さつき株式会社 教育ソリューション事業部 鳥井 亮伸

2019年9月20日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

先生の声を吸い上げ開発する「電子黒板プロジェクト」との出会い

1992年にNEC(日本電気株式会社)に就職して以来、学校の担当や製品系の部署に所属してきましたが、電子黒板と深く関わることになったのが、政府が経済危機対策として発表した2009年の「スクール・ニューディール」の時です。日本全国に約30万台規模の液晶テレビや電子黒板が導入されました。

インパクトのある施策でしたが、後の「電子黒板離れ」を引き起こす原因にもなりました。当時はメーカーによって操作性にバラつきがあり、授業で使えるソフトも多くありませんでした。今のようにタブレットPCがある時代でもなかったため、先生方は相当のご苦労をされたと思います。

そんな中、大手商社による電子黒板事業への新規参入プロジェクトと出会いました。ユーザーの意見を吸い上げ製品を開発する。これまでと正反対の取り組みは、まさに目からうろこでした。私は先生たちの声をどうやって製品に反映できるか必死に考えました。こうして出来上がったのが電子黒板「コラボン」です。

「液晶ディスプレイ一体型」と「プロジェクター型」のメリット・デメリットとは?

電子黒板は「板面の文字情報を紙や電気的な情報として出力できるホワイトボードのこと」と定義されています。電子黒板を使えば、教科書や提示したい内容を簡単に素早く拡大表示し、見てもらいたい部分を焦点化できます。また、動きのあるコンテンツを表示することで、子どもたちの目を前に向けて集中させることができます。

電子黒板は、いわばタブレットPCの大型版です。使うことで授業が楽しくなり子どもたちの目がキラキラする、そんなツールだと考えています。そんな電子黒板ですが、大きく分けて「液晶ディスプレイ一体型」「電子黒板機能付きプロジェクター型」「ユニット型」「ボード型」という四つの種類があります。

「液晶ディスプレイ一体型」のメリットは、輝度の高さや高解像度(4K)、操作性、感度(追従性)が挙げられますが、最大の利点はスマホのように直感的に使えることです。一方、スタンド設置時に場所を取ること、画面サイズが決まっていることがデメリットといえます。

スマホライクに使える「液晶ディスプレイ一体型」の電子黒板

「電子黒板機能付きプロジェクター型」は、小さな筐体で投影サイズを大きくできるという利点があります。以前は価格的なメリットを耳にすることが多かったのですが、液晶ディスプレイの価格が下がってきたこともあり、最近では「液晶ディスプレイ一体型」と同等か逆転するケースも出てきています。

電子黒板を当たり前に使いこなしている中国の教育現場

中国では早くから電子黒板が導入されました。ほとんどの学校で黒板は観音開きになっており、開いた奥に「液晶ディスプレイ一体型」の大型電子黒板が組み込まれています。そんな環境で、行われている英語の授業を見学させてもらったのでご紹介したいと思います。

見学した中国の学校は、先生は中国人ですが質問は全て英語、答える子どもたちも当然のように英語でした。画面上に表示されたアイテムをタッチ操作で移動させたり、問題部分にペンで書き込みをしたり、さらには動画を使って説明をしたりと、電子黒板ならではの機能をフル活用して授業が進められます。

従来の黒板とチョークを使った授業では、「書く」「消す」を何度も繰り返す必要がありましたが、電子黒板では「消す」という操作をタップ一つでできます。消した画面を戻したければ「アンドゥ(Undo)」。反復する部分はあらかじめデータ化しておいて、一瞬で映し出すことが可能です。

また、分かりづらい箇所は動画やインターネットに接続して検索します。書画カメラと接続して教科書のページを表示、その上にマーカーで書き込みをするといった使い方もしていました。最後は保存して終了。次の授業で復習から始める際はデータを読み込むだけです。このように、全ての先生が当たり前のように電子黒板を使いこなしていました。

電子黒板が当たり前に使われている中国の教室

電子黒板を通じて作るワクワクする学びの未来

私たちが目指すのは、学校現場の現状を把握し、先生一人一人の思いにしっかりと寄り添った電子黒板です。電子黒板を通じて、あらゆる状況・立場にある子どもたちが、もっと自由に、楽しく、積極的に、学びの場に参加できる。そんなワクワクする未来を作りたいと考えています。リスナーの皆様にもぜひご意見を頂き、ワクワクする電子黒板を一緒に作っていけたらと思っています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

鳥井 亮伸(とりい あきのぶ)

さつき株式会社 教育ソリューション事業部

1992年にNEC(日本電気株式会社)に就職して以来、学校担当や製品系の部署を経験。2013年に大手商社の電子黒板事業プロジェクトと出会う。現在はさつき株式会社で電子黒板「コラボン」の事業責任者。あらゆる立場・状況にある人たちが、もっと自由に、もっと楽しく、もっとアクティブに学びの場に参加できる電子黒板を目指し、国内・海外を飛び回っている。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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