包括利益

読み方 : ほうかつりえき

英語正式表記 : Comprehensive Income

包括利益とは

国際会計基準において業績報告書の最終行に表示される項目。2011年までに計算や表示の方法が標準化される。日本は2012年に報告義務化の時期を決定する。

企業の業績を示す最も代表的な会計項目は「当期純利益」になっている。1株当たりの当期純利益で株価の妥当性を判断したり、ROE(株主資本利益率)の算出に用いられたりしている。しかし2016年にも国際会計基準(国際財務報告基準=IFRS)に準じて「包括利益」という項目を決算書に記載するよう義務づけられる見通しだ。

包括利益とは「資本取引によらない企業の純資産の変動額」のこと。計算方法は2通りあるとされるが、資産と負債に着目した考え方で説明すれば「資産と負債をすべて時価評価したのち、資産から負債を引いた差額である純資産(増資などの資本取引分は除く)の変動額を前年度と比較して求める」となる。

IFRSを策定する国際会計基準審議会(IASB、本部英ロンドン)が包括利益を重視する理由は、当期純利益よりも経営者が数字を操作できる余地が少ないからである。当期純利益の場合は、有価証券のような金融資産をどこまで時価評価するかにややあいまいな点がある。有価証券は保有目的によって「売買目的有価証券」に分類される場合も、「売買可能有価証券」に分類される場合もある。前者の評価差額は当期純利益に反映されるが、後者の評価差額は反映していない。包括利益の計算においてはすべて時価評価の対象である。

IASBと米財務会計基準審議会(FASB)は2007年9月に従来の損益計算書に代わる「包括利益計算書」の最新仕様案を共同で公表した。当期純利益の表示は残されているが、その下に「その他の包括利益」という調整項目があって「売買可能有価証券の未実現損益」「為替換算調整勘定(連結子会社)」などを示したうえで最終行に包括利益を表示する。また、包括利益計算書には、従来の損益計算書では記載しなかった企業年金の積み立て不足分も即時認識して包括利益に反映することが求められる見通しである。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2010年 8月31日 公開]

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