― 大塚商会のSPRは、具体的にどのような仕組みなのですか?
地主:お客様に何を売ったか、どのようなサポートを行ってきたかという情報はもちろん大切です。しかし私たちが特に注目しているのは、営業日報に記録されたお客様の生の声です。「訪問したらこんな相談をされた」「商品をご提案するとこんな反応が返ってきた」という情報は、お客様のマインドや状態を知る大きな手掛かりになります。営業日報を分析し、こうした生の声をAIで抽出、分析したうえで、翌々日の訪問先をレコメンドするというのがSPRの基本的な考え方です。レコメンドに従うか否かの判断は営業担当に委ねられますが、レコメンドに従った場合と対照群を比較すると、前者の成約率の方が5%高いというエビデンスも得られています。
― dotData を用いたデータ分析をサービスとして販売した経緯について
山口:これまでAIを用いたデータ分析を実践するのは、大企業に限られてきました。その理由として挙げられるのが、機械学習を分析や予測に活用する高度なスキルを持つ人材を確保することの難しさです。外部の専門家に分析を依頼すると1回のPoCに1,000万円以上の費用が必要になることも珍しくないため、中堅・中小企業のAI活用は極めてハードルが高いのが実情でした。しかし我々が持つdotDataのリソースの一部を切り出してご提供することで、従来のデータ分析と遜色ないサービスをその1/10の費用でご提供することが可能になります。dotDataによる大幅な工数削減に加え、我々が自社データ分析で培ってきたノウハウをユースケースとしてパターン化してご提供できることがその理由です。今後、データ分析の裾野は確実に広がると見られる中、中堅・中小企業の身の丈に合ったサービス提供や大企業でも部署単位のサービス提供は、大きな意味を持つと考えています。



