ビジネスイベントマネジメント

読み方 : びじねすいべんとまねじめんと

ビジネスイベントマネジメントとは

ビジネスに関する様々な変化をデータからつかみ、アクションにつなげる管理手法のこと。スマートフォンの普及などで様々な顧客の行動データを取得できるようになり、注目が集まる。

スマートフォンの普及やモノのインターネット(IoT)の加速で、スマホ利用者やモノの動きが、データで捉えられるようになってきている。そういったデータを企業が活用すれば、きめ細かなサービスの提供に役立てられそうだ。そこで注目されているのが、ビジネスイベントマネジメント(BEM)である。

特徴:「きっかけと対応」を管理

BEMは、ビジネスに関連する様々な出来事、すなわち「ビジネスイベント」をデータで捉え、イベントをきっかけにして適切なアクションを起こせるようにする管理手法である。

イベントを踏まえて処理する手法は1990年代からあった。しかし「工場における生産ラインの不具合予兆を、製造機器から出力されるデータで検出する」「株価の変動を捉えて、株式を自動売買する」など、用途が一部に限られていた。

ところが2008年以降、「このイベントが起こったら、こう対応する」といった流れを業務部門にいるビジネスパーソンでも簡単に設定できる管理ソフトが登場したことで、ビジネス一般への適用が欧米を中心に始まった。

2008年ごろはアクションのきっかけにできるデータは限られていたが、「最近は扱えるデータが多様化してきたことで、日本でも関心が高まりつつある」とBEMに詳しい日本IBMの横谷信太郎氏は説明する。

BEMと似たものに、継続的な業務改善を実現する管理手法「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)」がある。富士ソフトの田岡賢輔氏は両者の違いを「BPMは対象が業務プロセス全体に及ぶことが多く、決裁や承認が求められるワークフローが伴うことが多い。一方のBEMは、現場業務の一部を対象にしており、業務担当者が検出したイベントをきっかけに迅速に対処できる仕組み作りに力点を置く」と話す。

日本での普及はこれからだが、「欧米では金融機関などで適用が進んでいる」と、日本IBMの横谷氏は明かす。

事例:未契約の見積もり客に販促

例えば、ウェブサイトで保険の申し込みを受け付けている欧米の損害保険会社では、サイト上で保険料の見積もり(というイベント)は行ったものの、まだ契約には至っていない見込み客を自動的に検出。そうしたイベントを的確に捉え、「見込み客に保険契約を促す」というアクションを自動的に起こすようにして、販売機会損失を回避している。顧客の動きを自動検出して、対応に必要な情報と対応手順を示して、現場担当者を支援するシステムも、BEMの適用例になる。

デジタルマーケティングでは、ウェブ上の顧客の行動を追跡し、「このメルマガを見た顧客にはこの画面を提示する」などの対応を自動化する「マーケティングオートメーション」に注目が集まっている。BEMはこの概念を現実のビジネスに適用したものともいえる。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2015年 7月13日 公開]

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