グロースハッカー

読み方 : ぐろーすはっかー

グロースハッカーとは

企業やサービスを急成長させる仕掛け人のこと。データを駆使してユーザー数を増やすなどの施策を立案・実施する。新たな収益を生み出せる人材として注目が集まっている。

「ネットで新サービスを始めることになった。大々的な広告を打つことが難しいなかで、どうサービスを拡大させるか」。このような場面で、データ分析スキルを使ってサービスを拡大させる人材のことを、グロースハッカーと呼ぶ。

グロースはサービスを「成長させる」という意味で、ハッカーは「データ分析やプログラミングなどのスキルを駆使して、直面しているビジネス上の課題を素早く解決する人材」を指す。

役割:顧客獲得や収益向上担う

ハッカーといえば「ネットワーク経由で他人のPC(パソコン)を乗っ取る人」といった、悪いイメージが付きまといがちだ。しかしグロースハッカーは別物である。ネットサービス利用者の行動を分析したり、異なるパターンのWebページを用意し活用度の違いを調べるA/Bテストを実施したりするなどして、サービスの利用者や顧客を増やし満足度を高める。

グロースハッカーの仕事は5つあるとされている。(1)ネットサービスの登録数などを増やす「ユーザー獲得(Acquisition)」、(2)サービス内容の向上を通して心地良い利用体験を実現する「ユーザー活性化(Activation)」、(3)繰り返し利用してもらう「継続(Retention)」、(4)口コミで新規ユーザーを獲得する「紹介(Referral)」、(5)ユーザーの活性化を収益に結び付ける「収益(Revenue)」だ。5つの頭文字を取り「AARRR」とも略される。

グロースハッカーという言葉は2012年ごろから使われるようになった。「広告費が十分に確保できない米国西海岸のベンチャー企業の間でグロースハッカーという新しい人材の需要が高まっている」と、ネット企業の動向に詳しいエクサの安藤幸央コンサルティング推進部担当課長は説明する。

グロースハッカーが活躍しているのは、ベンチャー企業にとどまらない。米フェイスブックや、米ツイッターといった大手企業も、自社でグロースハッカーを擁し、日々サービスの改善を図り、収益性を高めている。

動向:“博士”のキャリアパスに

実は日本でもグロースハッカーを擁する企業は少なくない。最近では、高度な統計スキルを持つ博士号取得者が、グロースハッカーとして活躍するケースが増えている。ニューラルネットワークの研究者や、物理学、医学などの分野で統計解析を駆使していた博士号取得者が、学術界から産業界に転身。統計スキルを生かしてネット企業のユーザー数拡大に貢献している。

グロースハッカーが活躍しているのは主にネットビジネスが中心だが、今後は活躍の場が広がりそうである。「映像やセンサーなどのデータを基にすれば、イベント集客や店舗改善などで、グロースハッカーは活躍できる」。産業技術総合研究所サービス工学研究センターの本村陽一副センター長は、リアルな現場での活躍を予想する。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2015年 3月 9日 公開]

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