静岡県立韮山高等学校 鈴木 映司

2017年6月16日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

アクティブラーニングやICT導入のきっかけ

21世紀になったころから17年間、キャリア教育に取り組んでいます。その中でアクティブラーニングのようなことを行っていました。また、ALTの方とTeam Teachingを行ったり、ジュニアチームメントジャパンのさまざまな研修を受けたり、バーチャル株取り引きなど、そういったものを10年ほど前から取り組んでいました。
そして最近ICTを導入したので、ICTを使ったアクティブラーニングに挑戦しています。生徒にさまざまな写真を撮らせて、それを共有したり、Clicaやロイロノートというアプリを活用するなどをして、現在に至っています。

地理の授業でのアクティブラーニンングの実践

地理というと、地名・物産の暗記のイメージがあると思いますが、時代に合わせて問題を解決したり、発見したり、習得から活用、そして探求という時代に変わっています。地理の授業だと地図でたどることと、囲むこと、それからなぜそこにあるのかという科学的な見方、特にこれをとても大切にしています。

アクティブラーニング型の地理の授業風景-1

アクティブラーニング型の授業といっても、なかなかイメージがつかみにくいと思います。しかし、ICTを使うことで時間と空間を超えたり、インタラクティブな学びを行うことができます。その他、例えば海外でスカイプを通じて、地理の授業の中で海外の体験をしたり、Google Earthを使ってのフィールドワークなどを取り入れたりしています。

現在、最終的にたどり着いたのは、生徒が動画を作ってグループを見るという形です。理論は合っていても(人は「感情」で行動するので)人はなかなか動かないということもあり、授業で学んだ多様な表現をどう伝えるか、という答えに到達した気がしています。

アクティブラーニング型の地理の授業風景-2

アクティブラーニング型授業の評価とは

評価というと「何をどのように学んでいるかがとても重要」だと思います。以前、東京大学にいらっしゃった三宅なほみ先生と「評価は何のためにあるのか」というテーマについて対談させていただいた際には、評価は「生徒が次の問いを知るため」、「教師が次の授業を作るため」の、この二つの目的があると仰っていました。私自身、このことは非常に重要だと思っています。

評価には、「何を評価するかの項目」と「尺度(スケール)」の二つの基準がありますが、私が最も大事だと思うのが、過去の自分よりも成長しているかだと考えます。授業を受ける前から比べ、後ではどれほど自分が成長したかを実感してもらう評価が重要で、単なる段階評価やテストの点数ではなく、自分を成長させるエンジンにつながる評価を行ってみたいと思います。

これからのアクティブラーニング型の授業導入へのアドバイス

教壇に立つ鈴木先生(静岡県立韮山高等学校)

6点お話しします。1点目は、アクティブラーニングを行う集団の安心・安全です。アクティブラーニングは仲間作りがとても重要でそれがベースになっています。2点目は、何を学ぶかということです。知識やスキル、態度や価値観、倫理観など21世紀に必要とされるものを習得するには単に知識を与えるだけでは不十分だと考えます。3点目は、対話の中でどうすれば深く学べるかです。答えのないものでも互いに根気強く喋りながらたどっていくことが大事です。4点目は、社会が求める力を付けることと社会正義の実現です。これらはキャリア教育の中でもよくいわれていますが、現在社会格差が問題となっています。答えがないものにあえて挑戦するスーパー高校生など、教師を超えるような生徒が出てくるといいなと思っています。5点目は、先生たちが同僚と学ぶ機会を持てるといいなと思います。そして最後、6点目は、3分のペアワークから始めて、生徒にどうだったか感想を聞くことがアクティブラーニングへの第一歩なのではないでしょうか。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

鈴木 映司(すずき えいじ)

静岡県立韮山高等学校

韮山高等学校地歴・公民(地理)教諭。2001年、前任校で総合学科を立ち上げたことをきっかけに、キャリア教育への取り組みを進める。日本キャリア教育学会キャリアカウンセラー。また地元では「Learning Design Community」を主催。アクティブラーニング型授業をはじめ、新しい時代に対応した授業のあり方を探っている。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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