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九州の老舗醸造メーカーが、生産管理システムによる数値目標に基づき、モノづくりの業務改善に取り組む

マルヱ醤油株式会社 導入事例

2018年4月取材

製造業101~1,000名ERP・基幹業務・業務管理営業・業務プロセス効率化業務データの活用

福岡県みやま市に本社を構えるマルヱ醤油株式会社は、まもなく創業から100周年を迎える老舗醸造メーカーだ。地元で愛される醤油・味噌を造り続ける一方、近年は加工調味料にも力を入れ、現代人の嗜好(しこう)にマッチした人気商品を全国に発信している。800種類に及ぶ商品の生産管理や原価管理が大きな課題として浮上する中、同社は生産管理システムの導入を通し、ものづくりの現場を可視化すると共に、そこから得られた数値を全従業員が共有する環境を実現。それは数値に基づいた生産工程の見直しにもつながっている。

マルヱ醤油株式会社

導入先の概要

業種
食品製造業
事業内容
醤油・味噌・スープ・調味料・だし・つゆ・たれ・ドレッシングの製造販売
従業員数
150名(2018年4月現在)
ホームページ
http://www.marue-shoyu.co.jp/

お客様の声をご紹介

代表取締役社長 永江 隆志氏

「自社のシステム運用の形が一度できてしまうと、なかなか新しいアイデアは生まれないものです。それだけに、他社の事例はとても気になりますね。『Ryu-jin』ユーザーの方のお話をうかがえる機会があるとうれしいですね」

システム課 総務課 係長 松原 聖氏

「『CAB』には本当に助けられています。『SMILE BS 2nd 会計/給与』の方でも、『CAB』を経営陣が求める帳票出力に活用しています」

大塚商会担当者からのコメント

「これからもお役に立つ提案を続けていきます」

アポもなしに訪ねた私を温かく迎えてくれたあの日から早10年。基幹業務システムが当社提案のシステムで統合化されたことはまさに感無量です。それに満足することなく、マルヱ醤油様がさらに先に進むお手伝いをすべく、これからも努力していきます。

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導入事例詳細

食卓の変化に応じた新製品で、成長を続ける百年企業

生揚(醤油の原液)から自社工場で手間暇かけて造ることがマルヱ醤油のこだわり

マルヱ醤油株式会社(以下、マルヱ醤油)は、福岡県みやま市に本社を構える醸造メーカーだ。独自の食文化が根付く九州において、同社の商品は長年にわたって親しまれてきた。その一例が“しょんしょん”という一風変わった名前のロングセラー商品だ。「醤油の実」を指す地元の方言を商品名にしたこの商品は、大豆と大麦、特別に調合した醤油を原料にした、昔ながらの味もろみであり、きゅうりや焼き魚に添えたり、納豆に混ぜたり、白飯に乗せたりとその食べ方は多彩だ。特に福岡、熊本両県では、その食べ方に一家言持つ人も多いというまさに地域密着型商品だ。

同社の原点である江浦醤油醸造株式会社が設立されたのは1921年。まもなく創業100周年を迎える老舗企業が設立された背景には、地域雇用の確保という課題があった。国内有数の穀倉地帯である筑後平野の南端に位置するこの地域では、かつて農業を継ぐ長男以外は地元を離れざるを得ない状況が続いていた。それを地域の損失と受け止めた地元有志が、雇用確保のために資金を出し合って設立したのが同社だった。出資者の中核になったのは、当時地域の主要産業の一つであった造り酒屋だったという。

