CAAT(コンピュータ利用監査技法)

読み方 : しーえーえーてぃー(こんぴゅーたりようかんさぎほう)

英語正式表記 : Computer Assisted Audit Techniques

CAAT(コンピュータ利用監査技法)とは

IT(情報技術)を使った企業の内部監査の手法。活用すると、従来の試査(サンプリング)ではなく、精査(全件検証)によって精度を高められる。不正の抑止効果も期待されている。

企業が行う内部監査はこれまで、試査(サンプリング)によって検証するのが一般的だった。どの企業も内部監査部門の要員は少ないことが多いため、膨大な量の取引や契約内容の全件を検証(精査)するのは、時間の制約や労力の問題から現実的ではなかったからだ。

そのため内部監査では、監査のテーマを決めて対象となる取引や契約内容の一部を取り出し、サンプリングの調査結果から母集団で起きている問題を統計的に推計するのが一般的だ。しかも、監査の対象は文書類が中心だった。

これに対し、IT(情報技術)を使ったCAAT(コンピュータ利用監査技法)を取り入れると、全件の検証が可能になる。大量の電子データから早期に不正の兆候を発見できるようになれば、不正抑止の効果もあると期待されている。

効果:不正行為を早期発見

従来の内部監査では、例えば企業内で無駄な出費がないかどうかを把握しようとする場合、サンプルの調査結果から母集団全体の無駄な出費の総額を推測していた。ただ無駄な出費を完全になくそうとすれば、取引や契約内容をすべて把握しなければならない。

今や多くの企業が、業務や財務に関する情報をITで管理し、多くは電子データとしてコンピュータに蓄積している。そこで専用ソフトウエアを導入したり、既存のシステムでデータを抽出する手法を駆使したりして、それらデータを監査の対象にする取り組みがCAATである。

CAATの対象は、企業内のあらゆるデータに及ぶ。総勘定元帳や取引情報、請求情報といった業務に直結したデータに限らず、社内ネットワークや重要データへのアクセス状況やログイン情報なども対象にすることが可能だ。

CAATは、不正行為の早期発見にも役立つ。仮に、ある取引の申請者と承認者が同一人物で、そのような取引が複数あると分かれば、不正行為の温床になるものとして抽出することができる。こうした情報を基に、詳細な調査を進めるべき取引行為を効率よく絞り込める。複数のデータを突き合わせて、不正がないかどうかを調査することも容易になる。

手法:経営のリアルタイム化も

CAATのツールとしては、様々なソフトウエアが市販されている。とはいえ専用ソフトを使わなくても、表計算やデータベースのソフトのマクロ機能、既存システムのデータ抽出ツールなどを使う手法もある。大手監査法人やコンサルタント会社が、関連アドバイスのサービスを積極的に展開しており、それらを活用する手もある。

これまでCAATを活用したデータ分析の手法は、不正を発見する場面にとどまっていた。今後はきめ細かな精査体制を整えることで、不正の抑止・予防効果が期待できるとの声もある。

CAATによって、企業の内部監査部門はよりスピードを求められそうだ。管理会計の情報から経営戦略が計画通りに実行されているか、週次・日次といった具合にリアルタイムに各種データを分析してチェックするといった仕事も求められそうだ。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2014年 2月13日 公開]

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