ブロードキャストドメイン

読み方 : ぶろーどきゃすとどめいん

ブロードキャストドメインとは

ブロードキャストドメインとは、一般にイーサネットのブロードキャストフレームが届く範囲を指す。ブロードキャストはネットワークの特定範囲の全機器に向けた通信のことで、一斉同報または同報通信とも呼ばれる。

ブロードキャストドメインを決めるのは、ネットワーク機器の物理構成だ。これは、機器ごとにブロードキャストフレームの扱いが違うため。イーサネットのブロードキャストフレームは、「FF-FF-FF-FF-FF-FF」という特別なMACアドレスあてに送り出される。リピーターハブの場合、ブロードキャストかどうかにかかわらず、受け取ったフレームは全ポートに転送する。

一方レイヤー2スイッチ(LANスイッチ)では、通常は受け取ったフレームのあて先MACアドレスを認識し、転送すべきポートを判断したうえで、そのポートだけにフレームを送出する。ただしブロードキャストフレームの場合は、全ポートにフレームを送る。つまり、リピーターハブと同じだ。

ルーターは、転送先を決めるのにMACアドレス情報を使わない。IPなど上位レイヤーのプロトコルのあて先アドレスを読み取り、そのアドレスが所属するネットワークへ転送する。ブロードキャストフレームが届いた場合は遮断し、他のネットワークには転送しない。これはレイヤー3スイッチがルーティングを実行する際も同様だ。つまりルーターやレイヤー3スイッチでは基本的に、一つのポートごとにブロードキャストドメインを区切る。

ただし、レイヤー2スイッチやレイヤー3スイッチが持つVirtual LAN(VLAN)という機能を使うと、ネットワークの物理的な構成にとらわれず、ブロードキャストドメインを論理的に区切ることが可能だ。複数のポートを指定してVLANを作ったり、複数のスイッチにまたがるVLANを構成したりできる。

ブロードキャストの通信を使うプロトコルはイーサネットだけではない。上位プロトコルであるIPでもブロードキャストがある。2進数表記のIPアドレス(正確にはIPv4アドレス)ですべてのビットが「1」、つまり10進数で「255.255.255.255」はリミテッド・ブロードキャスト・アドレスと呼ばれる。このIPアドレスあてにパケットを送ると、同じサブネット内の全機器に転送する。もう一つ、ディレクティッド・ブロードキャスト・アドレスというものもある。IPアドレスはネットワークを識別するネットワーク部とホスト部から成るが、ホスト部がすべて「1」のアドレスがディレクティッド・ブロードキャスト・アドレスだ。このアドレスあてのパケットは、ネットワーク部が示すサブネットまでパケットを転送してから、そのサブネット内でブロードキャストする。

このほか、IPアドレスを基にMACアドレスを調べる「ARP」要求もブロードキャストである。イーサネットのブロードキャストドメイン、IPのサブネット、ARPの届く範囲は、結果として同じになる。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2011年 5月15日 公開]

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