古河市立上大野小学校 薄井 直之

2018年10月19日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

まずは小規模校から。モデル校としてセルラーモデルのiPadを導入

古河市のモデル校となったことで、2015年9月に全児童に1人1台ずつ、職員用に10台のセルラーモデルのiPadが配備されました。上大野小は全校の児童数が100人に満たない、古河市の中でも小規模な学校です。まずはそこでiPadを導入し、授業の構成や活用場面を検討しようということでモデル校に選ばれました。

分かりやすく伝える。iPadを使ってプレゼンテーション力向上へ

「自分の考えを相手に分かりやすく伝える力」をプレゼンテーション力と位置付けています。プレゼンテーション力を向上させるため、児童が自分の考えを相手に伝える場面を授業の中にたくさん取り入れています。ペアでの話し合いやグループでの話し合いもプレゼンの一つだと考えています。

「相手に分かりやすく伝える」ことを常に意識したプレゼン

児童には「相手に分かりやすく伝える」ということを常に意識させるようにしてきました。話の構成を考えたり、一目見て分かるスライドを作ったり。そういった過程を通して、子供たちの思考力や表現力が向上してきていると感じます。また授業だけでなく、「朝の会」でもiPadを使ったスピーチの時間を取り入れるなど、普段から子供たちの発表する声が学校中に響いています。

おとなしかった児童たちが堂々と楽しんで発表するように

iPadを導入する前は、発表することに抵抗を示す児童も多く、こちらから指名しても拒否したり黙ったりする場面が見られました。発表でiPadを使うようになり、児童の意欲が高まってきたころに、「こうやって使うともっと伝わりやすくなるよ」と示すことで、「自分の考えって伝わるんだ」と実感を児童が持てるようになりました。そうして、自分の考えを整理したり話をしたりすることを楽しいと感じる子が増えていったようです。

「話をどのように構成すれば伝わるのか」「最後までオチは見せないようにしよう」といったことを考え、相手を楽しませるようなプレゼンもできるようになってきました。自分の考えをどうやって伝えるかということを常に考えているので、子供たちの聞く力も向上してきたように思います。

また、子供たちが「先生の話は分かりやすいのかどうか」という視点で聞くようになったため、教員の方も発問の仕方や声の掛け方を工夫しないと子供にダメ出しをされる場面も出てきました。おかげで、授業づくりや子供への声掛けという部分における教員たちのスキルも向上したように思います。

入学してきたときにはおとなしかった児童が、卒業式でいきなり自分の将来の夢やこれまでの思い、両親への感謝の気持ちを述べたことがありました。本人もそこに向けて一生懸命、発表の練習をしてきたんだなということが感じられ、とても感動的でいい卒業式になりました。

大勢の大人の前でiPadを手に堂々とプレゼンする児童たち

校内から学校外へ。子供たちの意見を外に発信する機会を

上大野小学校は単学級で人数の少ない学校ですので、聞く相手が固定されているため発表がマンネリになりがちでした。そこで、本校を中心に周りの学校の児童を呼んでプレゼンをしたり、他地域で行われているプレゼン大会に武者修行のように参加したりといった発表の機会を作ることに挑戦していきたいです。また、せっかくiPadを使っているので、テレビ電話を用いて他地域との交流をしながら、学校外へ子供たちの意見を発信させていけたらと考えています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

薄井 直之(うすい なおゆき)

古河市立上大野小学校

2012年度より茨城県古河市立上大野小学校に勤務。2015年度から2017年度まで古河市教育ICTエバンジェリストに任命され、古河市へのタブレット導入の際にファーストペンギンとしてICT機器の活用方法を検討してきた。2016度からは第42回パナソニック教育財団特別研究指定校として、児童のプレゼンテーション力の向上を図る実践に取り組んだ。「児童の言葉」を大切にしたプレゼンテーションの実現を目指している。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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