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総合建設コンサルタントが3次元土木設計ツールを活用。CIMに対応する「3次元設計の標準化」を推進し、VR/ARを取り入れたプレゼンテーションを展開

サンコーコンサルタント株式会社 導入事例

2017年11月取材

建設業101~1,000名CAD(設計支援ツール)研修・人材育成営業・業務プロセス効率化経営基盤強化・リスク対策

東京都江東区に本社を置くサンコーコンサルタント株式会社は、日本の社会基盤整備に広く貢献する総合建設コンサルタントだ。10年以上前から3Dデータの活用に取り組む同社は、2011年に3Dスキャナー、2013年にはUAV(ドローン)を導入。その経験と実績を生かし、国土交通省によるCIM構想に対応するべく、実案件を通じて3Dデータの活用を提案している。地域住民への説明会でもVRやARを活用し、3次元情報の可視化によって合意形成が得やすくなることを証明。CIM活用の可能性を見出した同社は、社内に広くCIMスキルを普及させるための取り組みも行っている。

サンコーコンサルタント株式会社

導入先の概要

業種
建設コンサルタント
事業内容
河川、砂防及び海岸・海洋、道路、上水道及び工業用水道、下水道、造園、都市計画及び地方計画、地質、土質及び基礎、鋼構造及びコンクリート、トンネル、施工計画、施工設備及び積算、建設環境、機械、電気電子
従業員数
337名(2017年7月現在)
ホームページ
https://www.suncoh.co.jp/

お客様の声をご紹介

技術第二部 水工課 課長 小松 勝彦氏

「3次元土木設計ツールを用いた3次元データの活用は、発注者との情報共有をスムーズにするだけではなく、地域住民の方の合意形成にも役立ちます。今後のCIMの本格的な普及に備え、そのためのスキルを社内に定着させることが急務です」

東日本支社 環境部 空間情報技術室 室長 保坂 俊明氏

「3次元土木設計ツールを実案件で活用し、さまざまな可能性と課題が見えてきました。建設業全体の生産性向上を実現するために、CIM活用のノウハウの標準化を進めることが不可欠だと思います」

大塚商会担当者からのコメント

「さらなる事業成長に向け、システム活用をしっかりサポートします」

CIMに関する業界全体の動向なども含めた豊富な情報をご提供し、さらなるシステム活用を万全の体制でサポートしていきます。

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サンコーコンサルタント株式会社 導入事例(PDF:1,214KB)

導入事例詳細

持続可能な社会づくりに貢献する総合建設コンサルタント

地質調査、道路、河川・上下水道などの土木設計から、まちづくり、環境、海外事業コンサルティングまで、幅広い業務を展開

「人と環境との調和を大切にし、技術を軸として豊かな価値を創造し、社会の進歩発展に貢献する」を企業理念とするサンコーコンサルタント株式会社(以下、サンコーコンサルタント)は、1961年に設立された創業56年目の総合建設コンサルタントだ。
建設コンサルタント業界の草創期において創業したサンコーコンサルタントは、地質分野、土木分野に特化した技術サービスの提供で出発。その後、移りゆく時代の中で、我が国が常に健全な国土を保ち続けていけるよう、地質や土木分野だけに特化せず、社会資本整備に係るあらゆる技術サービスを行う「総合建設コンサルタント」として発展した。
現在では、地すべりや地震などに対する防災・減災や、資源開発のための調査、分析を行う「地盤調査・防災部門」、生活に必要な社会資本整備を設計により具体化する「道路・構造物・トンネル部門」、治水・利水対策や河川の保全・活用、都市生活に欠かせない上下水道整備、維持管理を行う「河川・海岸・砂防・上下水道部門」、都市計画、公園づくり、地域活性化などまちの楽しさやにぎわいを創出する「都市・地域部門」、自然環境、生活環境、地球環境の保全、創出のための調査、検討を行う「環境部門」からなるさまざまな技術サービスを展開。それぞれに高度な専門知識とスキルを持つ多数の技術者を擁する。

