教育ビッグデータ

読み方 : きょういくびっぐでーた

教育ビッグデータとは

スマートフォンやタブレット経由で収集した生徒の学習履歴データ。学校や通信教育会社、学習塾は学習履歴データを分析し、教材開発や生徒1人ひとりに合った指導に生かそうとしている。

製品にセンサーを埋め込み、ネット経由で稼働データを収集し、運用・保守に生かす「IoT(モノのインターネット)」が製造業で関心を集めるなど、ビッグデータの利活用に取り組む業界が広がっている。

こうした波が教育業界にも及んでいる。スマートフォンやタブレット経由で収集した生徒の学習頻度や成績、課題の進捗度合いといったデータを分析し、生徒1人ひとりに対して最適な指導をしたり、教材を開発したりする。科学的なアプローチで教育サービスの質を高める手法として、注目を集めている。

例えば、スマホやタブレットを通じて生徒がつまずいたポイントをリアルタイムに把握し、即座に解き方をアドバイスしたり、やる気を引き出すメッセージを送ったりする。こうしたデータを蓄積・分析することで、より生徒の関心・理解が深まるように指導方法や教材を変えたりすることが可能である。

従来は紙の教材を使った学習が中心で、学習履歴データをリアルタイムで取得し、多角的に分析することができなかった。

動向:タブレットの普及が後押し

教育業界でビッグデータ利活用が注目を集める背景には、スマホやタブレットの急速な普及がある。生徒の学習履歴データを収集するためのツールであるスマホやタブレットが普及し、データ分析ができる土壌が整ってきたわけだ。

調査会社のIDC Japan(東京・千代田)によると、2013年の国内教育分野におけるタブレットの出荷台数は25万台。2018年には、2013年比で5倍以上の128万台に拡大すると予測している。

さらに、私物のスマホやタブレットを持つ子どもたちも増えている。スマホやタブレットを使いこなす子どもたちが増加していることで、これらの端末を学習に使うハードルがぐっと下がっている。

教育業界のビッグデータ利活用に詳しい慶應義塾大学大学院経営管理研究科/ビジネス・スクールの岩本隆特任教授は「学校などから教育ビッグデータの分析を支援してほしいという引き合いが急速に増えている」と明かす。

事例:ベネッセが先行

通信教育最大手のベネッセコーポレーション(岡山市)は2014年度から、通信教育講座「進研ゼミ」を受講する小学1~5年生などに対して、タブレットを無料で配布する。既に中学1年生の生徒には、タブレットを無料で配布済みだ。

同社はタブレットを通じて、生徒が課題を解いた日時や進捗度合いといったデータをきめ細かく収集・分析し、生徒1人ひとりに合ったアドバイスをすることを狙っている。データ分析を手掛ける「データサイエンティスト」の採用にも積極的で、2015年度には、小学6年生にもタブレットの無料配布の範囲を広げる予定だ。

今後はビッグデータ利活用の巧拙が、教育事業者の優勝劣敗を左右しそうである。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2015年 3月24日 公開]