収益追求や効率化のため、生揚(醤油原液)製造を共同で行う形が一般化している中、醤油、味噌共に麹づくりから充填(じゅうてん)、パッケージングまで一貫して自社で行うことも同社の特長だ。生産拠点は、みやま市と朝倉市の二カ所。みやま工場は醤油やドレッシングなどの液状物、朝倉工場は味噌中心という役割分担が図られている。
日本人の食卓の変化は、調味料にも及んでいる。食の簡便化に伴う基本調味料の市場縮小と、誰でも手軽にプロの味が楽しめる加工調味料の市場拡大は、マルヱ醤油の経営にも大きな影響を与えている。こうした中、同社は、地域の嗜好に特化した醤油、味噌の製造を継続する一方、全国をターゲットにしたドレッシング、鍋スープなどの加工調味料の開発にも積極的に取り組んでいる。代表取締役社長の永江 隆志氏は、その取り組みをこう説明する。
「スーパーに自社の棚が確保されている地元と違い、そうした基盤がない首都圏や京阪神でシェアを獲得する上でまず必要になるのは魅力的な新商品です。商談の糸口を作るという意味でも、新商品を毎年市場に投入しています」
こうした取り組みは、ブイヨン系の洋風だしに広島産のレモンで爽やかな香りと酸味を加えた「レモン鍋スープ」など新たなヒット商品にもつながっている。現在の売上比率は、醤油3割、味噌3割、加工調味料4割。加工調味料の売り上げ拡大は、同社のさらなる成長にもつながっている。

信頼できる数値を得るため、生産管理システム導入を決断

端末を工場内にも配置し、ほぼリアルタイムで情報が更新される

マルヱ醤油の商品数は、家庭用から業務用まで約800種類に及ぶ。毎年新商品を投入し、市場の反応を見極めてスクラップ&ビルドを繰り返す関係上、商品ラインアップが常に入れ替わることも特徴の一つ。昔ながらの製法で醸造した醤油、味噌を原材料に、多様な商品に枝分かれしていく加工調味料の工程の複雑さもあり、生産体制の見直しは常に後手に回らざるを得ないのが実情だった。
特に大きな課題になっていたのは、原材料として入ってきたモノの量と商品として出ていくモノの量の相関が見えない点だった。微生物の働きによって作られる発酵食品である醤油や味噌づくりでは、発酵熟成やろ過、火入れ、容器充填などの工程におけるロスが比較的大きな割合を占める。かつて同社は入出庫をExcelで管理していたが、それだけでは商品ごとのロス率は見えてこなかった。生産管理システム導入の検討を開始した2008年当時、管理部長だった永江氏は以前の状況をこう振り返る。
「Excelのデータは、メモ書きを入力した程度のものでした。生産体制を見直そうにも、信頼できる数値が存在しないため、どこから手をつければいいのか分からないというのが実情だったのです。その改善には生産管理のシステム化が不可欠と判断しました」

信頼に足りる数値を永江氏は“正の数値”と呼ぶ。昔ながらのやり方で管理されてきた工場への生産管理システムの導入は、“正の数値”を得る挑戦でもあった。こうした中、飛び込みで訪れて以来、繰り返し同社に足を運んでいた大塚商会の営業担当から提案を受けたのが繰返・量産型生産管理システム『遉』だった。他社製品との比較検討のうえ、同社は2008年12月に『遉』(『生産革新 Ryu-jin』の旧製品名)導入を決断。800種類に及ぶ商品ラインアップをカバーできる多品種少量ロットへの対応力に加え、打てば響く、営業担当の高いコミュニケーション能力も高く評価したという。

“正の数値”が工場スタッフの意識改革にも貢献

初めての生産管理システム導入は、苦労の連続だった。だが“マスター”の意味を理解することから始めたという『遉』導入は、その苦労に見合う成果を挙げている。永江氏の“正の数値”が得られたことは、第一に挙げるべき効果と言えるだろう。
その一つが原価実績だ。2009年12月の『遉』本稼働によって得られた原価実績は、従来の原価試算から大きく乖離(かいり)したものだった。
「ふたを開けてみると、赤字で販売していた商品も少なくありませんでした。私は、赤字を前提にしたセールスもありと考えていますが、理由もなく赤字では話になりません。原価が可視化できたことは、狙いを絞った販売戦略の立案を可能にしています」

