香蘭女学校中等科・高等科 甲斐 雅也

2017年5月19日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

香蘭女学校における1人1台のiPad環境を作るまでの経緯

電子黒板機能付きのプロジェクターを導入したのは、2012年です。どの教室でも同じように使える環境作りを主眼に置いてスタートしました。

iPadを使用した授業風景(香蘭女学校)

稼働率が上がっていく中で教室へ有線を引き、徐々にタブレットの導入が現実的になっていきました。その後、校内の無線環境を整備し、iPadの導入を視野に入れて全教員に配布したのが2015年です。同時に生徒向けのiPadを50台導入し、授業などでの活用方法を検証しました。そして2016年度から1人1台のBYOD方式への移行が始まりました。

現在のICT活用状況とICT化を推進するにあたっての工夫

チョーク職人の先生や機械が苦手な先生もいらっしゃいますので、スタートの段階ではやはり抵抗があったようです。しかし、そのような先生にも簡単に使えてシンプルな設計を心掛けました。
また、教室のICT環境整備では電子黒板と従来の黒板を共存させることや特定の教室、特定の先生が独占する環境にならないよう、安くてもいいので普通教室に一斉に入れようという話になりました。電源ボタンなどは3ステップで使えるものを選び、またセットで書画カメラを付けたことが稼働率を上げるポイントになったと思います。

そしてついに実現したiPad1人1台環境ですが、みんなで一斉に開封した瞬間の生徒たちの反応は忘れられません。みんなとてもうれしそうでした。そして、iPad Airは3色展開なので好きな色を選んでいいという形をとったところ、生徒たちはとても喜んでいました。「どうせ学校で注文するものだから黒一色なんだろう」と思っていたのではないでしょうか。また、生徒がICT委員を組織していたので、売店と文房具メーカーの方にご協力いただいてオリジナルのスタイラスペンを作成しました。

使い方としては、動画で記録できるということがとても大きな変化です。創作ダンスや運動会の応援など振り付けの共有、部活ではフォーメーションの確認に使用しています。授業では顕微鏡のレンズにカメラを付けて記録するなど、今まで1人でのぞき込んで見ていたものをみんなで共有できるということに驚きました。

共有の数台を使っていたときとBYODになって変わったことは、お便りや連絡などを直接配布できるようになったことです。個人でiPadを持つときには、プラットフォームは欠かせなくなると思います。

顕微鏡の様子をiPadで共有する様子(香蘭女学校)

ICTを活用して香蘭女学校が目指しているもの

香蘭女学校校舎

香蘭女学校はミッションスクールなので、以前より「他者に寄り添う」という理念がありました。そして今、ICTの導入と共に、協同的な問題解決能力の育成が一つの目標となっています。今までの学校らしさを失わずに、これからの社会に出て行く生徒たちに必要な力を伸ばしていってあげたいと考えています。

個人端末とは違う、「学習道具としてのiPad」。この意識付けをしっかりしながら、協同的な学びの場を増やすために活用していきたいと考えています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

甲斐 雅也(かい まさや)

香蘭女学校中等科・高等科

社会科、情報科教師として2004年から香蘭女学校に勤務。専門教科は「世界史」。2011年度より校内のICT化を推進するICTセンターにて電子黒板の導入、校内のネットワーク構築に携わる。2016年度より同センター長として生徒一人一人がiPadを持つ環境整備に取り組み、2017年度は移行段階として、中高5学年がiPadを1人1台持つ予定。

香蘭女学校

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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