同社は最先端技術の活用にも意欲的だ。一例として、高解像度画像を取得できるデジタルカメラが搭載されたマルチコプター型UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)をいち早く導入し、主に災害状況の把握のほかさまざまな現場で利用している。このUAVで得た高解像度画像から3次元モデルデータや高密度点群を生成できるため、現地の地形や植生状況をより詳細に分析することを可能にする。
環境の変化による自然災害の増加や、多様化するまちづくりのニーズに伴い、建設コンサルタントの社会的使命が高まりを見せる中、半世紀以上にわたり社会資本の整備に尽力してきた同社の強みは、高い技術力と「川上から川下まで」一貫してカバーできるコンサルティング体系にある。そして、企業コンセプトである「豊かな企画力」、「的確な調査力」、「高度な設計力」、そしてこれらを紡ぐ「チームワーク力」を武器に、持続可能な社会づくりに貢献している。

国のCIM構想に先立ち3次元モデリングを積極的に導入

国土交通省は、計画、調査、設計段階から 3次元モデルを活用するCIM(Construction Information Modeling / Management)の導入を推進している。最先端の ICTを活用した効率的で質の高い建設生産システムが構築されれば、施工時のミスや手戻りの大幅な減少、単純作業の軽減、工程短縮等が実現するとして、将来的には施工、維持管理の各段階においても 3次元モデルを活用する意向だ。
サンコーコンサルタントでは、国のこうした動きに先立ち、かなり以前から3次元モデルの積極的な利用に取り組んでいる。
「大塚商会さんとは、オートデスクの『AutoCAD 』の時代から取引しています。2006 年には、『AutoCAD Civil 3D』を採用。その際、地質解析に特化したアドオンソフト『GEORAMA for Civil 3D』もあわせて導入しました」と語るのは、空間情報技術室長の保坂 俊明氏だ。
その後も、3Dスキャナーや前述のUAVを導入するなど、同社は常に先進的な3D活用を進めてきた。3次元土木設計ツール『Autodesk Infrastructure Design Suite』(現在は、AEC Collection『Autodesk Architecture, Engineering & Construction Collection』に変更)もリリース直後から利用しているが、そうした3次元モデルに対する取り組みは、各部門が必要に応じて個別に推進してきたという。

ユーティリティ、土木、インフラストラクチャーなどさまざまなプロジェクトの実現性や影響を多角的に把握できる。CIMの実現をサポートする3次元土木設計ツールとして活用範囲は非常に広い

国交省がCIM構想を打ち出したのを機に、全社的に本格的に3次元モデルを活用する方針が打ち出され、2015年8月より大塚商会の主催する『CAD企業スクール』を受講。その後、国土交通省北海道開発局からの受注案件において技術提案をしたのが、同社がC IMを実践した最初の事例となった。その提案はあくまでも同社がサービスの一環として行ったもので、CIMに取り組むうえでの課題を見つけることが目的だったという。
「最初の案件では、航空レーザー測量データ(LP)3次元モデルを作り、施工ステップ図を作成しました」と話すのは、東日本支社 技術第二部水工課長の小松 勝彦氏。担当した社員がトライ&エラーを繰り返しながらの試行により非常に時間を要したが、結果的に設計段階までCIMの適用が可能なことが確認されたという。

業界全体のCIMの取り組みがまだそれほど進んでいない時点でそうした成果が得られた背景には、早くから3DスキャナーやUAV、『AutoCAD Civil 3D』を用いた3次元データの活用に取り組んできた同社ならではの経験の蓄積があるといえよう。

プロポーザルの試行業務を通じてCIMの可能性を模索

同社が本格的にCIM案件を手掛けたのは、国土交通省北陸地方整備局の堤防設計業務においてである。
「プロポーザル方式の試行業務となったその案件では、単に3次元モデルを作るだけではなく、CIM活用における課題を抽出し、それを発注者にとって有用なデータとしてまとめることを大きな目的としました」と小松氏。
本案件は長さ2.3k mの築堤設計のために、地上レーザーによる膨大なデータ量の測量データをモデル化する必要があった。
「航空レーザーの測量データのピッチは1メートルピッチ単位なのに対し、地上レーザーのピッチは25cm単位です。これらのデータの整合性を取り、どうハンドリングするかに、担当者たちは腐心しました」(小松氏)
最終的な目標は施工に用いられるLand XMLデータの作成で、築堤の坂路や堤脚水路などをいかに表現すべきかが大きな課題となった。
地上レーザーによるデータ、航空レーザーによるデータなどを組み合わせたCIMデータを作成していく過程で明らかになったのは、3Dデータにはこれまでの通常の測量作業では得られない多くの情報が含まれ、これを利用することが現場状況をより詳細に把握できたり、発注者との協議や会議での情報共有がスムーズになったりするツールになり得るということだったという。

