境町立長田小学校 菅原 俊彦

2019年4月19日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

異動で大きく変わった環境。ICT活用で気を付けていることとは?

前任校の古河市立古河第五小学校では、全児童が1人1台のiPad(LTE対応モデル)を持ち、全教室に電子黒板または大型ディスプレイが配備されていました。一方、現在の勤務校である境町立長田小学校では、学校全体で40台のWindowsタブレット(Wi-Fiモデル)と大型ディスプレイが4台という環境です。

Windowsタブレットを活用した授業の様子

そんな新たな環境の下、「シンプルかつパワフルなICT活用」を心掛けた授業づくりをしてきました。言い換えれば「最小の準備で最大の効果を発揮する活用」です。授業を通して、そんなICT活用を試行錯誤を繰り返す手探りの1年間だったといえます。

制約が多くできることが限られている環境だからこそ、逆にできることが焦点化され、教育効果の高い活用方法に特化して磨き上げることができたと感じています。「ICTがなくても子供が夢中になる授業」「ICTがあれば負担軽減・効果倍増の授業」を目指して日々取り組んでいます。

勝負は最初の15分。ICTを使った「見える化」で子供たちの心をつかむ

プレゼンテーションアプリで児童に授業の流れを説明したり、デジタル教科書を使って児童が見ているものと同じ画面を大型ディスプレイに映したりしています。単純なことですが、この「見える化」の効果は非常に大きいと感じています。

私の授業では、授業の始めの15分が基礎基本の定着や説明、その後に演習を行うのが基本パターンになっています。この最初の15分で、いかに子供たちの「やりたい」「これならできそう」という気持ちに火を付けられるかが勝負。そこでICT機器を活用して「視覚に訴える」ことで、情報にインパクトを持たせることを大切にしています。

教師の説明のみを耳から受け取る15分と、ICT機器を活用して目からも耳からも情報を浴びる15分とでは、児童が受ける刺激や理解の定着度には大きな差が生まれます。情報にインパクトを持たせ心を動かすツールとして、ICT機器は最強の道具だと考えています。

大型ディスプレイを用いた授業の「見える化」

異動等に伴うICT環境ギャップに負けない教師になるための三つのポイント

まずは「負担軽減・効果倍増」の活用法を見つけることです。教育効果が高くても準備が面倒だったり操作が複雑だったりすると、いずれ活用しなくなります。だからこそ、いつでも、誰でも、どの教科でもできるような「簡単・シンプル」な活用からスタートする必要があります。

個人的には、前述のプロジェクターまたは大型ディスプレイを用いた「見える化」がおすすめです。「簡単・シンプル」な活用方法から始めて、試行錯誤をする。授業にマジックはありません。日々の積み重ねや毎日0.1mmでもいいから成長しようとする姿勢が大事ではないでしょうか。

次に、「ICT環境に依存しない確かな授業力」を磨くことです。学校ごとに環境が違うのは当たり前。ICT環境が変わった途端に授業の質が低下してしまうようではいけません。環境に左右されない確かな授業力を磨くこと。その上にICT活用の効果が上乗せされる授業づくりが理想だと考えています。

最後に「日々の積み重ね」です。一つのパターンでも使い倒していくと、その活用が洗練されていき、よりスタイリッシュになっていきます。つまり達人化していくわけです。あれこれ手を出すのではなく、できることを極めていく。いわば「黄金の1パターン」を見つけることが、環境に左右されないICT活用への近道ではないでしょうか。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

菅原 俊彦(すがわら としひこ)

境町立長田小学校

前任校である古河市立古河第五小学校において研究主任を務める。文部科学省や総務省のプロジェクトに複数携わる中で「最小の負担で最大の教育効果をもたらすICT機器の活用方法」を探究。その成果の普及に努めた。2016・2017年度茨城県教育研修センター「教育の情報化に関する研究」研究協力員として活動。2018年度より境町立長田小学校に異動。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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