三田国際学園中学校・高等学校 芥 隆司

2019年1月18日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

海外の授業事例を学ぶ中で出会った、ICTを活用したグループワーク

教師が数学の解き方を教えて、生徒が問題を解けるようになる。それで「数学ができるようになった」という考え方に、以前から疑問を持っていました。数学的思考やスキルは世の中のさまざまな場面で活用されているのに、そういったことが伝わっていないと感じていたのです。

三田国際学園で世界標準の教育を目指し、海外の授業事例などを学んでいく中で、ICT を使ったグループワークに出会いました。「これからの実社会に通用する。何て素敵な授業なんだろう」と感銘を受けたのです。それ以来、これを数学の授業で行いたいと思うようになりました。

生徒主体の授業を実践し「数学を教えない先生」に

インターネット上には、Webサイトや動画などさまざまな数学の教材があります。数学の問題を解く知識を学ぶだけであれば、学校で学ぶ必要がない時代になってきているのです。そこで学校では講義や板書を減らし、生徒の主体性に主眼を置くことが大事なのではないかと考えました。

生徒の主体性に主眼を置いたグループワーク中心の授業

私の授業では「iTunes U」を使って学習内容を体系化し、そこに教材や解答を添付しています。単元によっては表計算ソフト「Numbers」のシートやオリジナルのデジタルブックを添付して、板書をゼロにすることもあります。そして全ての授業をグループワーク形式の話し合いで進めています。おかげで生徒たちからは「授業で数学を教えない先生」と言われるようになりましたが、生徒たちはとても満足そうに学習しています。

現実社会につながる問いかけで生徒たちの創造性を引き出す

三田国際学園では「相互通行型授業」と呼ばれるアクティブラーニングを実施しています。「トリガークエスチョン」と呼ばれる問いかけを行い、「仮説→検証→討議→発表」のサイクルで授業を展開。数学科では、現実社会や自然界につながるようなトリガーを投げかけます。

例えば、「なぜバラによって愛の言葉が心に届くのか?」という問いかけに対し、黄金比を使って検証やディスカッションをします。その中でiPadを用いたクリエイションを取り入れていくわけです。このような授業を通して、生徒たちの創造性やコミュニケーション力などのスキルが高まることが分かってきました。

最近では、Appleから「Everyone Can Code」だけでなく、「Everyone Can Create」というラーニングプログラムがリリースされています。これを活用することで、検証やアウトプットの部分が以前よりもとてもやりやすくなりました。

Appleのラーニングプログラム「Everyone Can Create」を活用

生徒たちの不安に寄り添い、社会に通用する数学力を

ICTを使った取り組みの副産物として、生徒たち自身が学習方法を構築することによって自己肯定感が高まり、数学を頑張るようになりました。これからの時代に不安を抱えているのは、我々教員よりもむしろ生徒の方であり、このような数学の授業に飢えていたのではないかと感じています。

今、「Everyone Can Create」や「Challenge Based Learning」など、ICTを使った数学をさらに進化させた取り組みをしています。自立した学習や社会で通用する数学力をどのように生徒に身に付けてもらうか。これからも挑戦していきたいと思っています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

芥 隆司(あくた たかし)

三田国際学園中学校・高等学校

数学科教諭(進路学習指導部ICT担当)。数学にICTを用いることで「効率化」「生きる力(創造性)」「つながる力」を育むことに情熱を注ぎ、さまざまな取り組みを行っている。バスケットボール部顧問も務めており、コーチ、審判、プレーヤーとしても日々奮闘している。2017年に「Apple Distinguished Educator」の認定を受けた。座右の銘は「有難し」。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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