神田外語大学 石井 雅章

2018年6月15日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

自立学習を育む新校舎

2017年完成の8号館「KUIS 8」は、SALC(Self-Access Learning Center:サルク)と呼ばれる語学の自立学習施設と15の一般教室から構成されています。本学では、2014年からiPadの必携化を進めていて、現在では基本的に全ての学生がiPadを所持し、学習に活用しています。新校舎の教室はiPadを効果的に活用することを考えてデザインされています。

自由な学びを目指した教室環境

フラットとケーブルレスな教室環境

こだわったのは、フラットとケーブルレスです。可動式の机とイスはもちろんですが、限られたスペースの教室を最大限に活用するために、床面だけではなく壁面もできるだけ出っ張りをなくし、フラットなスペースにすることを心掛けました。また、固定された教卓やケーブルが絡まったラックなどは、教室内での自由な学びの妨げになります。せっかくiPadとWi-Fi環境があるのですから、できるだけケーブルに縛られない環境を目指しました。
これらの工夫によって、「向きが固定されない」教室環境を作り上げることができたのが、この教室の最大のメリットといえます。

ICTを利用して学生同士の学び合いを活性化

8号館「KUIS 8」の施設・教室環境を整備するに当たっては、iPadを最大限活用できる環境づくりを意識しました。学内統一のWi-Fi環境はもちろん、一般教室は3面ホワイトボード、3面プロジェクター、Apple TVのAirPlayを用いて全てのプロジェクターへ無線映写ができる環境となっています。

語学の授業では、iPadを用いたペア・ワークやグループ・ワークなど、双方向コミュニケーションを重視した授業が活発に展開されています。私が担当する日本語レポートを作成するための科目では、Googleクラスルームやスプレッドシートを活用して、クラウド上での協働作業を頻繁に行っています。

KUIS 8で授業を行う様子

そして、Swiftプログラミングの授業もこの教室で開講しています。教員が一方的に教えて学生がそれをなぞるのではなく、学生同士が教え合い、失敗を共有しながら学んでいくスタイルです。私からは、Googleクラスルーム上に参考動画をアップしておき、学生はiPadやスマートフォンでそれを閲覧しながら、プログラミングにチャレンジしていきます。ほとんどの受講生は初めてプログラミングに取り組む初心者ですが、「ああでもない、こうでもない」と言いながら、積極的に取り組んでくれています。

成功や失敗の画面を「Flipgrid.」という動画共有アプリを使って、シェアすることにも取り組んでいます。作成したプログラムを実際に動かしてみるときは、シミュレーション画面を「Flipgrid.」で毎回撮影してアップロードします。プログラミングは失敗を通じて学ぶことが多いので、クラスメイトとたくさんの失敗を共有できるのは、ICT活用のメリットといえます。

自立的な学びのためのICT

先ほどの例と関連しますが、たくさんの失敗と気づき、学びの成果を共有することです。ICTはそれを実現するのに適したツールだと思います。授業の中でのちょっとした部分を、ICTを使ってやってみるとどうなるだろう、といつも考えています。

最終的には、学生自身が自分なりの学びのカタチを見つけて、他者と協力しながら自立的に学び続けられるような人になってほしいので、そのためのきっかけを提供する役割を果たしたいと考えています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

石井 雅章(いしい まさあき)

神田外語大学

神田外語大学言語メディア教育研究センター(LMLRC)センター長・准教授。iPadを中心にICTを活用した授業や学習環境の構築に取り組む。2017年完成の同大学8号館「KUIS8」内の教室のICT環境構築に携わる。動画を利用した反転授業や「教えない」チーム・プログラミングの授業など新たな試みを実践中。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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