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残業禁止。給料が減って、仕事も終わらない

テレワークが、移動時間や会議を減らす

本コラムでは、時間や場所を有効に活用できる働き方「テレワーク」を上手に活用して、「働き方改革」で発生する悩みを解決する方法をご紹介します。

第1回のテーマは、「残業禁止」。今後、政府は働き方改革実行計画に基づき、「罰則付き時間外労働の上限規制」を盛り込んだ法改定が進められます。残業が無くなることで、家族や自分の時間を確保でき、働く人のワーク・ライフ・バランスが向上する、とてもいいことですね。でも、大きな変化が起きるときは、新しい課題も発生するのが現実です。

単純な「残業禁止」は、みんなが困る!?

「残業禁止だ!」と、突然、働き方改革を進めたがる会社。その経営者、管理職、社員、それぞれの心の声を聞いてみましょう。これまで残業が当たり前の会社にとっては、「残業が減る」というのは、「業務時間が減る」ことになります。

単純に考えると、「売上高(生産量)」も減るのでは・・・と、経営者が心配になりがちです。

そこで、管理職に「残業を減らしても、売り上げは減らすな」という、無茶(むちゃ)な指示が・・・。そうなると、管理職は大変です。定時になったら部下に「早く帰れ」と言うものの、部門全体の仕事が終わりません。

結果、管理職が遅くまで残務を肩代わりする・・・。「働き方改革」で、最もプレッシャーがかかり、かつ、業務が増えて体力的にもつらくなるのが、管理職だともいわれています。

一方、社員はどうかというと、確かに早い時間に帰宅できるのはいいのですが、仕事が中途半端なまま退社しなくてはいけなくなります。また、これまで当たり前のように支払われていた「残業代」が少なくなります。

こうなってしまう大きな要因は、「残業しないと業務が回らない」と思い込んでいること。それを前提にしていると、「働き方改革」はうまくいきません。「残業削減」で減らす対象は、「残業の時間」ではなく、「昼の時間の仕事の無駄」です。「残業せずに業務を終える」にはどうすればいいかを、全員で考えましょう。そのポイントは、次の3つです。

  1. 業務を減らす
  2. 業務の時間を短くする
  3. 分担する

テレワークで、「残業」を減らそう

日本の会社は、チームで仕事をするのが一般的。そのため、情報を共有したり、議論したりするために、「社内会議」がどうしても多くなり、長くなりがちです。

「会議時間×参加人数分の人件費」はもちろんのこと、そのための準備、会議後の報告書作成など、多くの時間とコストがかかっています。その「時間」を短くすることができれば、その分をほかの業務に充てることができ、「時間当たりの生産性」が向上しますね。

ここでは、「テレワーク」で社内会議がどう変わるか、先の3つのポイントから、見てみましょう。

業務を減らす

「会議のためのスケジュール調整」を見てみましょう。会議に参加する人に予定を確認しながら、全員が参加できる時間を探し出すのは、本当に時間がかかる作業です。〇日は部長が出張だからダメ、午後はお客様訪問だから営業担当がダメ・・・といったように、まず、会議参加はオフィスに居ることが前提となると、大変ですね。

でも、「テレワーク」により、Web会議などを使って、出張先や出先からでも参加できるようにすればどうでしょうか。参加可能な時間が増えます。調整する時間も、短くすることができます。また、Web上でのスケジュール機能を使えば、空(あ)いている時間の調整も簡単にできますね。

また、テレワークで会議に参加するようになると、社員がその場に居ないので、紙を配布することができません。会議の資料はデジタルファイルで配布するようになり、結果、印刷や書類を綴(と)じたりする時間を削減することになった、という会社もあります。

業務時間を短くする

ついつい長くなりがちな社内会議。最大時間を決めて、時間短縮をするのが第一です。でも、会議は、会議時間だけではありません。会議場所への移動時間を見落としていませんか? 営業先から会議のためにオフィスに戻る時間。また、会議のための出張などなど。でも、「テレワーク」で会議に参加できれば、その移動時間を「ほかの業務」に充てることができます。

また、社内の会議室だとついつい長引くので、一定時間になると終了するWeb会議ツールを使ったら、緊迫感を持って会議時間を短縮できた会社もあるそうです。

分担する

会議の後の作業として「報告書の作成」があります。書記係が記録したものをまとめて、間違いがないか全員に確認・・・これもテレワークで、効率良くできる方法があります。社内会議をWeb会議でするようになったある会社では、会議進行中に、クラウド上にある共有文書に書記担当が議事を記録したものを、参加者が随時追記したり訂正したりして作業を分担します。会議が終われば、報告書が完成。時間短縮はもちろん、会議に参加できなかった人の共有も簡単ですね。

テレワーク会議で時間を節約して、残業削減

いかがでしたか? テレワーク導入で、会議のための移動時間や会議時間、その後の作業などを短くすることができます。それでできた時間をほかの業務に充てることで、残業を無くせば、会社もハッピーですし、管理職の負担も減りますね。

サテライトオフィスでテレワークを行う田澤 由利氏

でも、実はこれだけでは足りません。どんなに上記のような対策をしても、業務をする人が「ダラダラ」と作業しては、結局、時間がかかり残業することになります。働く人が「気持ちを引き締めて、集中して作業できる」環境を用意することも重要です。

また、「残業代が減る」という悩みについては、別の方法も必要です。最近は、残業しない人に「ノー残業手当」を出したり、「残業しなくても、一定の残業代を出す」企業も登場してきましたね。いずれは、現行の評価と給与についても、見直さなくてはいけない時期が来るかもしれません。

働き方改革は、手元の一つ一つの仕事から改革していく必要があります。そこに「テレワーク」という切り口も一緒に考えることで、より多くの社員が、より効率良く働くことができ、本当の意味での「働き方改革」を実現することができるでしょう。

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著者紹介

株式会社テレワークマネジメント
代表取締役 田澤 由利(たざわ ゆり)氏

2008年、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」リーダー部門7位に選出。2015年 総務省「平成27年度情報化促進貢献個人等表彰」を受賞。2016年「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」個人賞受賞。内閣府 政策コメンテーター、総務省 地域情報化アドバイザーなど。

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