千葉県立千葉工業高等学校 片岡 伸一

2017年12月22日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

共用iPadとBYODで150台以上のiPadが稼働

「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」という国の事業により、共用のiPad Air 2が42台導入されました。理数工学科2クラスの生徒80名は、iPad ProかiPadのどちらかを選択し、BYOD(家庭負担)で購入して使用しています。これに加えて、教員が授業や教材研究の備品として利用するiPadが30台あり、合計150台以上のiPadが稼働しています。

限られた予算で工業高校ならではのネットワーク構築

ネットワーク構築に必要なWi-Fiのアクセスポイントやハブ、ケーブル等は、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの予算や創立80周年の記念事業として購入しました。

しかし、校舎全体をカバーする機器に予算をかけたかったため、工事費用にかけるまでの予算はありません。そこで電気科の生徒たちに「その技術を貸してほしい」とお願いし、放課後や土曜日に工事をしてもらいました。もちろん、機器を取り付けることでその経験値や、学校への帰属意識も高まったとは思いますが、「学年を超えて、チームで仕事をする」という経験ができたのが何よりの収穫でした。その後の行事でも、学年の隔たりなく協力して仕事をしてくれています。

さまざまなシーンで広がるiPadの活用

GarageBandでオリジナル楽曲を作曲している様子

3年生のプレゼンテーションの授業では、2人1組になって面接の練習を行っています。お互いの長所や会社の気に入ったところをiPadを使って紹介し合うという形式です。プロジェクターを使ったプレゼンテーションには生徒も慣れているので、iPadを使用することによって近い距離での面接練習をしています。

また、最近では「GarageBand」でギターの演奏や作曲をさせたうえで、音楽の著作権について考える授業を行いました。

電気科ということで電気工事の実習があるのですが、課題研究という授業での中でその指導のための電子書籍を「iBooks Author」を使って作成しています。動画や写真を撮影し、「iMovie」や「Photoshop」で加工しています。

最近では、何かあれば「iPadを貸してください」と声をかけられるようになりました。先生からも「授業で使いたいのでiPadを借りられますか」という問い合わせが増えており、ベテランの教務主任の先生も毎回授業で使っています。

iPadによる変化とこれからの挑戦

生徒用のiPadがあるということで、調べ物だけでなくビデオ撮影や編集、音楽制作などの使い方が浸透してきました。実習や研究でiPadを使って生徒が自主的に取り組んでいる姿もよく見られるようになりました。

工業高校では体験的な実習を通じて学習成果を積み上げていきます。動画やアニメーションが手元で確認できる環境が整えば、事前に安全性を確認したり、あらかじめ動作を見ることで疑問点を明確にしたりといった「バーチャル(仮想的)の実習」を行うことも可能です。昨年度から試験的に3年生の研究課題の中でビデオ制作をしていますが、こういったデジタル教材を蓄積して作っていけたらと思っています。

また最近では、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの予算でドローンが20台導入されました。iPadを利用したドローンのプログラミング飛行の授業を計画しています。今後は、AR(拡張現実)やスマートコンセントなどを生徒と共に研究していきたいですね。個人的にはIBMのWatsonにも興味があり、これからはそういった新しい分野への進出を考えています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

片岡 伸一(かたおか しんいち)

千葉県立千葉工業高等学校

千葉県立千葉工業高等学校 電気科教諭。2010年に初代iPad発売の翌週より授業に導入。現在はiPadとCloud環境を効果的に活用する校内システムと共に、IBM Cloud(IBM Bluemix)活用のための研究を行う。専門は経営工学。AFP(日本FP協会認定)認定者。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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