早稲田大学本庄高等学院 細 喜朗

2018年7月20日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

効率良く目標言語を学習するために

「CLIL」とは、Content and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)の略です。例えば、社会や芸術などの教科や異文化理解などのトピックを目標言語で行うことで、学習内容を理解させることを目指しています。

特に「CLIL」の重要な指針として四つのCがあります。その四つのCとは、1.Content(内容)、2.Communication(言語の使用)、3.Cognition(思考力)、4.Culture / Community(文化またはコミュニティー)の英語の頭文字を指して四つのCと呼ばれています。また、「CLIL」を取り入れた授業ではグループ活動が多く取り入れられます。

実践を通したCLIL型学習

前任校の千葉県立松戸国際高等学校では、CLIL型の授業テーマとして、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて「誰もが動きやすい国、日本」というプロジェクトを開始しました。具体的には、高校生の柔軟な発想で私たちの住む街をユニバーサル・デザイン化したいという内容です。

プロジェクトについての発表をする様子

また、生徒の今後の創作意欲向上を狙って、授業での生徒の発表や創作物を教室内にとどめるだけでなく、地元市民の方々の目にも触れてもらえる構成を目指しました。当時の学校長の働きかけで、松戸市役所の「東京オリンピック・パラリンピック推進課」と連携を取ることができました。その後、市役所の職員の方々の協力によって、生徒作品が外部メディアに触れる運びとなりました。このような機会に恵まれ、本講座を受講していた生徒たちの創作意欲は向上し、授業外の休み時間や放課後なども使って自発的に入念なグループ発表の準備をしていました。

プロジェクト後の生徒の反応としては「何かを創り上げるには、さまざまなことを調査し、協力することが大切だと身をもって体験した」「身の回りの物事の見え方が変わった」などの意見が多々ありました。

反転授業で思考力を身に付ける

始めに、本実践で工夫した点として反転学習が挙げられます。語彙(ごい)や文法知識を身に付けるといった知識・理解に該当する場面では、オンライン課題等を活用して事前学習させていました。そして、実際の授業では既に身に付けた知識・理解を活用して、話したり書いたりといった表現活動の充実により多くの時間を当てるよう心掛けていました。例えば、TEDトークを家庭で視聴し、授業中にそれぞれ学んだ内容についてグループ内で共有する活動などを行いました。

グループ内で学習を共有する現任校での様子

次に、意識していた点は先ほどの四つのCの一つである思考力を伸長させるため、教科横断型の創造性の高いプロジェクト型授業を目指していました。そのため、1コマの授業(50分)を準備するために対象となるさまざまな文献を読み込んだり、プロジェクト内容に精通した他教科の教員や専門家と連携を取ったりすることに気を配っていました。

これから目指すこと

思考力を高める効果があると考えられている三角ロジックの概念を、高校の英語授業に取り入れることです。これにより相手を効果的に説得させるための三つの能力「主張する」「データで裏付けをする」「理由付けをする」を高めることが可能かどうかを研究・検証することです。

この実践をすることで二つの成果が残ると考えました。一つ目は、三角ロジックの概念を高校における英語の授業に取り入れるための具体的な手法が明らかになること。二つ目は、生徒の毎日の学習経験や気づきを記述させるためのポートフォリオを作成することです。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

細 喜朗(ほそ よしお)

早稲田大学本庄高等学院

2008年から千葉の公立高校で10年間勤務。2013年7月には文部科学省 日本人若手英語教員派遣事業の機会に恵まれ、デラウェア大学大学院へ留学。2018年4月より早稲田大学本庄高等学院へ赴任。現在の研究課題は「高校における思考力向上を目指す指導法の研究」。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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