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あかるい税制活用
第15回 総括・導入計画のまとめ

LED導入計画の考え方は企業によってさまざまです。今回はこれまでのまとめを行いながら、「資金繰り計画」を中心にとらえた内容をお届けします。あらためて考え方を振り返りましょう。

[2017年 9月20日公開]

導入費用はさまざま、その選び方は?

これまでのコラムで、固定資産、特にLED照明器具の導入に関して、会計処理の方法、補助金の申請の可否、購入かリースかの選択、商業・サービス業・農林水産業活性化税制などの税制の活用といった観点で解説してきました。ここで一度、考えられる選択肢とそのメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。中堅・中小企業にとって一番の問題である資金繰りの観点で整理します。資金繰りを問題にする場合の話ですから、LEDの導入にあたっては自己資金の一括購入ではなく、借り入れによる購入、あるいはリースを前提に進めていきます。

借り入れを起こして導入

まずは、一番シンプルな借り入れを起こしてLED照明設備を導入するケースを考えてみます。借入期間は15年、耐用年数15年の定率法で償却するケースです。購入時は購入代金の支払いがありますが、同額の借り入れをするため資金の動きはプラスマイナス0になります。返済が始まると元本の返済分と利息に相当する資金が出ていきます。一方、減価償却がなされていくので、減価償却費として計上した経費に対応する税金が減り、資金繰りとしてはプラスの方向に働き、借り入れの返済の資金のマイナスを軽減します。

考えられるメリット
購入時に資金繰りに与える影響がないが、当初数年間は減価償却費が大きく計算されるため、資金繰りが改善する。
考えられるデメリット
購入後の資金返済を軽減する減価償却による税金の減少の効果が、時の経過とともに減衰し、資金繰りが徐々に悪化していく。

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税制活用コラム 第10回 減価償却方法と資金繰り

税制を活用して導入

次に、借り入れを起こしてLED照明設備を導入し、税制を活用して購入時に全額経費となるケースを考えます。特例による即時償却やLED照明設備の購入費用を全額修繕費とできるケースが該当します。この場合、購入金額と借り入れが同額であり、さらに購入したときに全額が費用となるためその分だけ税金が大きく減ります。購入時にはこの税金が大きく減った分だけ資金繰りには大きなプラスとなります。ただし、翌年以降は借り入れの返済という資金繰りを悪化させるものだけが残ってしまいます。翌年以降の資金繰りに注意が必要になります。

考えられるメリット
購入時に税金が大きく減少するため、購入時は資金繰りが良くなる。
考えられるデメリット
その後の借り入れの返済を軽減する税金の減少がなく、資金繰りが厳しくなる。

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税制活用コラム 第7回 中小企業経営強化税制の即時償却と税額控除について

補助金を活用して導入

補助金をもらうケースも考えてみます。借り入れで購入するので購入時は資金繰りには影響しません。しばらく後に申請が通って補助金が入金されます。これはもちろん資金繰り的には大きなプラスです。ここで注意しなければならないのは、「補助金は課税される」ということです。この事態を避けるために圧縮記帳という税務上のテクニックがあります。圧縮記帳の細かい説明は省略しますが、補助金の収入が課税されない代わりに将来の減価償却費が減って税金が同じだけ増えるイメージです。従って、補助金の収入があって、導入当初、資金繰りは良くなりますが、借り入れの返済を助ける税金の減額が少なくなってしまい、翌年以降の資金繰りが苦しくなる傾向にあります。

考えられるメリット
購入時に補助金が入ってくるため、購入時の資金繰りは良くなる。
考えられるデメリット
借り入れの返済を軽減する税金の減少額が大幅に小さくなり、購入後の資金繰りがやや厳しくなる。

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税制活用コラム 第4回 補助金の活用

所有権移転ファイナンスリースを活用して導入

リースの場合はどうでしょうか? リースの場合は毎年同額のリースを支払います。会計処理の方法はいろいろありますが、所有権移転ファイナンスリースの場合を考えてみます。リース料の支払いは毎年一定となります。一方、減価償却費は購入した場合と同様の計算となるため、資金繰りは借り入れをして購入した場合とほぼ同様になります。

考えられるメリット
リース契約時に資金繰りに与える影響がないが、当初数年間は減価償却費が大きく計算されるため、資金繰りが改善する。リース期間が終了して買い取った後は減価償却費の分だけ税金の減少効果だけが残る。
考えられるデメリット
リース料の支払いを軽減する減価償却による税金の減少の効果が、時の経過とともに減衰し、リース期間中は資金繰りが徐々に悪化していく。

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税制活用コラム 第2回 設備投資はリースと買い取りどっちがよい?

税制活用コラム 第12回 直管形蛍光灯タイプの買い取り・リース・レンタル、そのメリットとデメリット

所有権移転外ファイナンスリースを活用して導入

所有権移転外ファイナンスリースやオペレーティングリースの場合、基本的には支払ったリース料相当額が経費となり、その分、支払う税金が減ることになります。導入当初に資金繰りが良くなることはありませんが、リース料の支払いという毎年決まった資金の流出を、毎回、税金が減る効果により軽減するので、資金繰り的には一番安定的と言えます。

考えられるメリット
税金を減少させる効果が毎年持続するため、資金繰りを大幅に悪化させることなく安定的である。
考えられるデメリット
資金繰りが良くなるタイミングがない。

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税制活用コラム 第2回 設備投資はリースと買い取りどっちがよい?

税制活用コラム 第12回 直管形蛍光灯タイプの買い取り・リース・レンタル、そのメリットとデメリット

今回は特に資金繰りという観点で比較してみましたが、長期的安定性を考えてリースがよいという判断もあり得るということです。LED照明設備の導入にあたっては目先の利益だけでなく、会社の資金繰りの状況も総合的に勘案する必要がありそうです。

著者紹介

公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)

大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。

税理士法人ファーストライン

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