テレワーク環境下における労務管理については、出社している従業員と同様に労働基準法等の法令が適用されます。
ここでは、テレワークで発生する労務管理の課題と労働基準法適用のポイントについてご紹介します。
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日本では、ICT(情報通信技術)の進歩に伴い1990年代からテレワークという働き方が広まり始めました。2020年には、働き方改革だけではなく新型コロナ感染症の拡大防止の観点からも注目され、テレワークを導入する企業が急速に増加しています。
しかし、テレワークでは管理者が従業員の働いている状況を目で見ることができないため、適正に業務が行われているか、管理方法について不安になることも多いでしょう。一方、働く側にとっては、自分の仕事が適正に評価されているか、労働基準法にのっとった労働者の権利がテレワークにおいても守られるかが気になるところではないでしょうか。
これらの不安の解消には、テレワークに合った労務管理の方法を取り入れることが重要です。この記事では、テレワーク環境下において発生する労務管理の課題とその対策についてご紹介します。
テレワーク環境下における労務管理については、出社している従業員と同様に労働基準法等の法令が適用されます。
ここでは、テレワークで発生する労務管理の課題と労働基準法適用のポイントについてご紹介します。
テレワークには、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務が含まれますが、在宅勤務やモバイルワークの場合、出退勤の時間や、実際に仕事をしているかどうかを確認しづらいという課題があります。
仕事をせずにさぼっている従業員や、多くの仕事を抱えて長時間労働をしてしまう従業員がいても把握できないとなると、従業員の適正な評価や心身の健康にまで支障が出てしまうことでしょう。
また、自宅で仕事をすることにより育児や介護などと両立できることがメリットとして挙げられますが、こうした変則的な勤務時間に対応できる就業規則の整備が間に合っておらず、見直しが必要なケースも多くあります。
ほかにも、テレワーク中にけがをした場合などの労災認定対応に関する問題も出てくる可能性があります。
テレワークを導入する際には、これらの課題をクリアするために労務管理の再検討が必要です。
テレワークの労務管理は、通常の勤務と同様に労働基準法関係法令が適用されるため、適切な措置を講じなければなりません。
労働基準法関係法令とは、労働基準法や最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法などです。
厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」には、これらの法令で守るべきポイントが記載されています。具体的には以下のとおりです。
労働者を雇用する際にテレワークを行うことが予定されている場合は、給与や所定労働時間のほか、テレワークを行う就業場所について明示が必要です。
また、モバイルワークなどで就業場所がその都度変わる場合には、就業場所についての許可基準を設けて、許可された場所で就業することを明示します。
さらに、始業時間や就業時間の変更が可能となる場合も明示しなければなりません。その際は就業規則への記載も必要です。
使用者は、テレワークにおいても従業員の労働時間を正確に把握する責務があります。
原則として、タイムカードやパソコンの使用履歴などの客観的な記録を基にして、毎日の始業・終業時刻などの勤務状態を確認し、適正に記録しなければなりません。
出社して働く従業員とテレワークで働く従業員で評価の方法が異なる場合は、企業はその内容について従業員にきちんと説明しなければなりません。また、内容に応じて就業規則の変更が必要です。
テレワークに必要な通信費や必要なIT関連機器の費用の負担については、会社が事前に検討しルール化しておく必要があります。従業員が負担する場合には、就業規則に規定しなければなりません。
テレワークを行う従業員について社内教育や研修の制度を定める場合、就業規則に規定しなければなりません。
このほか、事業場外みなし労働時間制の適用についてなど、詳細は厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」をご確認ください。
ここまで、テレワークにおけるさまざまな労務管理の課題をご紹介しました。これらの課題をクリアし、適切に効率よく労務管理業務を行う方法として、クラウドを利用した勤怠管理ツールの導入が挙げられます。
以下ではクラウドツールの活用方法をご紹介します。
テレワークの労務管理で一番の課題となる出退勤の記録や、勤務状況などを把握するためのツールとして、勤怠管理ツールを導入する企業が増えています。
勤怠管理ツールを導入すると、出退勤時にタイムカードを押すように、パソコンやモバイル端末からクラウドを経由して出退勤の打刻ができます。また、休憩時間や変則的な労働時間なども同様に管理が可能です。
このように、ツールを導入することで従業員の労働時間の把握ができ、法令で定められた客観的な記録も残すことができます。また、記録や集計は自動的に行われるため、人的ミスが減り、適正な管理が行えることもメリットとして挙げられます。
では、具体的に勤怠管理ツールではどのようなことができるのでしょうか。
まず、基本的な機能として、打刻に関する機能があります。通常勤務かテレワークかにかかわらず、始業時・終業時の打刻はもちろん、休憩時間や変則的な勤務(シフト勤務など)にも対応しています。
また、管理者はクラウドを通じてリアルタイムに内容を確認できるため、残業などの長時間労働に対して注意するなど、即時に対応できます。
打刻の方法もさまざまで、パソコンやモバイル端末でアプリを使用したり、ICカードや指・顔認証などの生体認証機器に対応していたりと、業務に合った選択ができます。
また、スケジュール管理や、業務報告書の電子化、過重労働に対するアラーム機能、ストレスチェックなどができるツールと連携することもでき、打刻だけではなく総合的な労務管理を実現できます。
ここからは、これまでご紹介した労務管理業務に最適なおすすめのツールをご紹介します。
勤怠管理システム「勤次郎Enterprise」は、勤次郎社が提供する業務管理ツールの一つで、クラウドとオンプレミス(自社内運用)に対応しています。
打刻方法はパソコン・モバイル端末・総合複合機などによるWeb打刻、ICカード、指静脈認証など多くの方法を利用できます。フレックスや変形労働時間制などはもちろん、シフトのパターンは46,000種類もの設定ができ、アルバイトやパート、そのほか複雑な雇用形態にも柔軟に対応可能です。
また、最新の法改正に対応し、基準を満たしていないと、アラーム対象者・管理者に対して警告メールを配信することができます。そのほかにも、スケジュール管理や残業・休暇などの各種申請・管理などもオンラインでスピーディーに行うことができます。
勤次郎社では「勤次郎Enterpriseシリーズ」として、勤怠管理以外のツールも多数提供しており、関連サービスとスムーズに連携できるのもポイントです。
NECが提供する「勤革時」は、パソコンとインターネット環境があれば利用できる、クラウド型勤怠管理システムです。VPNのような専用回線を準備する必要もありません。
モバイル端末やICカード、生体認証などさまざまな打刻方法を選択可能です。また、スケジュール管理機能があり、シフト勤務や変形労働時間制など、複雑な勤務形態にも対応できます。
頻繁に改正される法令に対応したバージョンアップも定期的に行われるため、安心して運用できます。
テレワーク環境下における労務管理の課題や注意すべきポイントと、適正な労務管理を実現するために有効なクラウドツールをご紹介しました。
テレワーク環境下であっても、労働基準法は順守する必要があり、労働条件の提示や、労働時間の把握などが欠かせません。労務管理の方法と自社のルールなどを考慮して、働き方に合ったクラウドツールを利用してみましょう。
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