操作が実現できます。CS6と比較すると描画速度は10倍速くなったとのことです。さらに、拡大の最大倍率も従来の6,400倍から64,000倍にまで向上しているそうです。

デモンストレーションでは、「日本で桜を見た思い出をポスターにする」というコンセプトで、Adobe Shape、Adobe Comp、そしてIllustratorを使ってポスターを作成する様子が紹介されました。Adobe Shapeはカメラで撮影した写真などから簡単にベクター画像を作成することができるiPhone/iPad向けのキャプチャーアプリです。まず「桜」の文字をAdobe Shapeでキャプチャーしてベクター画像にしたうえで、Adobe Compにこれを貼り付けてポスターのラフデザインを作ります。ある程度のデザインがまとまったら、デスクトップのIllustratorに送信します。これをIllustrator側で開いてより詳細な加工を行うのですが、このときモバイルアプリで作った全ての要素が取り込まれているのが大きなポイントです。例えば「桜」の画像のパス情報なども保持しているので、パスを編集して形を修正するといったこともできます。

(左)Adobe Shapeでベクター画像を作成 (右)Adobe Compでラフデザインを作成

上記に加えてアドビでは、モバイル端末で起こっているイノベーションをデスクトップのツールに逆輸入していこうという試みも行っているとのことです。その一つがIllustratorのタッチ操作対応です。近年では、キーボードを取り外してタブレットとして使用できるコンパチブルなノートPCなども人気を博しています。そこでIllustrator 2015には、タッチ操作に最適化されたUIモードが用意されました。このモードでは次のような機能が使用できます。

  • 指でタッチしやすいサイズに最適化されたツールパネル
  • ピンチ操作で直接オブジェクトの拡大/縮小が可能
  • タッチ用に最適化された、ベジェ曲線よりも使いやすい曲線ツール
  • シフトキーに代わる操作をするためのオプションパネルを用意

ベジェ曲線は初心者にとっては少々難易度の高い曲線ツールです。新しい曲線ツールを使えば、ベジェ曲線の最初の難関であるハートマークも指で簡単に描けるといいます。また、ラフに描いた線をつなげてクローズドパスにする処理も、パスとパスの間を指でなぞるだけで自動で行ってくれます。地味ですが、非常に有用性の高い機能です。

「モバイルによるデザインが楽しいのは、タッチスクリーンで直感的に操作が行えるからです。Illustratorのタブレットモードは、この直感的な操作性を大切にするように心掛けて作られています。」(ニネス氏)

Photoshopのイノベーション

Photoshopのデモンストレーションを担当したのは、Photoshopのシニアプロダクトマネージャーを務めるゾラナ・ジー氏です。ジー氏は、まずPhotoshop 2015にもIllustratorに用意されているようなアートボード機能が追加されたことを紹介しました。このアートボード機能では、一つのPSDファイルの中に複数のデバイス向けのデザインを作ることができるといいます。つまり、画面サイズの違うデバイスでコンテンツがどのように違って見えるのかを、一つの画面でまとめて確認することができるということです。

さらに、各デバイス向けのコンテンツはAdobe Previewを使えばリアルタイムに実機でプレビューすることが可能です。複数のデバイスを接続している場合には、全てのデバイスに同時に同期してプレビューできます。

続いて新たに搭載された「デザインスペース」と呼ばれる機能の紹介が行われました。WebサイトやWebアプリケーションの開発の初期段階では、Photoshopでデザインカンプを作るケースが多いという調査結果があります。「デザインスペース」はこれに対応するために追加された、Webデザインに特化した新しいUIです。デザインスペースではワークスペース全体がWebデザイナーが毎日使うような必須ツールだけに簡素化されているほか、マウス操作や視点の移動などが最小限で済むように工夫されており、日々の仕事の効率を大幅に向上できるということです。

Photoshopのデザインスペース

Adobe Previewを使った実機プレビュー

Web製作のイノベーション

Web製作ツールのDreamweaverについては、アドビシステムズ社のデベロッパーマーケティングスペシャリストである轟啓介氏が登壇してデモンストレーションを行いました。ここでは主に二つの注目すべきアップデートが紹介されました。一つは「PSDファイルの読み込みが可能になったこと」で、PSDから抽出した情報を元にコードを生成することが可能で、スライスなども半ば自動で行ってくれます。これによって、PhotoshopでのデザインからDreamweaverでの開発が極めてスムーズに行えるようになります。

PSDファイルをコミコンでコードを生成できる

二つめは「レスポンシブデザインのための大幅な機能強化」です。レスポンシブデザインに対応したサイトを構築するうえで特に問題になるのが、最適なブレイクポイントの見極めやレイアウトの調整に手間がかかることです。そこでDreamweaver 2015では、ビジュアルメディアクエリーバーと呼ばれるブレイクポイントを可視化するためのガイドバーが追加され、マウス操作で簡単にブレイクポイントを設定・確認できるようになりました。また、Bootstrapコンポーネントが利用できるようになったのも大きなポイントだといいます。Bootstrapはレスポンシブデザインのサイト構築に適したフレームワークだからです。