マルヱ醤油におけるシステム構成

部門を問わず原価を把握できる環境を整備したことは、製造部門の意識改革にもつながっている。
売り上げという数値目標が常に存在する営業部門と違い、製造部門の場合、明確な数値目標は設定しづらい。生産管理システムが未整備の場合、それはなおさらのことだ。
「私が“正の数値”が必要であると考えた理由もそこにあります。『遉』導入により、目標を数値として投げかけられるようになったことは、現場で働くスタッフ一人ひとりの意識改革にもつながっています」
また、マスター整備を通して、これまで分散的に管理されてきた工場内の情報の一元管理が実現したことも『遉』導入の効果の一つだ。これを永江氏は“工場内の情報の棚卸し”と呼ぶ。その効果は、原材料在庫、仕掛かり在庫、製品在庫の最適化や期末の棚卸しの迅速化につながっている。

数値を活用するための仕組みを構築

システムが蓄積する“正の情報”が従業員の意識改革にもつながった

マルヱ醤油は2014年、『遉』から『生産革新Ryu-jin』にバージョンアップしている。もともとノンカスタマイズで導入運用していたこともあり、移行はスムーズに進んだという。また2012年には『SMILE BS 2nd 販売』、2017年には『SMILE BS 2nd 会計/人事給与』を導入し、基幹業務システムの一層の強化を実現。その背後にあるのは、利益を上げられる企業体質づくりに向けた数値の活用という課題だ。システム選定を担当したシステム課 総務課 係長の松原 聖氏はその狙いをこう説明する。
「販売管理システムのリプレースに当たっては3社の製品を比較検討し、大塚商会が提案した『SMILE BS 2nd 販売』を選定しました。カギになったのは、カスタマイズなしに帳票類が自由に作成できる『CAB』の存在でした。どのようなシステムでも、現場のニーズに既存帳票だけで対応するのは困難です。必要に応じて帳票を作成できることは、大きな意味を持つと判断しました」

『CAB』は、SMILEシリーズ内のデータを使い、多種多様な帳票やテキスト出力、各種解析やグラフ出力ができる開発ツールだ。その運用には一定のITスキルが必要になるが、以前の販売管理システムのソースコード書き換えなども行ってきた松原氏にとり、その運用はそれほど難しくなかったという。
「『CAB』の仕組みは、比較的分かりやすかったですね。大塚商会さんのサポートに『こんなことしたいんだけど』と相談しながら、一つ一つその運用方法をマスターしていきました。現在は、営業部門の要望に応じて新帳票をレイアウトするほか、必要なデータをテキスト形式で出力し担当者に渡す形で運用しています」

『SMILE BS 2nd 会計/人事給与』選定で大きな意味を持ったのは、『Ryu-jin』との連携だった。マルヱ醤油にはホーム食品という主に加工食品の製造を担う子会社があるが、両システムの連携によって、自社工場で製造した商品とホーム食品からOEM供給を受けた商品を自動的に切り分けて会計処理する環境が実現している。
「昨年、経理部門の責任者が退職したため、10年ぶりに年次決算に深く携わったのですが、作業は驚くほど楽でしたね。決算に必要な数字を取り出すのは難しいというイメージがあったのですが、条件を指定すればすぐに取り出せるため、スムーズに作業を行うことができました」(永江氏)

生産管理システムの導入は、ロットトレースをはじめとするより高度な品質管理の実現にも貢献している。こうした状況を受け、マルヱ醤油は現在ISO9001の取得に取り組んでいる。永江氏はその理由をこう説明する。
「ISO9001取得だけであれば、これまでもできたはずです。しかし、かつてのように決められた作業をただ繰り返す状況であれば、現場の負担が増えるだけだとも感じていました。数値に基づく工程の見直しにより、経営参画への意識が高まった今は話が違います。ISO取得は、意義のある取り組みになるはずです」
生産管理システム『遉』導入から始まった同社の挑戦は、百年企業の新たな歴史の基盤として結実しようとしている。

今回導入した製品・サービス・ソリューション

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  • 印刷して、上司への説明に。
  • 印刷して、稟議書に添付して。
  • 印刷して会議資料に。

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  • * 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞等は取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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