直流給電

読み方 : ちょくりゅうきゅうでん

英語正式表記 : direct current power supply

直流給電とは

直流給電とは、建物内にある電子機器に対して直流で電力を送る給電システムのこと。一部のデータセンターでは2008年から導入が始まっている。サーバーなどのコンピュータや、ルーターやスイッチといったネットワーク機器へ供給する電力を抑えることが目的である。

現在のサーバーやネットワーク機器は、内部で交流から直流に変換している。電力会社から送られてくる商用電力が交流であるためだ。一方で最近のデータセンターでは、商用電力の瞬断や停電の対策としてUPS(無停電電源装置)の採用が必須になっている。UPSの場合、(1)交流の商用電力を直流に変換してバッテリーを充電し、(2)バッテリーの出力(直流)を交流に変換してサーバーに送り、(3)サーバー内部で交流から直流に変換して駆動──の合計3回の変換を行っている。

変換の回数が多くなれば、それだけ変換ロスが発生する。それならサーバーやネットワーク機器を直流で直接受けられるようにすればいいというのが、直流給電の発想だ。そうすると変換はUPSのところで(1)の1回だけですみ、変換ロスが小さくなる。変換ロスに伴う熱の発生も少なくなるので、空調設備の消費電力が抑えられるメリットもある。実際、NTTの局舎内にある交換機や伝送装置では直流給電が当たり前になっている。

今になってデータセンターで直流給電がもてはやされているのは、データセンターの需要が急増していることがある。データセンター事業者は消費電力を抑えたい。直流給電にすることで、データセンター全体として15~20%程度の電力削減につながるといわれている。サーバーやネットワーク機器のベンダーにとっては新たな商機となる。例えばNTTグループは2010年度までに直流給電システムを本格導入すると発表している。機器ベンダー各社は安全性などの課題解決に向け、製品開発に取り組んでいる。

直流給電システムをもっと使いやすいものにしようという動きもある。現在は電圧が48Vボルトの直流給電システムが主流だが、これを400V程度に高めた高電圧直流給電システムの開発が進んでいる。このほか、2009年11月にNTTグループや通信機器メーカー、住宅設備メーカーなどが「宅内直流給電アライアンス」を発足させた。供給電圧やコンセントなどの仕様を決め、標準化することを目指す。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2010年 2月15日 公開]

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