kintone&iPadで空港設備内の呼び出し対応を改善

サイボウズ アプリ作成クラウドサービス「kintone」

サイボウズの「kintone(キントーン)」とiPadで、高い運用の品質が求められる空港設備内での旅客呼び出し業務を大幅に改善することができた。システム開発を支援したサイボウズの担当者に伺った。

[2016年10月 4日公開]

インタビューの注目ポイント

  • サービスレベルの向上を目的に、kintoneを活用して一カ月半でシステムを開発
  • スパイラルモデルでの開発で、現場の要望を即座に吸収・反映
  • エアポートコンシェルジュが情報ファイルをiPadの所持に換えたことでさまざまな利点が生まれた

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記事で紹介している日本空港ビルディング株式会社様のkintone事例動画です。

*サイボウズ株式会社 制作・提供動画

サービスレベルの向上を目的に、kintoneを活用して一カ月半でシステムを開発

サイボウズ株式会社
営業本部
パートナー営業部 営業第一グループ
酒本 健太郎氏

インタビュアー

空港に限らず人が集まる場所では必ず「迷子のお知らせ」が放送されます。実際どのような業務の流れで行われているのか想像したこともありませんでしたが、システム化することで迅速化、効率化が図れるのですね。

酒本氏

これまで日本空港ビルデング株式会社(以下、日本空港ビルデング)のエアポートコンシェルジュ(案内係)は台帳を常に持ち歩いて業務を行っていました。迷子を発見すると、一番近い案内所まで同行し用紙に必要事項を記入します。その後、この情報をアナウンス室までFAXで送るという手順を踏んで処理していたのです。

しかし、迷子のお客様が搭乗を予定している便の出発時間が迫っている場合、案内が遅れることで予定便に乗り遅れることがあれば、お客様の予定が大きく狂ってしまうことになります。1分、1秒がとても大切な一刻を争う業務なのです。

これまではFAXベースで情報を伝達していたわけですが、例えばアナウンス室が多忙なときには受信したFAXに気づくまでに時間がかかるといったこともありました。また、紙の台帳で案内状況のステータス管理をしていることで、更新の遅れや漏れの発生原因となることに加え、そもそもエアポートコンシェルジュが重い台帳を常に携帯しなければならないという問題もありました。

そこで、日本空港ビルデングでは「kintone」を利用してアプリケーションを開発することを決断されました。2013年春のことです。

kintoneが発売されたのは2011年の冬であり、発売からまだ1年ほどしか経過していなかったため、当時は現在ほどテンプレートやアドインもそろっていない状況でした。そうした中で、現場スタッフのさまざまな声を取り入れながら、わずか一カ月でシステムを完成させ2週間のテスト運用を経て本稼働を開始しました。

日本空港ビルデングのこの案件は、サイボウズのパートナー企業である大塚商会様からの提案によるもので、システム構築の段階でもお互いの協力のもと、スピーディーでスムーズなシステム開発を実現できました。

kintoneを採用して短期間で開発した旅客呼び出しの対応システム

スパイラルモデルでの開発で、現場の要望を即座に吸収・反映

インタビュアー

テスト期間を含めて一カ月半もの短期間で稼働できたことは驚異的だと思うのですが、どのような方法を採られたのですか。

酒本氏

システム開発には大きく二つの手法があります。一つはウォーターフォールモデルと呼ばれる従来の開発手法です。このモデルは「要件定義」「外部設計(基本設計)」「内部設計(詳細設計)」「実装(プログラミング、コーディング)」「評価(テスト)」「運用、保守」といった工程を、水が高い所から低い所に流れるように、上流工程から下流工程へ順次実施していきます。きちんとした設計書を作成しその設計書に基づいてシステム開発を行うという手法です。しかし、開発やテストにたくさんの時間がかかります。そのため当初設計書になかった機能への要求が開発期間の最中に発生してしまうこともありました。

このような欠点をなくそうと登場したのが「アジャイル」などと呼ばれる開発手法です。この手法は、開発対象となるシステムを機能ごとに細かく分割し、ウォーターフォールモデルで行っている開発工程を小さな単位ごとに行います。この手法は、変化に速やかに対応できることを考えたものですが、小さな反復などを繰り返さなければなりません。

この二つの開発手法のメリットだけを取り出したものが、「スパイラルモデル」です。kintoneをプラットフォームとするシステム開発では、このスパイラルモデルにより「設計」と「プロトタイピング」を繰り返しながらシステムを開発することができます。

日本空港ビルデングの案件では、現場スタッフのさまざまな要望をシステムに取り入れることを基本に置いて開発を進めました。プロトタイプを作り、現場で使ってもらう。現場から改善点が上がってくれば修正し、新しいプロトタイプを作成する、というようにPDCAをまわしながら、らせん階段を上っていくかのように開発していったのです。

直接現場と向き合いスパイラルモデルでの開発を実現できるkintone

エアポートコンシェルジュが情報ファイルをiPadの所持に換えたことでさまざまな利点が生まれた

インタビュアー

kintoneを利用することでどのような効果がもたらされたのでしょうか。

酒本氏

当初の課題は全てクリアできました。現在の業務の流れは次のようになっています。

  1. 迷子を発見したエアポートコンシェルジュがその場で必要な情報をiPadからkintoneに入力
  2. 情報が入力されるとアナウンス室のパトランプが点灯
  3. アナウンスを実施
  4. 案内状況のステータスを更新

紙の情報ファイルでは、案内状況のステータス管理は難しかったのですが、更新が簡単になっただけでなく、メンバー全員での情報共有も実現されています。また、情報がデジタル化されたことでデータ分析が簡単になったというメリットも生まれています。Kintoneにはデータ分析を視覚的に行えるグラフ作成機能が備わっていることも要因でしょうね。

もう一つの利便性として挙げられるのは、iPadを端末に採用したことで写真が使えるようになった点です。FAXの時代は「上着はブルー」「ズボンは茶」といった文字表現でしか情報を伝えることができませんでした。ブルーといってもどのようなブルーなのか人によってイメージする色が異なります。しかし、写真が使えることで、これまでよりも的確なアナウンスができるようになったのです。また、所持していた重い情報ファイルがiPadになったことでエアポートコンシェルジュの負担も軽くなりました。

さらに、システム改変が迅速に行えるのも、カスタマイズが容易なkintoneを活用したメリットになっています。本番稼働後まもなく、ソフトキーボードで文字が入力しづらいという現場スタッフの声があがってきましたので、手書き認識の機能を追加することで改善しました。

これからも、空港を訪れるお客様をもっと快適にしたいという目標に向かって、日本空港ビルデングの旅客呼び出し対応のシステムはさらに洗練され、使いやすいものになっていくと確信しています。

迷子の情報が登録されるとアナウンス室のパトランプが点灯

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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