浦和実業学園中学校・高等学校 教諭(英語) 唐澤 博

2016年8月19日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

先駆者のいなかった時代、ICTを取り入れたキッカケとは?

キッカケは、電子辞書です。1980年代にSII(当時はセイコー電子工業)が、当時の英和辞典として語数が最大だった研究者のリーダーズ英和辞典を搭載したのを機に購入しました。それから現在に至るまで教室で紙の辞書を持っていたことはありません。ちなみに、SIIが電子辞書を活用した「洋楽翻訳選手権」の第一回の優勝者の指導者は私です。

CALLは、2000年頃に英語コースを設置したときに、LL教室をマルチメディア教室として改装し、インターネット環境に常時接続できる環境を整えて始めました。先駆者が誰もいない時代でした。アプリ(当時はソフト)は価格が高く、購入してもらえなかったので自分でデジタルコンテンツを作成して授業に使っていました。

電子辞書を活用した授業実践とその有用性

英語は音声を伴うtrainingが基本です。電子辞書は、単に単語の意味を引くものでなく、学習toolです。アニメーションはできませんがパソコンと同じです。音声が5段階に変えられる機器などを購入したら高価ですが、英語のtrainingには電子辞書で十分です。カシオの電子辞書の場合、音声を再生すると5回繰り返します。教室で同じ単語を引かせて、全員に音声再生させてみてください。仮に、20人がちょっとずらしながら再生したら100回聞こえるわけです。いやが応にでも耳に入ります。

「ICTはいつでも、ちょっと、使える」なんです。電子黒板は大変高価なものです。余裕のある学校では当たり前のインフラかもしれませんが、それはごく一部の学校でしょう。英語の先生は、lecturerではなく、音楽や体育の先生と同じtrainerです。生徒の発話を促す方法はインフラに頼らなくても、いくらでもあります。先生の生の声が一番ですが、何回も繰り返すとか、スピードを変えるとかはICTに任せてもいいのではないでしょうか。

ICTを活用した授業風景

ICT活用には教員の養成が必須! 教師のための勉強会と英語教材の作成

ICTの活用と教員の養成にも力を入れています。もともとはITに関係ありませんが、各地で活躍されている先生の授業メソッドを全国に広めようと始まった「英語教育・達人セミナー」で講師もしています。このセミナーは単なる先生の紹介ではなく、現場の先生の授業を生で見たい・見せたいという思いで、当時、筑波大付属駒場高校教諭(現・都立国分寺高校)の谷口 幸夫先生が21年前に始めたものです。この勉強会から現在、英語教育業界でメジャーとなった先生も数多くいます。

また、ICTの活用には、デジタル教材の作成が有用ですので、教師のための「デジタル教材勉強会・東京」の主催も行っています。英語教材の作成には、最初のうちはKeynoteを使っていましたが、今は、PowerPointをiPadで使っています。昨年から、iOS版のOfficeが無料のアプリとなりましたので、OneDriveやDropboxのクラウドを使っています。クラウドを使うと、先生とデータを共有できるので本当に便利です。今年からは、Office 365も使っています。PowerPointやKeynoteの具体的な教材作成事例やICT活用教育へのポイントについては、拙著をお読みください。

英語デジタル教材作成・活用ガイド - 株式会社大修館書店

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

唐澤 博(からさわ ひろし)

浦和実業学園中学校・高等学校 教諭(英語)

2016年度より、アクティブ・ラーニング・ICT 推進リーダー。長野県生まれ。獨協大学外国語学部英語学科・専攻科終了後、現職。「英語教育・達人セミナー」、CALL、電子辞書セミナーなどで講師を務めるほか、「デジタル教材勉強会・東京」を主催し、ICT 活用教育の普及に尽力している。著書に『英語デジタル教材作成・活用ガイド』(大修館)。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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