全教室に電子黒板機能付きプロジェクターを配置。デジタル教材導入を授業の質向上を図るチャンスとして活用

「ICT導入は教員が自身の授業を見直す良い機会。効果を客観的に検証し、より良い授業を作り上げていくことがこれからの課題です」

学校法人 上宮学園 上宮太子高等学校 導入事例

学校1~100名学校・自治体通信・ネットワーク電気代の削減営業・業務プロセス効率化ITの運用・保守の負荷軽減LED照明で節電対策

上宮太子高等学校は、大阪・太子町にある私立高等学校だ。法然上人の仏教精神を基盤に、現代に求められる人づくりに力を注ぐ同校は、学習指導要領の改訂を見据え、5年ほど前からプロジェクターとデジタル教材を使った授業を開始している。2017~2018年にかけて、全教室への電子黒板機能付きプロジェクターをはじめとするICT基盤を整備。従来型教育とICT教育の融合により、教育の質の一層の向上を目指している。

2019年11月取材

学校法人 上宮学園 上宮太子高等学校

導入先の概要

業種
教育
事業内容
学校運営
教職員数
80名(2018年4月現在)
ホームページ
http://www.uenomiya-taishi.ed.jp/

導入の狙い

  • 授業の効率と質を向上させたい
  • 生徒のICTリテラシーを育みたい

解決策

電子黒板機能付きプロジェクターを全教室に配置。体育館には大画面に投影できる超短焦点レンズ付き高輝度プロジェクターを導入

導入したメリット

  • デジタル教材導入をきっかけにした授業の改善
  • 教材研究の効率アップ
  • 校長 寺澤 久弥氏

    「教員自らが授業を振り返り、その改善を図る大きなきっかけになったことがICT基盤整備の第一の効果と考えています。より良い授業に向け、何ができるか考えていくことが今後の課題です」

  • 理科・情報科教諭 業務推進室 須藤 秀裕氏

    「デジタル教材の準備は確かに大変ですが、一度作ってしまえばそれを使い回せるため、後は授業に専念できます。教科書会社が提供するデジタルコンテンツも活用できるため、プロジェクター導入は授業内容の見直しにも役立っています」

  • 事務 係長 魚波 世吾氏

    「校内の蛍光灯管理にはこれまで大きな手間を必要としてきました。大塚商会さんの提案で実施したLED照明への移行は、電気料金だけでなく、交換の手間も大幅に削減してくれました」

導入製品情報

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
プロジェクター超短焦点壁掛け対応モデル
『EPSON EB-685WT』
-
超短焦点ゼロ
オフセットレンズ
ELPLX02-
高輝度プロジェクターEPSON EB-L1300U-
ネットワーク無線LAN環境整備お問い合わせ
ソリューションLED照明お問い合わせ

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導入事例詳細

仏教精神に基づき、生徒一人一人の個性に向き合う

心の伸びやかな成長を促す体験型授業や、友人、仲間たちと共に学び成長する校外学習、自己を研さんする充実した課外活動を通して、生徒一人一人が確かな未来への歩みを進められるよう、知育・徳育・体育のバランスのとれた教育を実践している

上宮太子高等学校は、2020年に創立130周年を迎える学校法人 上宮学園を母体にした男女共学の私立高等学校だ。学校がある大阪・太子町は、豊かな自然と悠久の時を伝える歴史の舞台であり、聖徳太子ゆかりの地としても知られる。この地で同校は浄土宗の開祖、法然上人の仏教精神を教育の基本に置き、生徒一人一人に向き合った教育を展開している。学順は「一に掃除、二に勤行、三に学問」。

「多くの方は学問が三番目というのはおかしい、と感じるはずです。しかしここで言う掃除は、特に心の準備・構えを意味しています。そして勤行はあいさつや時間を守ることの大切さをはじめとする、日々の基本的な姿勢を表しています。こうした前提があって初めて学問が身に付くというのが本校の考え方です。こうした考えに基づく本校のきめ細かな教育を通した人格形成は、学生時代だけでなく、卒業し社会に羽ばたいた後も必ず役立つと考えています」と校長の寺澤 久弥氏は説明する。

男女共学化がスタートした2011年以降は、軽音楽部をはじめ文化系クラブの活動も活発だ。また同校主催で2008年からスタートした「聖徳書道展」は、12年目の2019年には小学生から大人まで5,000点の作品が出展され、社会貢献事業としても定着している。

学習指導要領改訂を視野にプロジェクター導入を決断

2020年からの学習指導要領改訂を見据え、同校はデジタル教科書やPowerPoint資料など、多様なコンテンツを教材として活用するための研究と実践を早くから進めてきた。2014年に行った移動式プロジェクターの導入もその一つだった。

「ICT機器の活用が注目される中、それによって何ができるのか検証を進めたいと考えたことが導入の第一の狙いでした。校内にはICT教育に強い関心を持つ先生たちも多く、5台のプロジェクターはすぐに先々まで予約で埋まってしまう状況になりました。こうした経緯もあり、本校はプロジェクターの全校的な導入に踏み切ることを決断しました」と理科・情報科教諭 業務推進室の須藤 秀裕氏は当時を振り返る。

電子黒板機能を兼ね備えたプロジェクターを導入

ホワイトボードに映し出したPCの画面に、電子ペンで文字や図形を書き込むことができる『EB-685WT』は、オプションの書画カメラ『ELPDC07』で、立体や資料の実物も投影できる

