クラウドオーケストレーション

読み方 : くらうどおーけすとれーしょん

クラウドオーケストレーションとは

クラウド内部のシステムの立ち上げや変更を自動化するソフトウエア技術のこと。サーバーに加えて、ファイアウオールなどネットワーク機器も制御できる製品が続々と登場している。

1つのサーバーを仮想的に複数に分けて使うことで、IT(情報技術)の効率化を図れるクラウドサービス。こうしたクラウドを利用する企業や、自社内で専用のクラウドを作って運用する企業が増えている。

そうしたクラウドの運用現場に向けた、あるソフトウエア技術が今、注目を集めている。それがクラウドオーケストレーションである。

原理:ソフトでハードを色付け

クラウドオーケストレーションとは、専用のソフトウエアで、クラウドを構成するサーバーやネットワーク機器などを自動的に設定・制御する技術を指す。

従来も、物理的なサーバーのうえに仮想的なサーバーを立ち上げたり、立ち上げた仮想サーバー同士を連携させたりすることはできた。クラウドオーケストレーションはさらに管理対象をサーバーだけでなく、ネットワーク機器にまで拡張させている。技術的には、仮想サーバーを制御する仕組みに、ソフトウエアでネットワーク機器を自動的に設定・制御するSDN(Software Defined Network)を加えたものといえる。

2014年末から、オーケストレーション機能を備えたソフトウエア製品が続々と登場している。2014年12月に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、米ヴイエムウェアのクラウド管理製品群を組み合わせて動作検証を施した「Next Generation VM Pool」の提供を開始。2015年4月からは、NTTコムウェアが「SmartSDN Controller」と呼ぶ製品の新版を提供し始めた。

仮想化されたサーバーだけでなく、ネットワークも対象に含めたこれらの製品が登場した背景には、クラウドの運用現場での課題が挙げられる。クラウド上でシステムを立ち上げて利用するには、サーバーの設定だけでは不十分だ。ルーターやスイッチ、ファイアウオールといったネットワーク機器を設定する必要がある。

ところがこれらのネットワーク機器の設定は一筋縄にはいかない。専門のエンジニアがシステムの要件を基に設計を行い、それぞれの機器への設定内容を決めて、反映していかなければならない。

効果:運用コストは最大で半減

クラウドオーケストレーションの専用ソフトには、専門エンジニアのノウハウが反映されている。利用者がシステム要件をソフトに入力すると、ソフト自身がネットワーク機器の設定情報を自動生成する。それらを各機器に反映して、仮想ネットワークを自動的に構築する。さらに仮想サーバーも併用することで、「運用コストを最大で50%削減できる」と、NTTコムウェアの沢村豪人部門長は強調する。

クラウドオーケストレーションで制御できる範囲は今後も広がりそうだ。CTCプラットフォーム技術推進課の水上貴博氏は「手作業が残るストレージについても、設定や変更を自動化できるようにしていく」と話す。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2016年 1月18日 公開]