日本大学高等学校・中学校 田中 忠司

2019年3月15日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

アクティブラーナーを育てるツールとしてのICT

「学校とは“未来を生きる人材を育てる場所”である」というのが日本大学高等学校・中学校の考え方です。すさまじい速さで変化していくこの社会を生きていくためには、生徒だけでなく、彼らを指導する先生自身もアクティブラーナーになることが大切だと考えています。

次期学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」(=アクティブ・ラーニング)がうたわれたこともICT導入の追い風になりました。既にさまざまな改革が進行中でしたが、アクティブラーナーを育てるには「いつでも」「どこでも」「自ら」学習できる環境を整える必要があり、そのためのツールとしてのICT環境を整備することになったのです。

1人1台のiPadが失敗を恐れず挑戦する生徒を育てる

セルラーモデルのiPadを採用。授業内外で幅広く活用している

「LTE / Wi-Fiモデル」のiPadを採用しており、通信が途切れるといったストレスはありません。学校の中ではWi-Fi接続、学校の外ではLTE回線を利用することでiPadを「いつでも」「どこでも」活用できる環境にあります。

日々の授業での活用はもちろんのこと、課題の配信や回収、保護者への連絡でもiPadが使われています。また、総合学習や特別活動、部活動、自主的な学習など、学校生活全体で幅広く活用されるようになってきています。

学校配布のiPadはMDM(Mobile Device Management)を利用して一定の制限をかけてはいます。しかしそれは、生徒の私物スマートフォンでできることと、学校で配布しているiPadでできることを区別するためのものです。

“One to One”のiPad環境が整うことで、以前と比べて失敗を恐れず、「つべこべ言わずやってみよう」という生徒が増えてきていると感じます。失敗を繰り返しながら成長できることこそ、学校の大切な役割だと考えています。

中学生が日大に体験学習。iPadがもたらすアダプティブな学び

「生徒の学びに対する姿勢」の変化を促すため、学校行事の見直しを行いました。狙いの一つに「本物を体験させたい」という思いがあります。日本最大級の規模を誇る日本大学のスケールメリットを生かし、中学生たちが日本大学の各学部を訪問する体験学習プログラムはその代表例です。

それぞれのプログラムでは、普段の授業が大学での専門的な学びにつながるということを、生徒自身に肌で感じてもらえるよう工夫されています。また、文系・理系問わず多くの体験を通じて、生徒自身が興味関心や適性を見定めるきっかけとなっているようです。

この体験学習の際にも、iPadは必要不可欠なツールとなっています。事前の調べ学習や体験学習の中での活用。事後学習や訪問報告会でのプレゼンテーションなど、iPadがあることで生徒一人一人がアダプティブに学びを深めていけるようになりました。

体験学習プログラムではiPadが学びのための不可欠なツールに

ICTというツールを使ってどんな教育を実現したいかがポイント

ICT環境の整備を始めた当時は何もかも手探りの状態でした。試行錯誤という点では今でも同じような状況ではありますが、「現場で何をしたいのか」「どうすれば実現できるか」を考え、さまざまな情報を集めながら推進しています。

私が尊敬している先生たちがよく口にする言葉に、「ICTは【いつも】【ちょっと】【トラブル/使える】」というのがあります。ICTはあくまでツールです。そのツールを使ってどんな授業を実現したいのか、どんな教育活動を実現したいのか。この部分をよく考えたうえで導入・推進することが大切ではないでしょうか。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

田中 忠司(たなか ただし)

日本大学高等学校・中学校

担当教科は「英語」と「情報」。小・中・高の教員免許を取得している。2015年より学校内ICT環境構築の中心役を担っており、1人1台のiPad、全教室へのプロジェクター設置、校内Wi-Fi・オンラインストレージ完備の環境を実現。また、学校内におけるアクティブラーニング型授業推進役として、各種研修会や校内研究授業の企画・運営をしている。学校外では、世界最大の教育SNS 「Edmodo」のCertified TrainerおよびJapanese Translatorとして活動している。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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