東京成徳大学中学・高等学校 廣重 求

2019年8月16日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

世界で有数の革新的な教育機関としてAppleから認定

東京成徳大学中学・高等学校は創立94年になる中高一貫校です。生徒も教員も1人1台のiPadとApple Pencilを持ち、授業はもちろんのこと学校行事や部活動など、さまざまな場面でテクノロジーを活用した「教育改革」に取り組んでいます。

そして、2018年には「Apple Distinguished School(ADS)」の認定を受けました。ADSは、テクノロジーを活用した世界で有数の革新的な教育機関であるとAppleが認定したもので、世界に470校、日本では7校が認定を受けています。

日本に7校のみのADSに認定された東京成徳大学中学校

AppleというとiPhoneやMacが有名ですが、40年にわたって教育に力を入れている企業でもあります。iPadやMacなどのデバイス、映像・音楽・スケッチ・ARといったクリエイティブなアプリケーションを活用することで、世界中の教育機関で「学び方」の変革が起こっています。

「教科書を作ろう」から始まった予想外の変化

中学1年生の始めに「正負の数」を習うのですが、単元を一通り学習した後で「自分で教科書を作ってみよう!」と生徒たちに呼びかけました。iPadのアプリケーションやApple Pencilを使って、「面白い教科書を作ってみよう」という取り組みです。

実際にやってみると、予想外のことが起こりました。勉強嫌いな子が夢中になってWebサイトや学習動画を読みあさったり、普段はおとなしい生徒がすごいものを作ってみんなを驚かせたり。これまでスポットライトが当たらなかった生徒が輝く瞬間が生まれたのです。

また生徒同士が教え合う時間が増えました。互いに質問したり解説したりする雰囲気が出来上がってくると、先生は必要なくなってきます。放課後に補習を行った際にも、何人かの生徒が自主的に教えにきてくれて、私の出番がなくなってしまいました。これにはすごく感動しました。

自ら教科書を作ることで主体的な学びが生まれる

先生同士が互いに刺激し合う空気が新たなアイデアを生み出す

ある部活の顧問の先生と「試合のビデオを撮って、編集して、分析して……結構大変なんだよね」という話をしていたときのことです。話しているうちに「それって、iPadで全部できるんじゃない?」「しかも、生徒全員で分担して共同作業でもやれるよね」ということに気付きました。

「すごい発見だね!」と二人で話していたところ、近くにいた先生から「それ、うちの部活で3年前からやっているよ」と衝撃の一言。職員室が一気に盛り上がりました。こんなふうに、私たち教員にとってもICTがあることで日々新たな発見が生まれているのです。

Microsoft TeamsをハブとしてFormsでCBTを受けている様子

「今日の授業ではこんな取り組みをした」「数学と英語でコラボレーション授業できないか」など、東京成徳の先生たちは互いに刺激し合っています。会議や研修会も大事ですが、日常的な会話こそ大切だというのが私の考えです。教務部長として、日ごろから話しやすい雰囲気を作ることを一番意識しています。

「チャレンジ」と「発信」が学びの可能性を広げる

科学技術の進歩、社会のグローバル化、価値の多様化など、私たちは大きな“変化の波”の中にいます。どうすればうまくいくのか、何が正解なのか、それは誰にも分かりません。分からないのであれば、「どれだけチャレンジするか」「どれだけ実行するか」が大切なのではないでしょうか。

波に乗るためには、大きな海に何度も飛び込んでいく「チャレンジ」が必要です。そして、自分たちの取り組み、考え方、アイデア、課題などを学校の外に向けてどんどん「発信」していくことが不可欠だと考えています。

授業で生徒が作った教科書をWeb上で公開してみる。それを見て刺激を受けた先生・生徒が新たな教科書を作って、さらにそれを見たほかの先生が……そんなふうに世界に面白い教科書があふれたらと想像してワクワクしています。これからの学校は、外に向けてどんどん発信していくことが求められるのではないでしょうか。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

廣重 求(ひろしげ もとむ)

東京成徳大学中学・高等学校

筑波大学(第三学群-社会工学類/蹴球部)を卒業後、国際子ども映画祭「KINDER FILM FESTIVAL」の企画・運営を行い、2008年より現職に就く。iPad等のICTデバイスを積極的に活用し、生徒たちの創造力を引き出す授業に取り組む傍ら、教務部長として教員間での実践共有やスキルアップの研修を行っている。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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