授業や探究活動などの協調学習への活用が進むことで、5台のプロジェクターがフル稼働状態になった同校は、電子黒板およびプロジェクターの全面的導入を決めた。ベンダー4社に提案を依頼し、検討を重ねたうえで、大塚商会が提案するEPSON製プロジェクターの採用を決定。決め手になったのは、提案されたプロジェクター『EB-685WT』に電子黒板の機能が備わっている点だった。

PCを使わなくても電子ペンの軌跡を読み取り、プロジェクターを通して投射した映像に文字を書き込むことができるこのプロジェクターは、一般的なホワイトボードを電子黒板として利用することが可能だ。

「他社さんが電子黒板とプロジェクターをそれぞれ個別に提案する中、大塚商会さんだけは1台で2機能を備える製品の提案をしてくれました。また選定に当たっては、多くの教員に各社ショールームまで足を運んでもらい、プロジェクターの画面の見え方や電子ペンの書きやすさ、消去のしやすさなどを実際に試して各製品を比較検討しました」と事務 係長の魚波 世吾氏は説明する。

LAN環境の整備や、大画面を投影できる超短焦点ゼロオフセットレンズ『ELPLX02』を搭載した高輝度プロジェクター『EB-L1300U』の体育館への配備もあわせて行った。体育館のプロジェクターは、入試説明会や生徒会などの行事のたびに活用され、生徒が編集した動画を映すことも多いという。また、あわせて2018年に全校の照明をLED化し、照明器具交換の手間を省力化するとともに、前年同月比で約20%の電気料金削減を行っている。

段階的導入で、全校へのスムーズな展開を実現

2017年に一部の普通教室や多目的教室・特別教室に電子黒板機能を備えるプロジェクターとホワイトボードを先行導入し、翌2018年に全教室へ配置した。多くの教員がプロジェクターを使いこなす今、その存在は教室になくてはならないものになっている。スムーズな移行を実現した理由の一つとして、強制はせず「使いたい人は使ってください」というスタンスでICT教育環境の整備に取り組んだ点を指摘する。

「全校的な導入に先立ち、他校の事例もいろいろ見学させてもらったのですが、黒板への板書という文化になじんできたベテラン教員が反発するケースはやはり少なくないようです。本校の場合、全面導入に先立ち、移動式プロジェクターでその効果を検証するというプロセスを踏んだ点もスムーズな導入に貢献したと考えています」(魚波氏)

デジタル教材への移行は教員の働き方改革にも貢献

ホールなどの大画面に対応した『EB-L1300U』の光源はレーザーで、4K相当の高画質を誇る。上宮太子高等学校の体育館ではオプションの超短焦点ゼロオフセットレンズとあわせて使っている

プロジェクターを授業に活用するにはこれまで板書してきた内容のデジタル化が求められるが、これが教員の新たな負担となる点がハードルになるケースも少なくない。だが一度教材をデジタル化すれば、板書が不要になるだけでなく、必要に応じて内容を手直しするだけで長期間使い続けることが可能だ。

「私の場合、これまで板書していた内容をPowerPointで作り込んでいます。中には一切板書することなく授業を展開している教員もいます。リモコン操作で投射画面を切り替えるだけで授業が進行できることもあり、一度デジタル化してしまえばより授業に専念できるという声が多いですね」(須藤氏)

また同校では、板書内容をプリントし配布する試みを以前から行ってきた。こうしたコンテンツの存在もデジタル教材へのスムーズな移行に貢献している。

「1時限が45分と短いということもあり、以前から本校では教科によっては板書内容に対応したプリントを準備し、空白部に板書内容を埋めていくというスタイルの授業を行っています。このプリントをデジタル教材による授業のベースとして活用する例も少なくありません」(須藤氏)

各種デジタルコンテンツの活用で、生徒の理解度も向上

教科書を出版する会社が提供するデジタルコンテンツの活用も進んでいる。アニメーションや動画の効果的な利用は、生徒の理解度の向上に貢献しているという。

「従来の教科書では、言葉と図版だけでしか説明が行えませんでした。それに対しデジタル教科書は、動きをアニメーションや動画で表現することが可能です。特に物理の実験などでは、これまで図版で説明していた内容を動画で伝えることで、生徒の理解度は確実に高まっています」(須藤氏)

従来型教育とICTを融合。教育の真の質的向上を目指す

プロジェクター活用が普及した今、同校が次の課題として掲げるのは、従来型授業とICT活用型授業を融合した、真の意味での授業の質的向上という課題である。

「プロジェクター導入をはじめとする今回のICT教育環境の整備は、教員が自身の授業を見直し、改善する機会としても役立っていると感じています。しかしそれが、教材作りの手間の削減や、デジタル化を実践しているという自己満足だけに終わるようでは意味がありません。また生徒にとっても、ICTの活用が単なる興味本位に終わったり、『分かったつもり』で授業が進行したりすることにつながるようでも意味がありません。ICT教育が定着した今、その効果を客観的に検証し、新たな双方向教育の在り方を考える段階に差し掛かっていると考えています」(寺澤氏)

同校が目指しているのは、教科書内容の確実な習得を前提とした、従来型授業とICT活用授業の融合だ。今後、学期末などの節目にICTの効果をしっかりと検証し、より教育の質の向上を図っていく考えだ。

大塚商会担当者からのコメント

「Wi-Fi環境整備は、三者面談のスムーズな進行にも役立っています」

上宮太子高等学校様は、プロジェクター導入にあわせ、Wi-Fi環境の整備も行っています。PCがいつでもどこでも使える環境は、三者面談の際に即座に情報収集するなど、さまざまな場面で役立っています。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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