地元住民への説明会にも3次元モデルを活用。3次元データをオートデスクの『InfraWorks』で加工し、現況と施工後の様子をスマートフォンで見られるARでプレゼンテーションを行った

「CIMにおける現況3Dデータは雑木や草など地形上のノイズを除去したものですが、ノイズも含むオリジナルデータが有用だということが分かりました。例えば地元住民の方から『あの桜の木は残して欲しい』といった要望が出た際、オリジナルの3Dスキャンデータを参照することで対応できました。また、建物は庇(ひさし)や階段といった部分が重要なコントロールポイントになることがありますが、平面図には表現されないそうした箇所を把握できるのも、オリジナルデータの利点です」と保坂氏。
同社はこの案件において、地元住民への説明会にも3次元モデルを活用した。
「以前、この案件の下流域での住民説明会でVR(Virtual Reality)を用いたプレゼンテーションをした際、CG画面をさまざまな角度から示すと『目が回る』といった声が出されました。そこで今回は3次元データをオートデスクの『InfraWorks』で加工し、現況と施工後の様子をスマートフォンで見られるAR(Augmented Reality)によるプレゼンテーションしたところ、分かりやすいと大変好評でした」(小松氏)
3次元情報の可視化で地元住民の合意形成が得やすくなることを証明したことで、CIMの有用性を発注者に対して示すことにもつながった。

こうした一連の取り組みが評価され、小松氏は「優良建設技術者表彰」を、同社北陸支店は局長表彰を受けるに至った。

CIM活用の基盤を社内に構築し生産性向上を追求

CIM試行案件では、発注者に提示した3次元モデルの資料が見やすいと評価された。しかしその一方で、CIMデータを設計段階の先にある実際の施工や維持管理にどう生かすべきか、方向性がまだ定かではないという課題もあるようだ。施工ステップ図を作成し、施工段階ごとに必要な土量や機械などの属性情報を添付したが、全ての情報を共有することができないという問題に突き当たったという。
「3D PDFのデータを提供しましたが、発注者の側にそれを閲覧できる環境が完全には整備されていないようです。CIMの本格的な推進には、国や業界が一体となって、3次元データをどう利用していくかベクトルを合わせる必要があると思います」(小松氏)
河川関連は既設構造物を生かしたストック活用型が多いが、過去の補修・補強情報なども合わせて維持管理にどんな属性情報をどのような形で提供するべきか、「ベンダーとも協力して模索していきたい」と両氏。
図面データの電子納品は以前からなされているが、3Dデータはそれとは別に作成する必要があるのが現状だ。「作成した3Dデータから2DCAD図面が生成されるなどの機能がソフトウェアに実装されれば、真の意味で生産性の向上につながる。このあたりをさらに押し進めてもらえれば」と両氏は今後の希望を語った。
そんな中、CIMデータが発注者も交えた情報共有を円滑化したことは、大きな収穫となった。将来施工段階においてもCIMが活用されるようになることは間違いなく、それに備えて同社はCIMに関するスキルを社内に水平展開する取り組みをスタートさせている。2016年からは、大塚商会の『CAD企業スクール』で学んだ社員が講師となっての社内勉強会を開催するようになった。この勉強会には、グループ会社の社員も参加しているという。
「今後CIMの活用によって生産効率をどう高めていくか、また発注者側のIT利用環境をどう整備するべきかなどについて、ベンダーの視点からの有用な提案もしていただきたいですね」と両氏は大塚商会への要望を語った。

今回導入した製品・サービス・ソリューション

  • 3次元土木設計ツール「Autodesk Architecture, Engineering & Construction Collection(AEC Collection)」

    建設・土木業界の設計業務に必要不可欠なソフトとサービスをまとめた、Autodesk Architecture, Engineering & Construction Collectionが誕生。計画、設計、施工、管理で必要となる、複数のソフトとサービスを一つのパッケージに集約しました。

  • 研修教育「CAD企業スクール」

    幅広い業界で使用されるAutoCADのほか、製造業・建設業向けの3次元CAD、CGや解析など、約130コースを開催しています。CADソフトの教育は大塚商会にお任せください。基礎的なスキルから、よりプロフェッショナルな人材へと成長を後押しする上級コースまでさまざまなコースからお選びいただけます。

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  • 印刷して、上司への説明に。
  • 印刷して、稟議書に添付して。
  • 印刷して会議資料に。

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