レスポンシブデザインのサイトの作成例

上部のビジュアルメディアクエリーバーでブレイクポイントの見極めが簡単になった

上記に加えて、モバイルデバイス実機でのプレビューが可能なデバイスプレビュー機能も見逃すことができません。このプレビュー機能では、Dreamweaver上で生成されたQRコードをスマートフォンで読み込めば、簡単に編集中のページを実機で動作チェックができます。そのうえ、HTMLを編集すれば、その内容がリアルタイムで実機側のブラウザーにも反映されます。

リアルタイムに実機プレビューが可能

フォトグラフィーのイノベーション

フォトグラフィーについては、既に取り上げられたPhotoshop 2015のアップデートのほかにも、いくつかの重要な新機能がPhotoshopプリンシパル製品マネージャーのブライアン・オニール・ヒューズ氏によって紹介されました。最初に行われたデモンストレーションは、iPad上のLightroom Mobileで写真を選別したうえで、それをPhotoshop Mixで選択して合成し、デスクトップのPhotoshopに送って詳細な加工をするという一連の作業でした。このデモンストレーションは、Creative Syncを活用した新ワークフローの一例として取り上げられました。Lightroom MobileやPhotoshop Mixといったモバイルアプリの完成度も日々高まっていることから、Creative Syncが中心になることで、これからはモバイルデバイスも写真編集のワークフローに参加することになりそうです。

青空の風景写真に

Photoshop Mixで夕日の空を合成

モバイルばかりでなく、デスクトップのLightroomにも革新的な新機能が追加されています。最も会場を驚かせたのは「霞除去フィルター」です。全体に霞がかかったような写真でも、この機能を使えば簡単に霞を取り除いて鮮明な写真へと加工することができます。

右が元の写真、左が霞除去を施した写真

Lightroom 2015にはHDR合成やパノラマ合成といった機能も追加されました。HDR合成やパノラマ合成には、従来はPhotoshopが必要でしたが、これからはLightroomだけでも行えるようになります。HDR合成時のゴーストの除去や、パノラマ合成のための位置合わせなどは自動で行ってくれるため、専門的な知識がなくても利用することができます。なお、これらの編集はRAW画像のままで行うことができるとのことです。

複数の写真をパノラマ合成

ビデオのイノベーション

ビデオツールの紹介では、アドビシステムズの西山正一氏が登壇し、最初に動画編集ツール「Premire Pro」と、新しくリリースされたiOS向けアプリ「Adobe Hue」のデモンストレーションを行いました。新しいPremireでは、特に色調整に関する機能が大幅に使いやすくなっているとのことです。具体的には、ビデオクリップの色をカラースライダーで設定する「Lumetriカラーパネル」が追加され、専門的な知識がなくても簡単に色調整が行えるようになりました。Adobe Hueも色に関連したアプリです。これはカメラで撮影した風景写真などから色の雰囲気を抽出して、別の写真や映像に適用できるルックアップテーブルを作ってくれるものです。「Hueを使えば、ふとした瞬間に目にした情景をビデオクリップに反映できます。」とのことです。

Adobe Hueで現実世界の色調を読み込む

次に紹介されたのは「After Effects」です。After Effects 2015ではRAM上でビデオをプレビューするRAMプレビュー機能が廃止され、全てがリアルタイムプレビューできるようになりました。RAMプレビューと違い、編集した内容は即座にプレビューに反映されるため、プレビューのために作業の手を止める必要がなくなったということです。

After Effects 2015では全てリアルタイムプレビュー

続いて、新ツール「Adobe Character Animator」の紹介が行われました。これはカメラに写った顔の表情をトラッキングしてキャラクターのアニメーションに反映させるというツールです。例えば顔を傾けたり瞬きをしたりすれば、キャラクターも同じように表情を変えます。マイクで音声を拾って口の形にも反映されるとのことです。使い方は、PhotoshopやIllustratorで顔のパーツに対応したレイヤー(決められた名前のもの)を用意し、読み込ませるだけでいいとのことです。使用目的はともかくとして、まずは遊んでみたくなるデモンストレーションでした。

表情をトラッキングしてアニメに反映する

この機会にCreative Cloudの導入を

最後に再びベルスキー氏が壇上に上がり、次のように語ってキーノートを締めくくりました。

「本日はCreative Cloud 2015の最新機能のいくつかを紹介しましたが、これはこのリリースのパワーのほんの一部に過ぎません。Creative Cloud 2015のリリースは大きな大きな躍進です。もし今日のデモンストレーションでお見せしたような作業をCS6でやろうとすれば、もっと多くの時間を費やすことになるでしょうし、不可能なワークフローもあったと思います。まだCreative Cloudに移行するタイミングを見計らっているという人がいたら、ぜひこの機会に導入を検討していただきたいと思います。」(ベルスキー氏)

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